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BTOパソコンを売り続けて18年、自作マニアも納得するこだわりとは?

2017年04月06日 19時00分更新

文● 宮里圭介 編集● ジサトラカクッチ

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大きく4つの種類があるサイコムのBTOパソコン

 サイコムのBTOパソコンは、パーツを細かく選べ自由にカスタマイズできる「スタンダード」モデル、水冷や静音、ゲームなどコンセプトに沿った「Master」シリーズ、映像編集や3DCG、イラスト作成に特化した「クリエイター」向け、そして高品質にこだわった「プレミアム」ラインの4つが主軸。この中でも特にこだわりがあるのが、Masterシリーズだ。

それぞれの種類でさらに細分されてるが、大きく分けるとスタンダード、Master、クリエイター、Premium Lineの4種類となる。

ファンの向きや場所までも検証した“こだわり”のMasterシリーズ

 “Aqua Master series”で採用している水冷ユニットは、ポンプ、リザーバー、ラジエーターを一体化させた、いわゆる簡易水冷と呼ばれるもの。これを使えば誰でも手軽に水冷化が可能となるものの、ファンとの組み合わせやラジエーターの位置などの違いで冷却性能や騒音が大きく変わってしまい、思ったほどの性能が得られないこともしばしば。また、使用するケースによっては取り回しが難しかったり、一部干渉してそのままでは付けられない、といったことも起こってしまう。

 こういったトラブルや性能への不満が起きないよう、徹底した検証と厳選パーツの採用、独自のケース加工などにより、単純に組み立てただけとは違う次元のPCへと昇華させているのが特徴だ。

「単純に水冷パーツを使ったから水冷PCの完成……というのではなく、ファンの向き、種類、場所、ラジエーターの位置、ケースはどれがいいか、BIOSのチューニングまですべて検証していき、最適となるものを探ってようやく製品化しています。いくら良さそうなパーツでも、検証結果しだいで不採用にしていることも結構あるんですよね」(山田氏)

ファンの向きやラジエーターの位置などを変え、温度やファン回転数などをチェック。最も効果のある組み合わせを探すという、地道な検証作業だ。

 膨大な検証の繰り返しは、PCに精通した人が時間をかけてやるしかないだけに、誰もができる作業とはいかない。山田氏が新しいパーツを試すときはPCパーツ一式を持ち帰り、自宅にこもってひたすら検証を続け、最大の効果が得られるよう突き詰めていくのだという。検証に1週間近くかかってしまうこともあるそうだ。

 グラボの水冷化は、サイコムが力を入れているもののひとつ。過去には独自に水冷化したGeForce GTX搭載グラボが、NVIDIAの水冷リファレンスモデルだと勘違いされて海外で話題になったこともあるという。リファレンスと見間違う程の完成度、そして他にはない独自性、技術力があるからこそ、こういった話題にもあがるのだろう。また、独自の水冷グラボが実現する背景には水冷クーラーのOEMベンダー最大手、デンマークのASETEK社から直接GPU用水冷ユニット(740GN)を仕入れているのもポイント。同ユニットを仕入れ、製造しているのは世界でサイコムのみだという。なお、現在はGeForce GTX 1080 Tiの水冷化を検証中。早ければ4月中にも発売を予定している。

 GeForce GTX 1080Tiも、Asetekの水冷ユニットを使った水冷化に成功。温度も低く高クロック動作も可能とかなり期待ができる検証結果だ。

騒音だけでなくCPU温度までチェックした現実的な静音PC

 PCへの要求で性能以上に求められることが多いのが静音性だ。“Silent-Master Pro series”はトコトン静音にこだわり、「どちらのファンが静かか」といったパーツ単位の単純な比較ではなく、完成PCとしての騒音を第三者機関を利用して計測。しかも騒音だけでなく、同時に冷却性能まで計測するという徹底した検証を行なっている。どれだけ静かでも、CPU温度が異常に高くなってしまっては安心して使えないからだ。

「いくら静音パーツを使ったと言っても、どのくらい静かなのかってわからないんですよね。そこで、実際どう変わるのかを比較・検証するため、公的な第三者機関で騒音をしっかり測ることにしたんです。最初は、計測は1日で終わると思っていたのですが、静音性と冷却性とでどうバランスをとるのか、どのパーツを使うといいのかという試行錯誤が必要で、結局……かなりの日数がかかってしまいました」(山田氏)

 この検証で素晴らしいのは、単純に騒音だけでなくCPUの温度も掲載されていること。しかもアイドル時だけでなく、ストレステストのOCCTやFurMarkまで使い、高負荷をかけた場合まで検証されているので、最悪の状態に近い状態の騒音まで分かるのがポイントだ。「静か!静音!」と連呼されているだけでは疑問に思う静音PCも、数値と一緒にしっかりとした検証結果が公表されていれば、納得して購入できるわけだ。

こだわりパーツでメーカーとコラボ

 こういった独自性の高い付加価値を追求したPCを展開していることもあり、パーツメーカーの方から声をかけてくれることが多くなってきたという。こういった話し合いの中から生まれたのが、パーツメーカーとして人気の高いCorsairとのコラボモデルとなる“G-Master Vengeance”だ。キューブ型ケースの『Carbide Series Air』、120mmファンを2つ搭載した水冷クーラーの『H100i V2』、80PLUS GOLD認証を取得した電源の『RM Series』を採用したゲーミングPCで、見た目も性能もハイレベルな製品となっている。

大型ラジエーターの水冷クーラー『H100i V2』など、Corsairの人気パーツを使った高性能PCをコラボモデルで販売。