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3.5万円の4K液晶はPCゲーム&PS4 Proの福音となるか? 第1回

3.5万円の最安4K液晶で学ぶ4Kの性能と初期設定

2016年12月29日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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 「PlayStation 4 Pro」や「Xbox One S」の登場により、4Kゲーミングの波が到来しそうな2017年。

 高画質化技術のハイ・ダイナミック・レンジこと、「HDR」にも対応する4K液晶テレビは、43型なら9万円前後で購入できるが、それなりの設置スペースとある程度離れた位置からの視聴、ゲームプレイが必要になるため、自分の部屋に導入するにはハードルが、どうしても高くなってしまう。

 その点、机に置いて使用する24型クラスからあるPC向けの4K(3840×2160ドット)対応の液晶ディスプレーなら、ハードルはグッと低くなる。PC向け液晶ディスプレーの「HDR」対応は、液晶テレビに一歩遅れているため、広範囲な色幅を再現する「HDR」による臨場感やディテールがアップした映像、ゲームは楽しめないが、スペースの問題と価格面は非常に優秀。

 とくに最近は、PC向け液晶ディスプレーの主要メーカーとなるLGエレクトロニクスが、手ごろな価格帯の4K液晶ディスプレーを続々と投入。発売から半年以上経ち、値下がりしているモデルも多く、3万5000円~5万円で4K表示に対応する液晶ディスプレーを導入可能だ。

続々と4K液晶ディスプレーを投入するLGエレクトロニクス。27型IPSパネルのエントリー向けなら5万円台前半だ。その上、発売当初7万円近かったモデルも、6万円程度まで値下がりしている

 2万円前後から購入できるIPSパネル採用のフルHD液晶と比べると、まだ高価な印象は拭えないが、かなり手が出しやすい価格帯に突入していると言える4K液晶ディスプレー。

 なかでも目を引くのが、4K表示に対応した「PlayStation 4 Pro」(以下:PS4 Pro)や「Xbox One S」を狙いすましたようなタイミングで、LGエレクトロニクスから発売された23.8型IPSパネル採用の「24UD58-B」だ。

PC向け4K液晶ディスプレイの最安価格帯で、必要十分な機能を搭載するLGエレクトロニクス「24UD58-B」は、コスパ良好な1台だ

 流行のフレームレスタイプでなかったり、スピーカー非搭載だったり、sRGBカバー率がスペックに記載されていないなど、コストダウンが図られたエントリー向けのモデルになるが、HDMI端子による4K/60p入力(2ポート)やHDCP2.2のサポートといった4K動画視聴や「PS 4 Pro」での使用に必要なポイントは、しっかり押さえられている。

 それでいて、PC向け4K液晶ディスプレーとしては最安となる3万5000円前後を実現と、4K液晶の導入を考えている人の背中をドーンと押す1台になっている。

 かく言う筆者も背中を押されたひとり。数ヵ月前に仕事&映画視聴、PCゲーミングで使用するメインモニターとしてASUSのウルトラワイド液晶「ROG SWIFT PG348Q」を購入しているにも関わらず、「PS4 Pro」&PCゲームの4K解像度ベンチマーク用(経費にするための言い訳とも言う)に購入してしまった。

 と言うわけで、コスパ良好な4K液晶ディスプレーの「24UD58-B」をPCや「PS4 Pro」と接続。Windows PCで4K解像度を使う際に必要となる4K液晶導入初歩から、4K PCゲーミング、そして本命とも言える「PS4 Pro」での使用まで、気になるポイントをお送りしていこう。

多くの4K液晶ディスプレーを展示するツクモパソコン本店2階のモニター王国では、“おすすめランキングNo1”になっている「24UD58-B」

同じエントリーモデルで。27型になる「27UD58-B」もあるので、こちらも注目だ

24UD58-B スペック表
液晶パネル 23.8インチ AH-IPSパネル
最大解像度 3840×2160ドット
輝度 250cd/m2
コントラスト比 1000:1(最大500万:1)
応答速度 5ms(GTG)
最大表示色 約10億7000万色(10btiカラー)
色再現性 非公開
入力端子 DisplayPort×1、HDMI2.0×2
そのほかのインターフェース ステレオミニジャック出力×1
スピーカー 非搭載
NVIDIA G-SYNC 非対応
AMD FreeSync 対応(垂直走査周波数40~60Hz)
HDCP HDCP2.2
チルト角度 前-2度、後20度
スウィーベル なし
高さ調節 なし
サイズ/重量 554(W)×202(D)×421(H)mm/約4kg
製品情報URL http://www.lg.com/jp/monitor/lg-24UD58-B

2017年はPC向け液晶にもHDRが来る

 PC向けの4K液晶ディスプレーにも「HDR」へ対応する動きが見えており、BenQ(台湾)とLGエレクトロニクス(韓国)が、ともにHDRに対応した32型クラスの4K液晶ディスプレーの投入を発表している。

 BenQ、LGエレクトロニクスともに、今のところ予想販売価格や国内発売時期などは発表されていないが、LGエレクトロニクスは2017年1月初頭に米ラスベガスで開催される「CES 2017」の同社ブースにて、Ultra HD Blu-rayで採用されるHDR規格の「HDR10」をサポートする32型の4K解像度対応ディスプレーの「32UD99」をお披露目予定だ。

4K、HDRに対応する31.5型のBenQ「SW320」。Adobe RGBカバー率99%、sRGBカバー率100%、DCI-P3への対応がうたわれている写真や映像編集を行なうプロ向けモデル

 価格に期待できそうなLGエレクトロニクスの「32UD99」だが、「HDR10」、デジタルシネマ向け色域(米国の映画業界団体のDigital Cinema Initiativesで定められた規格)DCI-P3 95%の広色域表示対応、映像入力と電源供給を行なえるUSB Type Cポート装備と十分ハイスペックになっている。あくまでも個人的な予想だが、画面サイズ、スペック的には初値は10万円を超えそうな気がする。

「HDR10」に対応する32型のLGエレクトロニクス「32UD99」。USB Type Cを備えるのでMacとの接続にも良さげ

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