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大谷イビサのクラウドコミュニティな日々第12回

1月のJAWS-UG関連ニュースを振り返る

cloudpackショック、みんなAWS Samurai、いよいよJAWS DAYS 2017

2017年01月31日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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あっという間に2月になり、いろいろ動きが出てきたクラウド界隈。びっくらこいたcloudpack(アイレット)のKDDI入りや昨日発表されたばかりのAWS Samurai 2016、そしていよいよ近づいてきたJAWS DAYS 2017など、JAWS-UG界隈についてさらっとまとめてみたい。

仰天のcloudpackのKDDI入りが市場にもたらすインパクトとは?

 先週驚いたのは、1月25日に発表されたアイレット(cloudpack)のKDDI入り。つい先日、cloudpack(アイレット)とインフォテリアの協業発表会の記事を書いただけになおさらである。

 cloudpackがAWSのトップインテグレーターであることを意義を唱える人はいないと思う。グローバルでも数少ないAWSのプレミアコンサルティングパートナーの1社であり、しかも5年連続は日本ではNRIとアイレットの2社だけ。いわゆるクラウドに特化したCIerの走りとして、数多くのプロフェッショナルが梁山泊のごとく集まっている。実績面でも申し分ないだけに、KDDI入りには久しぶりに腰を抜かした。

 このニュースを聞いたとき、最初は「やっぱり独立系って厳しいのかー」という感想だった。ただ、これは長年記者をやってきた人間の脊髄反射的な感想なので、あまり気にしなくてよい。どんなイノベーティブなことをやろうと、どんな業界に先んじてたビジネスを展開しようとも、リソースがなければ、ビジネスは拡大しない。今、アイレットをはじめとしたCIerが切り開いている市場の潜在性を考えれば、cloudpackの600社の実績は大きいようでまだまだ小さい。そう考えれば、アイレットがより大きな舞台に立つためにはKDDIとのパートナーシップは正しい選択肢だと思った。

 KDDIという相手先に関しても、意外と悪くないかもと思い始めた。あくまで個人的な感想だが、現在のKDDIは国内のクラウド市場で大きな存在感を示しきれていない。グローバルのデータセンター事業者をM&Aで傘下に収め、アジアを中心に存在感を示しつつあるNTTコミュニケーションズ、中国最大手のアリババや新興のPacketなどとの提携を進めつつ、Azureの国内展開にも大きな影響力を持つソフトバンクグループに対して、KDDIはTELEHOUSEブランドのデータセンターと法人向けのSDNサービスを粛々と展開しているイメージがある。他社の後塵を配している市場の中で、新しいシステム開発・運用の形を実践しているアイレットは強力な隠し球になるだろう。

 もう1つはクラウドやIoT時代のネットワークという観点だ。ネットワークを前提とするクラウドやIoTの世界においては、足回りのネットワークの強靱さは大きな武器となる。しかし、多くのSIerの場合、回線を通信事業者から調達してこないと、システムを実現できない。ワイヤレスやIoT分野ではソラコムがネットワークをシステム構成の部品とできる新しい市場を切り開いているが、法人向けのネットワークの世界ではまだまだ。この点、クラウドインテグレーションに長けたcloudpackと通信回線を持つKDDIがうまく連携すれば、今までリーチしなかったエンタープライズ層にクラウドが届けられるはずだ。今後の展開を期待したい。

3人のAWS Samuraiおめでとう!でも、みんなAWS Samuraiだよね

 さて、30日には毎年恒例となったAWS Samurai 2016が発表された。AWS Samuraiはコミュニティ活動に尽力したメンバーをAWSJが選出するもので、今年は吉田真吾さん、赤塚誠二さん、青木由佳さんの3人が選ばれた。まずはおめでとうございます!

