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iPhone&スマホのオーディオを高音質化する! 第2回

ハイレゾ音源を高音質で聴ける1~2万円のヘッドフォン/イヤフォンはコレだ!

2017年03月25日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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生き生きとした出音で空間の再現が見事
オーディオテクニカ「ATH-AR5」

オーディオテクニカ「ATH-AR5」のボルドーレッド。やや落ち着いた色合いの赤色で、名前の通り赤ワインの色を意識していると思われる

オーディオテクニカ「ATH-AR5」のボルドーレッド。やや落ち着いた色合いの赤色で、名前の通り赤ワインの色を意識していると思われる

 今度はヘッドフォンタイプを紹介しよう。オーディオテクニカの「ATH-AR5」(実売価格 1万6000円前後)は、「SR(SoundReality)」シリーズのミドルクラスモデル。

 モダンなモニターヘッドフォンのようなデザインも踏襲しており、比較的安価なモデルながらも作りもしっかりとしている。カラーはグレーに近いスティールブラックとボルドーレッドの2色だ。

左側のハウジング部分にはヘッドフォン端子があり、付属のコードを着脱できる。端子は通常のステレオミニ端子だ

左側のハウジング部分にはヘッドフォン端子があり、付属のコードを着脱できる。端子は通常のステレオミニ端子だ

ハウジングの内側部分。イヤーパッドは立体縫製で装着感に優れた形状としている。保護用のネットの奥にドライバーユニットがある

ハウジングの内側部分。イヤーパッドは立体縫製で装着感に優れた形状としている。保護用のネットの奥にドライバーユニットがある

コードのリモコン部分。一見するとボタンがないようにデザインされている

コードのリモコン部分。一見するとボタンがないようにデザインされている

 ユニットは45mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。ハイレゾ音源に対応する広帯域再生を実現している。振動板を保護するプロテクターは、高域特性を改善する新開発のものを使用する。

 ハウジングは大きめのアラウンドイヤータイプだが、シンプルなフォルムということもあり、あまり大柄な印象はない。ヘッドバンド部も細身で屋外での使用を意識したデザインと言えそう。

 アラウンドイヤータイプのハウジングは耳をすっぽりと包み込み、頭によくフィットする。

 装着感も良好だが遮音性もなかなか優秀。イヤフォンタイプほどではないが音漏れも少なくなっているだろう。側圧はやや強めの部類だが締め付けられるほどではない。屋外で歩きながら使うには安心感のあるホールド力だ。

音場の広がりがスゴイ! 空間表現が素晴らしい

 いわゆるヘッドフォンとしてもかなり驚かされるのが、音場の広がりや空間表現の上手さ。響きの余韻のような微小な音の再現性がいいこともあるし、不要な振動による音の濁りのない澄んだ音の再現などが総合してのものだと思うが、頭の中にホールが再現されるような立体的な音場になる。

 このため、オーケストラの演奏は一斉に鳴った楽器の音が空間に響いていく様子まで鮮明に再現される。それでいて個々の音は粒立ちもよく、ナチュラルな音色できめ細かく描かれる。この写実的な再現は見事だ。

 チェロが中心のジャズでは、スタジオ収録らしい現場の空気感が再現されるし、チェロの存在感がリアルだ。適度な量感を伴った低音の響きが等身大のサイズのように感じるし、弦を擦る感触まで伝わるような細やかさだ。

 ポップスのボーカルでは、楽しさがよく伝わる。ボーカルとピアノが楽しく会話をしているような感じの掛け合いの雰囲気もよく出ている。

 このあたりの反応のよさ、出音の生き生きとした感じも大きな魅力と言えるだろう。モニター調の色づけのない再生音なので、派手さや個性はあまり感じないが、正確な描写と生き生きとしたノリの良さがよく出ているので、楽しく音楽を聴かせてくれる。 

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