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ReadyNASでオフィスを、仕事を進化させる! ― 第2回

「X-RAID2」「回数無制限スナップショット」の威力を実際に試してみた

ディスク障害や操作ミスもオフィス向けReadyNASなら大丈夫

2017年04月03日 08時00分更新

文● 廣瀬治郎 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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え、ハードディスクが壊れた? 「NASにするべき」って言いましたよね!?

 うわーっ! どうしよう!!

――あれ、どうされましたか?

 明日の会議で使うはずのプレゼンファイルが消えちゃった! 外付けのハードディスクに入れてたのに、パソコンにつないでも「ドライブが認識されません」って……。どうもハードディスクが故障したらしいんだ。

――……この間、ハードディスクが壊れたらどうするんだって忠告しましたよね?

 あっ、うん……。だけど、企業向けのNASってけっこう“イイお値段”するじゃない? USBでつなぐ外付けのハードディスクなら安く買えるし、それでいいかな、って……。

――そのファイル、パソコンの内蔵ハードディスクには残ってないんですか?

 ちょうどパソコンのディスクがいっぱいになってきたから、まとめていろんなデータを移しておいたんだよ。運が悪すぎる……。

 ……あれ、待てよ? プレゼンファイルも困るけど、もしかして、プレゼンで話す内容を考えるために集めた資料のファイルもまとめて消えちゃったんじゃない!? プレゼンを作り直すにしても、明日の会議に間に合わないよ! どうしよう!

――だからNASをオススメしたんですよ!

 わかってるよぉ……。でもさ、ほんとうにハードディスクが故障してもファイルは無事なの? ちょっと信じられないんだけど。

 あ、それとホントはさ、社員旅行で撮った写真も復活してほしいんだよ。ハードディスクが故障するまえに、僕が操作ミスしてフォルダごと削除しちゃったヤツなんだけど。

――もちろんそれもできますよ。前回オススメした「ReadyNAS」ならね。

 え、できるの!?

データ保護機能があるからこそ、オフィス向けNASを選ぶ

 本連載第1回の記事では、オフィスで利用するならば、ファイルには「保護」と「共有」の仕組みが必須だと説明した。特に保護はとても重要であり、できれば何重もの仕組みで保護されていることが望ましい。ビジネスデータの多くは、失われてしまうとほんとうに困る――場合によっては“取り返しがつかない”――からだ。

 多くの企業がコストをかけてファイルサーバーを導入し、ときには何重にもファイルのデータをバックアップしているのは、ファイルが失われた場合に発生する損害よりも、そうした「保険」のほうが安上がりだからだと言える。

 ただし、ハードディスクは衝撃に弱く、長年使っていれば必ず故障するデバイスでもある。PCオタクである筆者も、これまで何本ものハードディスク故障を経験しており、そのたびにバックアップやRAIDの必要性をひしひしと感じてきた。管理の手間や機能性を考えると、複数の社員が所属するオフィスでは、ファイルサーバー専用機の企業向けNASを導入するのが適しているだろう。

 ReadyNASシリーズには、オフィスの規模や予算、用途に応じて、幅広いラインアップから最適なものを選ぶことができる。そして、管理者が難しい設定をしなくても、何重ものファイル保護の仕組みでファイルを守ってくれる。今回は、最上位シリーズの「ReadyNAS 626X」を使って、その強力なデータ保護機能の一部を堪能してみよう。

本稿でテスト機に使用する「ReadyNAS 626X」は最新モデルの1つ、ハードディスクを6本まで搭載できる

RAIDに関するお悩みを解決? ReadyNAS独自の「X-RAID2」技術

 前回も説明したとおり、一般的なオフィス向けのファイルサーバーやNASでは、ハードディスクの故障に備えてRAID技術を採用している。複数本のハードディスクを同時に使って、ハードディスクが突然故障しても、保存しているファイルが失われないようにする仕組みだ。

 RAIDには複数の方式(レベル)があり、搭載するハードディスクの本数によって、利用できるRAIDレベルは異なる。データ保護を目的とする場合、ハードディスク2本だけならばRAID 1しか使えない。これが、3本になればRAID 5も、また4本以上ならばRAID 6やRAID 10も利用できるようになる。それぞれ、実際に使用できる容量や保護の強さ(ハードディスク故障の許容本数)に違いがある。

よく使われるRAIDレベル(RAID 0/1/5/6/10)

 ここで悩ましいのは、一般的には最初に決めたRAIDレベルから別のRAIDレベルには切り替えられないことだ。たとえば、最初はハードディスク2本でRAID 1を構成しておき、容量がいっぱいになってきたのでディスクを1本買い足してRAID 5に移行する、ということができない。これをやるためには、いったんすべてのデータをほかのファイルサーバーに退避(コピー)し、RAID 5を新たに構成したうえで全データを書き戻すという、とても面倒な作業が必要になる。

 ベテランの専任IT管理者ならばともかく、これからファイルサーバーを導入しようと考えるユーザーが「必要なハードディスクの本数(容量)」や「最適なRAIDレベル」を決めるのは難しい。