 Section-9の吉田真吾さんは、米国で開催されたServerss Confの国内招聘などサーバーレスの認知向上に注力し、JAWS-UG横浜のREBOOTやre:Invent 2016の座談会登壇などコミュニティ活動も精力的だった。昨年の秋口は、(ソラコムの松井さんとともに)「なんだか、俺たち毎週会ってるね」状態で、さまざまなイベントに積極的に登壇していたのが印象的だった。昨年末のイイクラ納会でも、サーバーレスを熱く語ってくれてためになった。

 顔抜きタレントとしてもおなじみサーバーワークスの赤塚誠二さんは、JAWS-UGと海外のAWSユーザーグループとの連携に尽力した。昨年の5月にソウルで行なわれた韓国のAWSKRUGとの合同イベントは、同行した自分にとっても非常に新鮮な体験だった。このほかシンガポール訪問やAWSKRUGのメンバーの招聘など、JAWS-UGの国際化に大きな貢献をしている。目の前でやりとりされるFacebookのメッセージを見ていたが、先方のメンバーに情報をシェアし、楽しんでもらおうという心配りはすごいと思った。

 ハンズラボの青木由佳さんも、JAWS-UG on ASCIIではおなじみの存在だろう。JAWS-UGの広報として、本業の忙しい中、勉強会の運営や告知に注力している。今年はJAWS-UGのイベントレポートにもチャレンジしてもらい、JAWS-UG Nightのレポートや勉強会告知連載を挙げてもらった。個人的には、青木さんが長らく関わってきた地方創生の問題意識が文面からにじみ出た、四国のJAWS-UGイベントのレポートは秀逸の出来だと思っている。

 3人の選出にまったく異論はないが、JAWS-UGにはAWS Samuraiと同じく、コミュニティに貢献している人たちが星の数ほどいる。たとえば、こんな人たちだ。

自腹で地方の勉強会に出かけてLTまでしてきた都内のメンバー
停滞した支部のリブートに貢献した地方支部のメンバー
参加者数に関係なく、ともかく勉強会を続けてきたメンバー
AI、セキュリティ、ネットワークなど新しい支部を立ち上げたメンバー
AWS上でサービスを立ち上げ、新たな価値を創造したメンバー
イベントのブログを書いたり、撮影したメンバー
借りたときよりも会場をきれいに片付けたメンバー

 圧倒的なコミュニティヒーローがぐいぐい引っ張っていくというより、各人の貢献が積み重なって、確実なアウトプットを継続的に出せているのが、現在のJAWS-UG。JAWS-UG on ASCIIを担当しているオオタニやライターの重森は、今年もキラリと光る身近なAWS Samuraiたちを見逃さないよう、しっかり勉強会をウォッチしていきたいと思う。

今年は五反田!3月11日はJAWS DAYS 2017ですよ!

 さあ、今年もJAWS DAYSの時期がやってきた。「Link Up」をテーマにした今年のJAWS DAYS 2017は3月11日(土)の開催で、場所は五反田のTOC五反田メッセ。昨年来使ってきたベルサール西新宿ではないので、ご注意のほどを。

 イベントの詳細は、JAWS DAYS 2017のサイトで連日のようにアップデートされているが、今年もエンジニアや開発者はもちろん、情シスや非IT系の人が楽しめる催しがいっぱいになるはずだ。詳しくはセッション内容が固まった段階で、コミュニティメンバーに取材をかける予定だが、シンガポールや台湾のユーザーグループも参加する予定で、グローバル色豊かなものになりそう。話題のAlexaやIoTハンズオンも予定されており、楽しく学べるイベントになるはずだ。

 アスキー(KADOKAWA)としては、昨年のJAWS Festaに続いて2回目のサポーターとなり、コミュニティのご厚意で今年は1セッション持たせていただくことになった。おととしはJAWS-UGの36支部取材、昨年はAWS Samuraiインタビューなどを敢行してきたが、今年は「新しい参加者の獲得」という目標を自らに課し、意外性のあるセッションを企画しているので、楽しみにしてもらいたい。もちろん、懇親会までばっちり取材させていただきくので、ぜひ会場でお声がけいただきたい。

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