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SXSW 2017 Interactiveレポート第3回

SXSWで見た日本発”飛躍”企業の挑戦(後編)

やばい日本のテクノロジーはどう受け入れられた?来場者も多様なSXSWトレードショー

2017年03月21日 09時00分更新

文● 北島幹雄 編集●ガチ鈴木 ASCII STARTUP

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経済産業省が行なう「飛躍 Next Enterprise」。国内の意欲的なベンチャー・中堅企業を海外に派遣する同プロジェクト。SXSWのトレードショーに参加した日本企業11社の出展内容を前後編にわたってまとめてお届けする後編。実際のSXSW出展で見えた生の声とともにお届けしたい。SXSW出展を考えているベンチャーはぜひ参考に。

日本発の独自ガジェットはどのようにSXSWで受け入れられたのか~SXSWで見た日本発”飛躍”企業の挑戦(前編)~

B2BでのアピールもSXSW独自ポイントがある

 前編でのガジェット特集に続いて、飛躍企業のブース展開ではB2Bやソリューション展開関連をお届けする。

 導電性インクを使ったペーパープロダクトに強みを持つ株式会社GOCCO.は、海外の広告制作会社やデザイン会社などへの興味喚起、新プロジェクト開始のきっかけとしてSXSW出展を選んだ。

 海外での展示は初ということで、とにかく会社のカラーを大いに出すこと、目立つための努力を全力で実施。ジョ●ズやトラ●プを扱ったギリギリのコンテンツを展開していた。導電性インクを使用したビ●クリマンのキラを模したようなサイケなデザインシールをスマホにかざすことで、独自コンテンツが閲覧できる。

 会場内では、導電性インクを使った海外企業の展示も複数あったが、素直に日本のレベルの高さが際立っていた。ただのフレキシブルな基板や身体へのデカールという部分だけではない、コンテンツをからませた展開はほかになく、GOCCO.への引き合いが多かったという。

 会社自体への興味はもとより、将来的な直接の顧客としてヨーロッパの大手代理店からの声や、来場者の中であまり目立っていなかった中国勢のアプローチが強かったようだ。成長するなかで、新たな広告コンテンツを求めているところがあるという。

 株式会社ナノルクスは近赤外線での暗視技術でのデモを実施。

 海外出展も経験している同社の狙いは、B2Bでの潜在顧客開拓と、海外の投資家との出会いだ。実物デモを映像で見せることで会場での反応も上々。起業から1年未満のスタートアップではあるが、SXSWでの目的は果たしていたようだ。

 VRで人体の内部が見える医療支援コンテンツを手掛けるホロアイズ株式会社の谷口直嗣代表取締役がSXSWで狙うのは、メディア露出、キーパーソンとのコンタクトだ。

 事前にLinkedInやSXSW socialを使って、医療関係などの想定顧客への売り込みを行なったことで、直接的なビジネスにつながるブース来訪者が多かったようだ。

 最新テクノロジーを扱うSXSWでは、バイオ関連などライフサイエンス関連のセッションも非常に多い。出展するだけでなく、認知から導入働きかけ、さらには投資案件でのVCとのコミュニケーションまでも含めて、効率的な海外B2Bイベントでの展示が行なわれていた。

 こちらは非常に効果的な海外展開へのつながりを見せていた株式会社Live2D。海外出展経験もあるが、改めて国外でのサービス認知度拡大とモデルケースとしての展示品販売を想定して臨んだ。重視したのは、展示物のインパクトだ。

 「I WANT YOU」とこちらを指し示す2次元のイラストであるアンクルサムを、目の前にいる来場者に合わせて有機的に動かす展示は、「すばらしい」「気持ち悪い」というビビッドな反応をもって迎えられたという。

 二次元キャラクターをいかに動かすかというソリューションは、海外ゲームなどでの採用も増えているが、同社以外では目立ったところはない。インタラクティブな展示物という部分では、技術も込みでのディスプレーそのものを個別のアートピースとして価格設定するなど、明確な狙いを持っていた。来場していた映画関係者からは「ハリウッドのこのキャラでやりたい」といった声もあったという。

 株式会社Eyes, JAPANは、環境センシングやアプリ連動、光る車輪を付けた自転車を展示し、こちらもわかりやすく会場で目立っていた。

 山寺純代表によれば、海外イベントでの狙いは出資者や協業先。もともと海外出展が多いということだが、今年はその反応がよりビビッドになっているという。「環境センサーなど、世界的にグリーンな自転車への需要が高まっている。中国で急成長するシェアサイクルベンチャーの担当者など、非常に強い興味をもっていただいた」

一度だけで終わらない展開に期待したい

 ここまで見てきたように、いずれの企業も自社ならではの利点を生かしてSXSWならではの顧客を発見している。国内外も含めた来場者の多彩さがSXSWならではの魅力であり、フリージャンルを受け止める多様な生態系があることが見てとれる。

 後編の最後には、飛躍参加企業の声からメリットや課題点として聞こえた部分をまとめておく。一度だけで終わらせるのではなく、今後も見据えて継続的な実績が生まれることに期待したい。

・SXSWに参加するというハードルを下げてもらえたのは大きい。初めての展示会参加でも安心してのぞめるような言語などのサポートがある。専門用語がどう聞こえるか、という点は英語力とはまた別の次元なので、フォローアップしていただけるのはありがたい。デモの準備などに専念できた。
・金銭面のサポートはチャンスを広げる、という意味でありがたい。補助金の振込が早かった点も、資金繰りではありがたかった。ただし一方で、レギュレーションもオペレーションも細かく、申し込み以前には支援の全体が見えづらいところも。
・政府のお墨付きとともにSXSWに出展できるチャンスは重要。
・優れたスタートアップがいて刺激を受ける。出展者の間の交流もなかなかできてないのでありがたい。今後は、日本の大手企業や他国との交流も増えると、さらに参加の意義が深まるのでは。

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