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第6回 アスキー確定申告虎の巻

2017年に提出する「所得税の確定申告書」からスタート

マイナンバーで今回の確定申告はこう変わる、10の疑問を解決

小堀真子 編集●飯島恵里子/ASCII

提供: 弥生

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弥生マーケティング本部 菊池 龍信さん。弥生のマーケティング本部で、主に給与計算やマイナンバー関連サービスのディレクションやマーケティング活動をリードしています。仕事で培われた膨大な知識で、確定申告やマイナンバーのさまざまな疑問点を解説していただきます

 平成28年分の確定申告、つまり2017年に提出する「所得税の確定申告書」から、マイナンバー(個人番号)の導入がスタート! 大半のフリーランサーの元には、昨年暮れあたりに、取引先から「マイナンバーを提供してください」と記された書類が届いたはず。しかし、それが一体どういうことを意味するのか全く分からない……と不安に思っている人も少なくないのでは……?

 そこで今回は、個人事業主&フリーランスの確定申告が、マイナンバー導入によってどう変わるのか、今さら人に聞けないギモンを解決! 答えてくれるのは、クラウド会計ソフトなどでおなじみ弥生のマーケティング部・菊池さんです。

所得税等の確定申告書B様式第一表に「個人番号」の記入欄が登場!

 平成28年分の確定申告から、個人が税務署に提出する確定申告書類にマイナンバーの記載欄が設けられました。同時に、その取引先企業が税務署に提出する支払調書には、報酬の支払い先である個人のマイナンバーを記載することが義務付けられます。

 「個人事業主やフリーランスは、多くの場合、複数の企業等と取引をしていますよね。マイナンバーが導入されると、その全ての取引によって得た所得を、マイナンバーで簡単にひも付けできるようになる。これによって申告漏れを防ぎやすくなるのです。ただし、主に支払いを受ける側である個人事業主にとっては、マイナンバーが導入されたからといって、手続きに大きな変更点はありません。例年通り正しく申告を行っていれば、何も不安に思う必要はないのです(菊池さん)」

 ここから先は、その上で「なぜ?」「分からない!」と感じるギモンについて答えていただきます!

ココが知りたい!Part1
取引先からマイナンバーを提供して欲しいといわれたけれど……?

通常、個人事業主は複数の取引先から報酬を得ます。税務署には各々の取引先から支払調書が提出されますが、そこにマイナンバーを記載しておけば、個人の所得情報が効率よく一元管理できるのです

Q1.取引先企業や事業者にマイナンバーを提供する理由は?

A1. 「報酬の支払い元である企業や事業者は、税務署に提出する支払調書に、支払い先個人のマイナンバーを記載する義務があります。これは法律で定められているため、取引先はあなたのマイナンバーを取得する必要があるのです」

Q2.マイナンバーの提供を拒否したい場合は?

A2. 多くのケースでは、取引先企業から届いた「マイナンバー提供のお願い」書類に、提供拒否を表明する確認書などが同封されているはず。拒否したい場合は、その書類に記名して送り返すか、書類がなければ拒否したい旨を書面やメール等で取引先に通知すればOK。

個人事業主から事業者へのマイナンバー通知は法律上の義務ではなく、情報提供を拒否できます。今後は法律が変わる可能性もあるけれど、この点が「提供すべきか、拒否すべきか」の混乱を招いている一因かも

 「実は現時点の法律において、個人事業主やフリーランスが、報酬を支払ってもらう取引先企業にマイナンバーを提供する義務はありません。しかし、取引先企業が税務署に提出する支払調書には、支払い先個人のマイナンバーを記載する義務があるのです。企業がそれを取得できなかった場合は、マイナンバー未記載の支払調書に加え、未記載の正当な理由を添えて税務署に提出する必要があります。『マイナンバー提供拒否の確認書』のほか、書面などでの通知がその証明になるというわけです」

内閣官房、内閣府、国税庁は確定申告のシーズンに向けて、マイナンバー記載のPRを行っている

Q3.マイナンバーを教えないと何かマズいことってある?

A3. 「現時点の法律では、個人事業主側にペナルティは課されません。実をいうと、マイナンバー提供拒否を通知する義務さえないのです。ただしQ2でもいったように、取引先企業が税務署にマイナンバー無記載で支払調書を提出するときは、その正当な理由を証明する書類を添付する必要があります」

 つまり提供を拒否した場合は、取引先の余計な負担を増やしてしまうということ。本制度が今後もずっと継続していくとなると、今は法律上の問題がなくても、その心象はあまりよくないといえそう。

 

Q4.取引先とはいえ、マイナンバーを教えちゃって本当に大丈夫?

A4. 万一、マイナンバーの情報が取引先企業から漏洩したり、悪用されたりしてしまったら……? 企業・事業者側の悪意を持ったマイナンバーの情報漏洩には重い罰則が設けられていますが、「そんなに神経質になる必要はない」と菊池さんは断言。

 「そもそも日本で使われているマイナンバーは、13ケタの番号の割り当てが完全にランダム。番号だけで個人を特定できる情報が得られるわけではないですし、国のしかるべき機関において、パスワードを用いなければ利用できない情報です。マイナンバーを取得した側の情報管理は徹底する必要がありますが、番号自体が流出したところで、個人に損害があるとは考えにくいです」

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