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16年中国EC市場、89兆4780億円…スマホ経由が60%超

2017年02月10日 02時30分更新

記事提供:通販通信

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グラフ (株)富士経済が9日発表した「中国向け越境EC市場の実態と今後 2016」によると、2016年の中国EC市場(物販)は5兆4000億元(89兆4780億円)、19年には10兆5000億元(173兆9850億円)に拡大すると見込んだ。

 中国EC市場は、実店舗よりネットの方が安いことや、EC企業が物流網の整備やユーザーの利便性を向上する施策を進めたことで、大幅に拡大している。商品の受注はスマートフォン経由の受注が60%以上。時間や場所を選ばずにECサイトにアクセスできる利便性やアプリ限定価格などの各EC企業の施策により、スマホの利用率が向上している。

 16年の中国向け越境EC市場は、前年比23.7%増の2320億元(3兆8443億円)と見込んだ。15年には「天猫国際」、「京東全球購」がモール内に国・地域別の専門店を開設したことで、世界各国の企業の出店が急増。販売商品数も急増し、市場は急拡大した。16年は4月に新税制が公布され、商品によっては増税となり、伸び率は鈍化した。

 商品カテゴリー別の構成比では、生活雑貨が30%を占め、マタニティ・ベビー用品の需要が高い。16年に「二人っ子政策」が開始されたため、今後も需要が高まると予測される。スキンケア・化粧品・美容器具などのビューティ他は25%で、各ブランドメーカーとの連携で正規品が安定供給されることで、販売実績が拡大している。中国産の信頼性の低さから、粉ミルクやスナック菓子などの加工食品についても、需要が高まっている。

 供給国別の構成比では、日本がトップの26.4%で、2位は米国(24.2%)、3位は韓国(21.3%)となっている。上位の国は「天猫国際」などの大手モールの専門館に出店していることで、シェアが高くなっている。

 日本はマタニティ・ベビー用品や化粧品などが中心で、米国は高級ブランドの服飾や雑貨、子供向けサプリメントの需要が高い。韓国はスキンケア化粧品の人気が高い。

 16年の日本製品の中国向け越境EC市場(物販)は、1兆158億円と見込んだ。日本企業による中国ECサイトへの旗艦店出店や卸売販売が増加した。中国で化粧品や雑貨、食品、家電などの日本商品の認知度が向上していることも、追い風となっている。

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