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Windows Info 第84回

Windowsで表示されるエラーコードの見方

2017年02月12日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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 Windowsでエラーがあるたびに表示される「エラーコード」。コードを調べると原因がわかるとされているが、インターネットでキーワード検索をしてみたところで、まともな答えが得られないことのほうが多い。よくてエラーコードの意味を理解しないで、単に対策だけが記載されている程度だ。

 そこで、今回はこのエラーコードを解説することにしよう。とりあえず、マイクロソフトが出している正式なドキュメントは以下にある。

[MS-ERREF]: Windows Error Codes
 https://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc231196.aspx

 基本的には、これを読めばいいわけなのだが、量も結構あって、しかも英語である。そこで、今回は、よく見かけるエラーコードなどを例に、ごく大まかに解説することにする。

 Windowsのエラーコードは、32bit値で、通常は16進数で表現されている。大きく「HRESULT」「Win32エラーコード」「NTSTATUS」の3つがある。よく見かける0x8007xxxxというのがWin32エラーコード、0xCxxxxxxxというがNTSTATUSである。

 また、場合によっては、システムがこれらのエラーコードに「拡張コード」を付けて詳細情報を付加する場合もある。たとえば、Windows Updateによるアップグレードなどは、エラーの発生タイミングを通知する拡張コードをつける場合がある。

 まずは、エラーコードの構造から見ていこう。エラーコードは、32bitで表現される整数値を16進数で表現したものだ。エラーコードの先頭にある「0x」は以下が16進数であることを示すために使われる記法の1つだ。コンピュータ言語などで数値を表現する場合に使われる。

 エラーコードは常に16進数とするというルールがあれば、先頭に0xをつける必要はなさそうだが、実際には、コンピュータ内部には16進数も2進数も10進数もなく、みな同じ32bitのデータでしかない。人間に見えるように数値を画面などに表示する際に、どのように表示するのかを決めているだけだ。しかし、単に数字だけを表示すると10進数解釈してしまうかもしれない。16進数でも、A~Fが一回も使われない数字というのもあるわけで、見た目に紛らわしい。このため、エラーコードは16進数で表現するために必ず先頭に0xをつけているようだ。

 このエラーコードのうち、まずは、0xの次の文字が8なのかCなのかで解釈の方法が変わってくる。まずは、先頭が8のWin32エラーコードからみていくことにする。

Win32エラーコード

 Win32エラーコードは、本来はHRESULTと呼ばれるAPI呼び出しなどの処理の結果状態(成功したのかエラーなのか)を表現するデータの一種だ。そのデータ構造は下の図のようになっている。

Win32エラーの場合には、エラーコードは0x8007というパターンから始まる

 HRESULTは、32bitデータの下位5ビットでエラーの種類を表している。ただし、5ビット目(bit4。Xビット)は使われておらず0に固定である。最下位にあるSビットはエラーなのか、そうでないのかを表していて、エラーの場合ここが1になる。残りはゼロになるため、エラーコードの先頭は、必ず8、つまり0x8xxxxxxx」(xは任意の16進数)というパターンになる。

 HRESULTでは、bit5(6ビット目)からbit15は、ファシリティ(Facility)と呼ばれるフィールドで、エラーの分類(発生位置)を示す。ここが0x007の場合は、Win32エラーだ。なお、ファシリティのリストは前述の文書にある。

●HRESULT
 https://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc231198.aspx

 つまり、エラーコードの上位4桁が「0x8007」になっているのはWin32エラーとなる。エラーコードの下位4桁は、ファシリティごとに意味が違っていて、Win32用のリストは、同様に以下のページにある

●Win32 Error Codes
 https://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc231199.aspx

 簡単にいえば、表示されたエラーコードの先頭が0x8007だった場合には、前記のページにあるリストから下位4桁の数字を探せばいいことになる。

NTSTATUS

 エラーコードの最初の桁が「C」だった場合、パターンはまた変わってくる。

エラーコードがNTSTATUS形式の場合、0xCから始まるエラーコードとなる

 Win32と似ているが、ちょっと違う。NTSTATUSの場合、ファシリティはbit4(5ビット目)からbit15(16ビット目)までとなる。コードの部分は、Win32と同じく16ビットになっている。ただし、NTSTATUSの場合、ファシリティとエラーコードを一緒にしたリストになっているので、以下のページから、エラーコードそのものを探す。

●NTSTATUS Values
 https://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc704588.aspx

 なお、ファシリティ部分がどのような意味を持つのかは、以下のページに記述がある。

●Appendix A: Product Behaviorの<4>以下  https://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc231214.aspx#Appendix_A_4

 これで、とりあえず、エラーコードを「エラーメッセージ」に変換することが可能になる。では、次回はもうすこし具体的にエラーコードについて見ていくことにしよう。

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