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元フィリップスの技術者が開発したスイッチングアンプを採用

大型スピーカーをぐんぐん駆動する力を得た、マランツの「PM-10」

2017年01月17日 10時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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 マランツは1月17日、プリメインアンプのフラッグシップ機「PM-10」を発表した。昨年市場投入したSACDプレーヤー「SA-10」との組み合わせを想定したもの。当初は同時発表を計画していたが、より高い完成度を求めた結果、このタイミングになった。

筐体の雰囲気は従来のフラッグシップ機「PM-11S3」に近いが、SA-10同様、中央と左右の境界部分に縦に並んでいたボタン類をなくし、よりシンプルな印象とした。トップカバーは5mm厚のアルミ製。

背面。バランス入力端子が2系統に増えている。スピーカー端子は2系統ある。ただしバイワイヤリング専用のため2台のスピーカーを切り替えて使用する用途には対応しない。

これからの10年の礎を築く“10シリーズ”

 「“10”は“7”や“9”同様、マランツブランドにとって特別な数字」(マーケティング担当の高山健一氏)。それだけに、これからの10年を切り開くブランドとして、新機軸を盛り込んたという。

 SA-10はデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバーターを、汎用チップではなく、ディスクリート構成で組んだ個性的な機種だった。ほかにはあまり例のない試みだが、使用する抵抗などパーツの組み合わせによる音の変化も吟味し、よりストレートで理想に近い音を追求できるといった利点がある。

内部。右側にバランス構成のプリアンプ基板、中央奥側にスイッチング方式のパワーアンプモジュールを4基持つ。電源についてはプリアンプ用が中央手前にケースに収められたトライダルコアトランス、パワーアンプ用が左側にある鋼板でシールドされたスイッチング電源となっている。シールド用のフェライトコアなども見える。

 PM-10でも新しい試みを取り入れるのは同様だ。“Separate Amplifier Concept”というマランツとしての新機軸が取り入れられている。マランツは2006年にリファレンスクラスの製品として、「SC-7S2」(コントロールアンプ)と「MA-9S2」(モノパワーアンプ)を投入した。B&Wの800シリーズなど大型スピーカーをしっかり駆動するために開発した製品だ。こういったセパレートアンプが持つ長所を、プリ/パワーを一体化したプリメインアンプにも取り入れていくものとなる。

 特に注目はアナログのAB級アンプにこだわってきたマランツが、ついにスイッチングアンプを採用した点となる。

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