 だが、ReadyNASシリーズの場合は、ネットギア独自の「X-RAID2」技術によってこの問題を解決してくれる。搭載しているハードディスクの本数に応じて、自動的に最適なRAIDレベル(安全性の高いRAIDレベル)を選択してくれるうえ、ハードディスクを増設すれば、NASを停止することなく新たなRAIDレベルへと切り替えてくれるのだ。

 X-RAID2は、ハードディスク1本の段階から有効にしておくことができる。この段階ではRAIDによるデータ保護はないが、ハードディスクをもう1本追加すればRAID 1が有効になり、2本のハードディスクに同じデータが書き込まれた状態になる。これで、どちらかのハードディスクが故障してもデータは失われない。

 やがて、ディスク容量が不足してきたら、ハードディスクをもう1本追加して3本構成にする。すると、自動的にRAID 5へと切り替わる(以下、4本以上になってもRAID 5で動作する)。このとき、データを一時的に退避したり、NASを停止したりする必要はない。ReadyNASが勝手に判断し、勝手に設定、移行処理をしてくれるのだ。

 X-RAID2では、ハードディスクの容量拡張にも対応している。ディスク容量が足りなくなったときに、ハードディスクをより大容量のものに交換することもできるのだ。ハードディスクを3本以上搭載し、X-RAID2がRAID 5で稼働している場合は、全体のうち3本以上を大容量のものに交換することで、使用可能容量が拡張できる。こちらもNASを停止することなく作業できるので、業務に大きな影響が生じることもない。

 なお、RAID 6やRAID 10を使いたい場合などは、管理者自身でRAIDレベルを設定する「Flex-RAID」モードも用意されている。ただし、こちらは大容量ディスクへの交換時に容量拡張することはできない。将来的な増設を検討しているのであれば、X-RAID2のままで利用するほうがよいだろう。

RAIDの威力をテスト:電源が入ったままハードディスクをぶっこ抜く!

 さて、X-RAID2の仕組みを理解したところで、ちょっとしたテストをやってみたいと思う。ハードディスクが壊れても、本当にデータは保護されるのか、というテストだ。

 前述のとおり、筆者の手元にはテスト機のReadyNAS 626Xがある。新品の6TBハードディスクを6本、ドライブベイにセットして電源を入れると、X-RAID2によって自動的に「RAID 5」が選択され、新しいボリュームが構成された。このボリュームの使用可能容量は27.3TBだ。

 何か大容量のファイルを保存したほうがいいだろうと思い、インタビュー取材で撮影した多数の動画ファイル(総計80GB超)を保存してみたが、管理画面の使用量グラフにはほとんど変化なし。やはり27TBもあるとすごい。

ハードディスク6本でX-RAID2を有効にすると、RAID 5が自動選択される

 さて、ここからがドキドキタイムだ。ハードディスクが突然故障した状態を模擬的に作るため、ReadyNASの電源を入れたままドライブを外してみる。前述したとおり、ReadyNASは稼働したままドライブの付け外しができるので「無茶な作業」というわけでもないが、やはり緊張しないわけにはいかない。

 震える手で一番下のトレイを外すと、外したドライブベイのLEDが赤く光り、Web管理画面にはアラートが表示された。ボリュームの表示にも「ボリュームは劣化しています」と表示されている。この「劣化」という言葉は、RAIDが正常に構成されておらず、データ保護ができていない(もう1本故障するとデータが失われる)という意味だ。早く正常な状態に戻さないといけない。



管理画面では引き抜いたドライブが消え、アラートも表示された

 本当ならば、ここで故障したハードディスクを新しいハードディスクに交換することになる(今回は取り外したハードディスクをそのまま戻す)。すると、ReadyNASは新しいハードディスクが取り付けられたことを認識して、自動的にRAIDの再構築を開始した。この再構築処理には時間がかかるが(今回の場合は8時間ほど)、処理をしている間もReadyNAS上のファイルには通常どおりアクセスすることができる。ただし、故障したハードディスク上にあったデータを復元している間は、通常よりもパフォーマンスは低下する。

 とは言え、この状態でPCにファイルをダウンロードしてみると、転送速度は110MB/秒も出ていた。筆者宅のネットワーク環境は1ギガビットEthernetなので、ほぼ仕様全開のスピードである。加えて、ReadyNAS上にあるフルHDの動画ファイルを再生しても、特に問題なく再生できた。ハードディスクが故障してもまったくフツーに使えている。ちょっとした感動である。

RAID再構築処理中に、ファイルをPCにコピーしてみる。パフォーマンスは良好

 これは、ReadyNAS 626Xが搭載しているXeonプロセッサの強力なコンピューティングパワーによるものだろう。さすがに多数の社員が同時アクセスするオフィスではパフォーマンスも低下するはずだが、その影響は比較的小さいのではないかと推測される。

 言うまでもなく、パフォーマンスが低下しないからと言ってそのまま放置するなどもってのほかだ。次にもう1本故障すれば、データはすべて失われてしまう。できれば常に予備のハードディスクを用意しておき、故障したら速やかに交換することをオススメする。

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