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やっぱりスマホ新製品に注目! MWC 2017レポート第15回

Jollaがソニーモバイルと提携! Xperia向けSailfish OSをリリースへ

2017年02月28日 18時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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 フィンランドのJollaは2月27日、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2017」でソニーモバイルとの提携を発表した。ソニーの「Sony Open Device Program」をサポートし、自社のモバイルプラットフォーム「Sailfish OS」について、Xperia向けのリリースを作成する。会場ではSailfish OSが動く「Xperia X」も展示されていた。

Sailfish OSがインストールされたXperia X

Xperia上で動くSailfish OSが2017年Q2までに登場

 ソニーのOpen Device Programは、ソニーのハードウェアでさまざまなソフトウェアを動かすことを目的としたプログラム。Jollaは今回、Open Sevice Programに参加してSailfish OSをソニーのXperia上で動くようにする。これによりコミュニティーや開発者がSailfish OSを動かすにあたっての端末の選択肢として、ハイエンドのXperiaが加わることになる。

 JollaのCEO、Sami Pienimäki氏は、ソニーとの関係を「今年の大ニュース」と形容した。「ソニーのデバイスはプレミアムハードウェア。高い品質、高度な機能を持ち、世界中で信頼されているブランドだ。今回のコラボレーションはSailfish顧客の開拓、そして企業や政府系ユーザーへのプレミアムデバイスの提供につながる」と期待を語った。Xperia向けのSailfish OSは第2四半期までにリリースする予定という。

JollaのトップのPienimäki氏

 ソニーのSony Developer Program担当ディレクターのKarl-Johan Dahlstrom氏は、「Sony Developer Programは高度な技術を使いこなすユーザーと開発者のためのユニークなソフトウェア体験のエコシステムの構築を目的としている。Jollaとの協業により、これをさらに強化できる」と声明文でコメントしている。

中国、ロシア、ボリビア……
Google主導のAndroidの独占に疑念を持つ国がSailfish OSに

 この日の発表会ではこのほか、中国、ロシア、中南米でのOSライセンス事業の成果や進捗を発表した。

 中国では「Sailfish China」というコンソーシアムが、中国市場向けにSailfish OSを開発するというライセンス形式をとる。ライセンスは独占的で、スマートフォンだけではなく、スマートウォッチ、自動車、スマートTVなどの分野に向けてもソリューションを開発するという。このコンソーシアムは、Silk Road FinanceのCEOを務めるShan Li氏が率いるもので、2億5000万ドルを投じてエコシステムを構築するとのこと。Li氏は業界のベテランで、Jollaに早期に投資したという経緯もある。

 JollaのチェアマンのAntti Saarnio氏は、「中国は2016年に2800万台の車が製造され、2015年のスマートTVの販売数は5000万台という巨大な市場だ。2020年のスマートホーム市場は5000万台であり、(Sailfish OSがターゲットとする)政府および政府系企業の従業員数は5000万人以上だ」と市場の潜在性を強調。

 「中国政府はAndroidのオープンソースコードから自社OSの構築を試みていた。だが、誰かが管理するコードからOSを構築するのは簡単ではない」とし、コンソーシアムを通じてSailfish OSが代替OSを提案できるとの見解を見せた。

 Jollaは創業時より中国市場参入意図を明確にしてきたが、2015年末には資金が尽きて破産申請を行うなど事業の見直しとリストラを迫られた。その2ヵ月後となる2016年2月に破産申請を撤回し、事業を絞り込んで成長戦略を立て直した。今回の提携は、中国市場では自社で事業開拓をするのではなく提携をするという戦略変更といえる。

 Shan Li氏は声明文で、「中国は自国の独立したモバイルOSを必要としている」とし、中国内のモバイルOSプロジェクトが失敗する中でSailfish OSは安定して成果を出しているとの見解を示している。「中国で代替OSとなりうるのはSailfish OSしかない」として、すでに同コンソーシアムに関心を示す企業がいくつかあると述べている。

 中国政府のAndroid独占に対する懸念に乗じる格好だが、同じような状況にある隣国ロシアでも開拓する。

 Jollaは2016年秋、ロシア政府により政府や自国企業向けにSailfish OSが認められたことを発表している。この日はJollaが独占的にライセンスするロシアのOpen Mobile Platform(OMP)とロシアの端末メーカー、InoiがSailfish OSベースのスマートフォンを4月に発表することを発表した。

ロシアのスマホメーカーがSailfish OS搭載スマホを発表

 OMPのCEO、Pavel Eyges氏は、ロシア市場の現状をAndroid(74%)とiOS(20%)の2社が独占していること、2016年のスマートフォン出荷台数は7400万台で2018年には8500万台に増加が見込まれていることなどに触れながら、「政府、企業、市民はAndroidを信用していない」とした。

 Jollaはこのほかにも、ボリビアのJala Groupと提携し、Sailfish OSを採用した「ACCIONE」をローンチすることを発表した。Jalaの創業者兼CEOのJorge Lopez氏は、ラテンアメリカでは低価格だが標準機能を搭載したスマートフォンが求められていると市場背景を説明。Sailfish OSを利用して実現していくとした。Sailfish OSを搭載したACCIONEは独立性をアピールして訴求し、価格は150ドル以下を目指す。9月にローンチする計画という。

ボリビアからもSailfish OS搭載機が

 1年前のMWCでJollaはインドのIntexと提携を発表、Sailfish OSを搭載した「Aqua Fish」発売にこぎつけたが、現在コンシューマー市場よりも政府・企業市場に優先的にフォーカスするため、今後のインド市場の展開については未定とした。


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