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BTOパソコンを売り続けて18年、自作マニアも納得するこだわりとは?

2017年04月06日 19時00分更新

文● 宮里圭介 編集● ジサトラカクッチ

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 CPU、メモリー、ストレージ、グラボ、電源、ケースなど、パーツ単位で細かく自分好みにカスタマイズできるBTOパソコンは、とくにスペックにこだわりたい人が好む傾向にある。BTOは大手メーカーが直販サイトで対応するようになるなど、今でこそ当たり前だが、まだBTOパソコンが珍しかった1999年から販売を開始し、多くの支持を得てきたのがサイコムだ。同社のBTOパソコンの魅力はどこにあるのかというド直球な疑問をぶつけるべく、埼玉県八潮市にある会社へとお邪魔した。

人物紹介

株式会社サイコム
(左)代表取締役
河野 孝史
(右)プロダクトマネージャー
山田 正太郎

漠然と組み立てて売るのではなく“こだわりのBTO”をスローガンに

 自作PCを組み立てた事がある人なら分かると思うが、ぶっちゃけた話、動くだけでいいならPCの組み立ては簡単だ。中のケーブルがぐちゃぐちゃだろうが、ネジを数本止め忘れていようが、ファンにケーブルがぶつかっていようが、配線さえ間違えていなければ動いてしまう。さすがにここまでひどい組み立てをする人は滅多にいないが、PC内部の細かな部分までこだわるのは自作マニア、もしくは几帳面な人くらいなもので、多かれ少なかれ手を抜いて組み立てがちだ。理由は明快で、手間がかかる割に性能への影響が少ないから。自作PCに詳しい人ほどその現実を知っているだけに、適度に手を抜くわけだ。

 BTOパソコンも同じで、いくらメーカーが組み立ててるといっても手をかけすぎてはコストが高くなってしまう。どこまでやるかは各社それぞれだが、サイコムはどこよりもしっかりと、こだわって組み立てているという。

「BTOパソコンを選ぶ人は昔自作PCをやっていたとか、買い替えで高性能なPCが欲しくなったという、PCに詳しい人が多いです。そういったお客さんが届いたPCを見たときに、「ああ、こだわってるな」とか、「ただ組み立てているだけじゃないんだ」と言ってもらえるよう、“こだわりのBTO”というのを社員一人一人が意識しています」(河野氏)

 たとえばケーブルであれば単純に接続して終わりではなく、ケース内のエアフローを考えて引き回すほか、後々の拡張を意識して再利用可能なケーブルタイで束ねたり、端子カバーの装着、SATAケーブルへの抜け防止シールの貼り付けるなど、実用性が高くなるよう工夫して配線されている。ケースを開けて見たときに、ひと目で「こだわってる」と感じられるわけだ。

ケーブルは必要最低限の長さへと束ねられ、ケース内でとぐろを巻くことなく配線されている。誰が見てもキレイな配線だ。

 これ以外にも、PCがホコリだらけ、指紋だらけとならないよう必ず掃除することや、配送中の故障が少なくなるよう二重梱包で出荷するといったこだわりもある。10万円、20万円するPCなのに、届いたときから指紋だらけだったり、いくら保証があるといっても動作しなければ興ざめしてしまうだけに、細かな部分にまで気を配ってもらえるのはありがたい。

単純な価格競争ではなく、購入後のサポートも含めたトータルで勝負

 自作PC最盛期はメーカー製PCが高価だったこともあり、少しでも安くするために自作PCを選ぶというユーザーが多かった。BTOパソコンもその傾向が強く、サイコムも当初は価格の安さを意識していたものの、しばらくするとメーカー製PCの値下げや、大手のBTO参入などで価格面でのメリットが出しづらくなってしまった。いくら頑張ったところで、圧倒的な量を扱う大手メーカーとのコスト勝負では負けてしまうからだ。そこで力を入れたのが、購入後のサポートを含めた満足度の重視だ。

「同じスペックで比べたら、ウチよりも他社さんのほうが安いです。“サイコム 価格”などで検索してもらえるとわかりますが、「サイコムは高い」といった意見が結構多く見られます。実際価格は安くないのですが……そのぶんウチはサポートに力を入れているのが特徴ですね。たとえば修理では壊れたパーツを新品に交換しますし、現象が再現しなくても、ユーザーから動作が怪しいと言われたのであればマザーボードとストレージは交換してから返却するといったように、ユーザーが納得できるような対応を心がけています」(河野氏)

 コスト重視で修理するなら、故障しているパーツをメーカーに戻して修理してもらい、それが届いてから組み直すというのが一般的。それをせずに新しいパーツを使うということは、それだけコストがかかってしまうわけだ。しかも故障が認められないパーツも交換してしまうということは、さらにコストを押し上げる。それでも新品パーツと交換するというのは、ひとえに修理期間を短くし、ユーザーの満足度を高めるためだ。また、修理時にはPC内の掃除も行ない、購入時と同じ……とまではいかないものの、キレイな状態で返却することを心がけているという。

メモリーが怪しいのであれば、『Memtest86』でエラーがないかをチェック。故障している箇所を特定していく。

 電話やメールでのサポートにも力を入れており、誰もが満足いく完璧な返答ができるとは限らないが、可能な限り期待に応えられるよう、必ずPCに詳しい担当を置いているのも特徴だ。

「不安な気持ちでサポートに連絡しているのに、「OSを再インストールしてください」といったサポートマニュアル通りの回答をもらったところで、何も解決しませんよね。大手メーカーのように365日24時間サポートはできませんが、その代わり、できるだけ1回の電話で問題が解決できるよう努力しています」(河野氏)

 散々待たされてようやくサポートと電話が繋がったと思ったら、どうでもいいような動作確認を長々とやらされ、結局直らず。その挙句、「修理の受付はするけど現象が再現しない場合は技術料で1万円かかる」などと言われたら、どう考えてもいい印象は受けないわけだ。こういった明確な故障ではないものの、不安定な動作をするPCの問題にも対処してもらえるサイコムのサポートなら、心強く感じるのは当然だ。ユーザー視点から納得できるサポートがしてもらえることも含めれば、購入時の価格が多少高く見えても、トータルでは満足いくものとなるだろう。

オークションで中古パーツを販売するユニークな試み

 Webサイトを見て気になるのが、BTOパソコンやPCパーツと並んで表示されている“オークション”というメニュー。クリックしてみると分かるが、電源やグラボ、CPUなどの中古PCパーツが割安に出品されている。実はこれ、修理で交換したパーツや、アップグレード時に下取りしたパーツ、商品として使えないキズモノなどを出品しているのだ。

小傷ありの中古電源を見てみると、ケーブル完備で開始価格500円と激安。CPUとグラボも見てみたが、どれも開始は500円だった。

 先程のサポートの話でもあったが、パーツ単位では動作していても念のため交換するという修理対応を行なっているため、故障していない正常なパーツや、修理上がり品が行き場を失ってしまうことがある。こういったパーツは別のPCへと使いまわせないため、捨てるしかないのだが……壊れていないのに捨てるのはもったいない。また、サポートにかかるコストを少しでも回収できるようにと、オークションで販売しているそうだ。オークションへの出品は、ある意味、惜しげもなく新品パーツを使って修理を行なっているという証左ともいえるだろう。

 中古とはいえ動作確認済みで、開始価格の設定もかなり安くされているため、安くパーツが欲しいという人はチェックしてみるとよさそうだ。

 ここまでは主にサイコム全体の特徴について見てきたが、次ページからは実際に販売しているBTOパソコンについて、その“こだわり”の部分を詳しく見ていこう。

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