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JAWS-UG東北勉強会レポート 第8回

いよいよ3日目!「青森観光アプリ開発コンテスト アマゾン×青森屋」レポート後編

青森観光アプリ開発コンテスト、緊迫の選定結果をこの目で見た

2017年01月24日 07時00分更新

文● 重森大

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星野リゾート青森屋と青森県の魅力を伝えるアイデアやアプリについて構想を巡らせ、実際に動作するアプリにまで落とし込む青森観光アプリ開発コンテスト(参考記事:ギーク達がリゾート地で火花を散らす青森観光アプリ開発コンテスト)。前編では青森屋で過ごした2日間の様子についてお伝えした。今回はついに3日目、審判の日のレポートだ。われらがチームJAWS-UGは一体どのようなアプリを作ったのか。そして、各賞の行方はどうなるのか!?

ギリギリまで戦う、各チームのメンバーたち

 成果物の発表開始は3日目の14時。それが開発のタイムリミットだ。南部曲屋に集まった参加者たちは、わずかの時間も惜しむようにPCの画面と向き合っている。たまに、差し入れのお菓子を漁りに立ち上がる以外は、各メンバーとも動き回ることもほとんどない。部屋全体に緊迫感がただよい、交わされる言葉も少なかった。もう手伝うこともなくなったスタッフ陣の方は、落ち着いて挨拶や会話を交わしながらその様子を見守っている。筆者もみんなの真剣な様子を眺めながら、差し入れのクッキーをかじっていた。

昼食も適当にすませ、時間いっぱい必死にキーボードを叩く参加者たち

 発表順はクジ引きで決める方式。結果は次の通りで、JAWS-UGメンバーが参加する「チーム未定」は8番手となった。それにしても「チーム未定」って(笑)。

 時間は誰にも平等に進んでいく。筆者が抱える締め切りと同じく、勤勉で無慈悲に開発者たちを追い立てる。やがて訪れた14時、原さんは開発時間の終了を告げた。全員が手を止めるのを待ち、前方には審査員席が設けられた。各チームの発表内容を審査するのはアマゾンウェブサービスジャパンの齊藤 英輔さん、星野リゾート青森屋総支配人である渡部 賢さん、クックパッドの小川 淳さん、青森県商工労働部の羽原 健雄さん、そしてCode for Tokyo代表の矢崎 裕一さんの5人だ。

右奥から順にAWS 齊藤さん、青森屋 渡部さん、クックパッド 小川さん、青森県 羽原さん、Code for Tokyo 矢崎さん

3日間の成果を示すとき! 「チーム未定」はアルバム自動作成アプリを発表

 いよいよ始まった成果物発表。各チームは持ち時間10分の中でスキット(小芝居)を挟みつつ、練り上げてきた企画を発表し、アプリチームはアプリのデモも行なわなければならない。またこの10分の発表時間には、審査員からの質疑応答も含まれている。チーム未定の発表はかなり後半なので、それまでは落ち着かない心境で他のチームの発表を見ていたことだろう。

「続いてはチーム未定のみなさんです!」(原さん)

 チーム名を呼ばれて立ち上がるメンバー。それにしても、外舘さんと石澤さんの格好がおかしい。外舘さんはヒョウ柄のショールをまとい、石澤さんは帽子にマスク、杖に見立てた傘を持っている。どうやらふたりで老夫婦を演じるようだ。石澤さんがかぶる帽子には値札がついたままだったが、そこはご愛敬。スキット用の衣装まで用意してきたチームは他になかったので、登場時から笑いを取れていた。ツカミはオッケーだ。

衣装、小道具まで揃えて発表に臨む、チーム未定のメンバー

 チーム未定の発表は、アプリや企画の解説より先にスキットから始まった。シーンは老夫婦が青森屋にチェックインするところから始まる。チェックイン時に、案内されるがままにスマートフォンにアプリをインストールするおじいさん。青森屋で楽しい時間を過ごし、スマートフォンでおばあさんの写真もたくさん撮った。そして翌日、老父婦はチェックアウトしていく。チェックアウト時に「写真もたくさん撮ったし、プリントしなければ」と言うおじいさんに対してフロントマンは「お写真は後日、プリントしてお送りしますよ」と伝える。

他チームとは違い、企画の概要より先にスキットから入る発表スタイル

 このスキットのあと、サービスの概要が説明された。これはチェックインとチェックアウトをトリガーとして、その間に撮影された写真から自動的にアルバムを作成して後日郵送するというもの。ターゲットはピンポイントに、60代から70代の女性。旅を楽しむだけのお金と時間があり、スマートフォンやデジカメで撮った写真をプリントで保存したがる世代だ。プリントした写真を見せながら、友達と旅の思い出を語るのが楽しみのひとつというのも特徴だ。

 その世代に向けて開発されたこのアプリは、青森や滞在中の写真を自動保存し、体験したアクティビティや施設についてスタッフが紹介した文章を添えて紙のアルバムとして出力する。紹介文はアクティビティや施設ごとに用意されており、自動判別してマッチングを行ない、アルバムが作成される。こうして、自分の写真を使った青森屋のオリジナルパンフレットができあがるということだ。

オンラインアルバムの完成イメージ。これとは別にプリントされたアルバムが郵送される

 旅行後のおばあさんは自分でプリントする手間が省ける上に、写真に説明が添えられているので友達に旅の思い出を語るときにもできごとを思い出しやすい。アルバムに説明文が添えられていることで、青森屋にもメリットがある。不正確な記憶を頼りにした情報の拡散を防ぎ、青森屋の魅力を引き出す口コミ情報を広げることができる。

JAWS-UGメンバーで構成されるチームだけあり、AWSの機能をフル活用

 さてアプリ作成チームはアプリのデモンストレーションも行なわなければならないルールになっている。が、あえなくデモは失敗。想定通りには動かなかった。しかし企画意図は十分審査員に伝わったように思う。

質問タイムには齊藤さん、渡部さんからアドバイスが

 この時点で持ち時間をややオーバーしていたが、審査員にからいくつか意見をもらうことができた。渡部さんは、60代からから70代の利用者は多いが、その中でも多いのが、すでに子供がいるような世代の子供が両親を連れて旅行に訪れるというシチュエーションだという。「ご両親を連れて訪れる方々はスマートフォンを使うが、プリントはしない世代。その人たちの代わりにプリントしてご両親のところに届けてあげるというサービスにすれば、需要はありそう」と感想を述べた。また齊藤さんからは「写真選択のアシストとしてディープラーニングなども組み込むといいかもしれない」と、技術面でのアドバイスをもらった。

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