ときどきふらりと猫に会いに行く河原がある。
最近、このあたりの猫の世話をライフワークにしてるんじゃないかという、いつもラジオで競馬を聞きながら猫回りを片付けたりしてる隙間だらけの歯のおっちゃんがいて、相変わらず楽しそうに猫と戯れてるのである。
ここまで足を伸ばしたのは夏以来だったが、おっちゃんは私を覚えていて「よっ、ひさしぶり」とにこやかに声をかけてくれるのである。もちろん名前も素性も知らない。
夏に訪れたときの子猫はすっかりやんちゃに育ってる。
でもちょっと数が少ない。
おっちゃんによると、4匹いたが、2匹は近所の人にもらわれていったんだそうな。よい話である。
残った子猫のうち1匹が冒頭写真の猫。
日差しを浴びて気持ちよさそうだが、実はこの日、北風が冷たくてものすごく寒い日だったのだ。街ではそうでもなくても、川っぺりは風がよく抜けるのでものすごく寒いのだ。
まだ若い分元気がいいので面白がって観ていると、どんどん川の方へ歩いて行く。
私のすぐ横にいた猫常連らしきおばさまが「あの子、いつも川まで水を飲みにいくのよ。見てる方がひやひやするわ」と誰に話しかけるでもなく言う。私に言ったのかもしれないし、近くにいた他の人かもしれないし、ひとりごとかもしれない。
思わず望遠レンズを装着してファインダーを覗く。最近望遠で猫を撮るのがマイブームなので今回も望遠系でである。
ほんとに川に顔をつっこんで水を飲んでるではないか。
いや、猫は水たまりやちょっとした流れてる水を飲むのは好きだけど、これだけの大河に挑戦してる姿ははじめて見た。
そりゃまあ確かにこの水なら涸れることなくいつでも飲めるだろうけど、見てる方としては危なっかしくてしょうがない。
が、いつもやってるようで、無事水を飲み終え、気持ちよさそうにドヤ顔でこっちに戻ってきたのである。
ちょっと面白いものを見た。
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