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導入するだけで、使い込んだシステムが蘇る

品薄で入手難、個人的にも興味があった「Sonica DAC」の実力は?

2017年03月09日 20時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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 オーディオ製品には“最新を求める”楽しみがある一方で、“いいものを長く使い続ける”愉しみもある。オーディオの世界ではこのところ、ストリーミング再生やファイルフォーマットの進化など技術革新が華々しい。一方で、プレーヤーが出す音をアンプで増幅し、スピーカーで音を出すという基本的な部分は何十年も変わっていない。銘機やヴィンテージ品と呼ばれる機種も存在し、古い機器なりの味わいを楽しめたりもする。

 そんなオーディオが持つ2つの側面を橋渡しできる機器が登場した。OPPO Digitalの「Sonica DAC」だ。

 最大で22.6MHzのDSDに対応。後述するように、100万円以上の高級機種が使うような最新DACチップを内蔵している、ハイレゾ時代に即した、きわめて“多機能”な製品だ。

 搭載するDACチップはESS Technologyの「ES9038PRO」となる。

 ES9038PROは、同社のハイエンドに位置づけられる製品。Sonica DACの実売価格で10万円強で、単品コンポとしてみれば初級~中級クラスのレンジに位置づけられる。現状ではかなりの高級機種しか採用例がないチップだ。だから、まずこのクラスの製品で搭載されると思っていなかった層が、Sonica DACに飛びついた。専門媒体などでも「このクラスでは“異例”」と言ってもいいほど「音のいい機種」という評価が相次ぎ、人気に拍車がかかった印象だ。

 2月の販売開始以来、品薄状態が続いているが、実際に手にしたユーザーのコメントを見ても、これまでの製品の常識を覆す“高コスパ”という評価が多い。購入者レビューなどで比較対象として100万円程度の機種を挙げる人がいるほどだ。

 筆者自身も、実は昨年末のイベントで試作機の音を聴いてからずっと気になっていた機種だ。この記事を執筆するために、デモ機を借用して、製品版の音を自宅のシステムと組みあわせて数日じっくり聴いてみた。そして、改めてその魅力を実感した。そんなSonica DACの魅力を編集部の視点で斬っていこう。

デスクトップ・オーディオとしても使える小型サイズ

 Sonica DACの機能/音質については、すでにオーディオ専門誌などでも詳しく紹介されている。細かな解説は後回しにして、まずは手持ちの機器につないだ際の率直な感想から始めよう。

 試聴に際して“何と組み合わせるか”は少し悩んだが、ハーフサイズ(幅254×奥行き360ミリ)のコンパクトな筐体を生かせる点を重視。リビングでも気軽に置け、場合によってはデスクトップ再生でも楽しめる“ブックシェルフスピーカー”とコンパクトな“真空管プリメインアンプ”の組み合わせにしてみた。

真空管アンプのTRV-A300SEとは近いフットプリントだ

 オーディオが趣味の筆者は、単品コンポも自宅にいくつか置いているが、その中に10年ほど前に買った小型スピーカー「DALI Royal Menuet II」がある。トライオードの真空管アンプ「TRV-A300SE」とはベストマッチで、“美音系のスピーカー”を“真空管アンプ”で鳴らす醍醐味がある。

 TRV-A300SEのフットプリントは幅230×奥行き400ミリであり、Sonica DACとサイズ感が近い。販売が終了してからかなりの時間が経ってはいるが、Menuet IIもTRV-A300SEも入手した際の価格は10万円程度だった。近いクラス感の製品でもある。

 Menuet IIとTRV-A300SEを購入後10年たっても手元に置いているのは、やはり音色の美しさに堪えられない魅力があるためだ。真空管というとナローレンジで古びたサウンドをイメージする人がいるかもしれないが、TRV-A300SEは300Bシングルのシンプルな構成ということで独特の透明感がある。音の立ち上がりも早く、低域から高域までワイドレンジで情報量も豊富だ。古びた感じはない。

 一方で音色面では高域が瑞々しく伸び、特有の艶感がある。真空管アンプならではのエコー感も感じ、豊かな響きだ。主観的な表現になるが、音の粒が黄金のようにきらきらと広がっていくような感覚がある。

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