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あなたのランディングページがコンバージョンしない5つの理由

2016年11月02日 04時58分更新

文●Greg Snow-Wasserman

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ランディングページのコンバージョン率が明らかに低い場合、ここで紹介する5つの原因を疑ってみるといいかもしれません。

さまざまなマーケティングチャネル、チャネルから生み出される対話や販売効果について、デジタルマーケティングの分野では盛んな議論が巻き起こっています。SEO、リターゲティング、有料検索、コンテンツマーケティング、ディスプレイ広告はもう知っていますよね。しかし、こうしたチャネルすべてに共通してマーケティングキャンペーンの効果の鍵を握っているのはランディングページなのです。

残念ながらマーケティングキャンペーンを始めるとき、ランディングページの最適化は見落とされがちです。この記事では、ランディングページで陥りがちな代表的な間違いについて解説し、同じ失敗をしないようにします。

1. CTAが不足している

Webサイトの最大の目的は、訪問者にコンバージョンしてもらうことです。そのためにはランディングページに分かりやすいCTA(calls to action)が必要です。ランディングページのコンテンツマーケティング、見栄えのよさ、優れたキャッチフレーズなどの要素は、訪問者がカスタマーになるよう働きかけます。しかし、訪問者の目を引いて、(商品の注文、連絡先の登録、ニュースレター購読の申し込みをするかどうか)コンバージョンプロセスに進んでもらうにはCTAが必要です。ランディングページにCTAを追加するときには、次のことに注意します。

  • 見える場所に置く:当たり前のようだが、驚くことに多くのランディングページでスクロールしないと見えないところにCTAが配置されている。ユーザーにスクロールしてCTA探してもらうようではいけない。CTAはサイトを訪問したときに、最初にユーザーの目に入るものの1つだと認識する必要がある。スクロールしなくても見える場所にCTAを置いてあるのに、クリック数が少ない場合は、最適な配置がされていないのかもしれない。Crazy Eggなどのヒートマップツールを使うと、ユーザーがサイトのどこでクリックしているかを記録できる。たとえば、ページの右側で多くクリックされる傾向があれば、CTAも右側に移動するなどの工夫が必要だ
  • 目立つデザインにする:CTAはほかのページコンテンツより目立たせて、訪問者の注目をより集めるようにする。もっともよく使われるのは、色を使う方法だ。ページ全体のデザインと対照的な明るい色を選んで目立たせるが、あまりにも合わない色は避ける。色以外にも工夫ができる。矢印やアニメーションを取り入れてより際立たせているページもある。ただし、この作戦は一歩間違えると、スパムページのように見えてしまい、ユーザビリティもSEO的にもよくないので慎重な対応が必要だ
  • 分かりやすくする: CTAは読みやすくすべきだが、「明瞭」だけを意味しているわけではない。一番重要なことは、ユーザーにとって、CTAをクリックするとどうなるかが曖昧ではないことだ。ニュースレターや無料トライアルの申し込みをする、商品をショッピングカートに追加する、問い合わせのために連絡先を送信するなどのアクションの結果がはっきり分かる説明文を書く必要がある。「こちらをクリック」「いま購入する」「送信する」など一般的な表現だと、ユーザーの目には映るが行動にはつながりにくい

CTAは、たくさんあればよいということは絶対にありません。Webサイトに複数のアクションがあると、いろいろありすぎて読者は混乱します。ニュースレターの登録をしてもらいたい、見込み客獲得のために連絡先を送信してほしい、などどのオファーが目的なのかはっきりしないと、読者は混乱してなにもしないままサイトを離れてしまいます。たとえランディングページにCTAが足りない場合でも、追加しすぎて効果がなくなるなどということはやめてください。

2. デザインの見栄えが悪い、雑然としている

ランディングページはデザインが非常に重要だというのは周知の事実です。訪問者はコンテンツを見て最初の0.5秒でサイトとビジネスに対する印象を持ちます。清潔感があって、魅力的なデザインになるように最善を尽くしてください。第一印象の95%はページの見た目で決まります。

特別なマーケティングキャンペーン用にランディングページをデザインする際は、読者に考えさせないようにする、という指針をもって一貫したページにしてください。できるだけ少ない言葉でメッセージを伝え、積極的に視覚要素を利用します。訪問者にいろいろと悩ませて負担を感じさせないように注意し、訪問者と効率的にコミュニケーションをとるために次のようなページ要素を利用します。

  • 主要なCTA:先に書いたとおり、CTAは要点をおさえ、注目を集める、分かりやすいものにする。可能ならランディングページ全体の焦点をCTAにあてる。大きく、目が届く、目立つ場所にCTAを置き、明らかにページ内のトップ階層扱いにする。CTAを単なるボタン以上のものにするには、登録フォームの背景色を変えたり、ページの他の部分に淡い色を使ったりして引き立たせる
  • ヘッドライン:基本方針は明瞭で簡潔。短いシンプルな言葉で、たとえば、コンサルティング会社なら「ビジネスソリューション」、空調設備の会社なら「ずっと涼しく(Keep Cool)」(または季節に合わせて「ずっとあったかい(Keep Warm)」)など、価値を要約する。特別オファーを提供するときは、小見出しに有効期限を明記して緊急感をだす。カウントダウンのタイマーをつけるのも一案ではある
  • 商品/サービス情報:繰り返しを覚悟の上で、商品やサービスの情報をランディングページになるべく短くして載せるが、読者に意識させないようにする。商品がどのように役立つのかに焦点を絞って数行で伝える。自分のホームページではないから、ここは多少長めになってもかまわない。イラストや画像を入れて読みやすいようにセクションで区切り、読者にとって負担にならないようにする
  • 見た目:マーケティングキャンペーンに特化したランディングページを構築する際に、画像は非常に役立つものの1つだが、うまく使わないとキャンペーンのコンバージョン率を下げる可能性がある。一番よい対策の1つは、ストック画像を使わないことだ。自分で用意した画像を使うとコンバージョン率を35%まで増やせる。画像によって業界種別や商品に合ったニッチ具合などを表現できるが、どのようにして生活に付加価値をつけられるかまでは伝えられない。そこでかわりに、自社商品を使っている写真や、企業体質や価値を少しでも表現できるイラストを使う

3. メッセージが不正確である

ランディングページの内容と、広告や検索結果ページのスニペット(タイトル、URL、リンク、検索結果で表示されるページの説明)の説明が合っていることは、オーディエンスの信用を維持する上で重要です。信用を失うとさまざまなマーケティング努力が実りません。

  • 直帰率が高い:ページの訪問者に、その場に商品がないのに商品やオファーの保証をすると、サイト内でエンゲージしないままページを出てしまうことになる。この行動は、検索エンジンにサイトがキーワードとの関連性が低いか、ユーザー体験が良くないと伝えることになるので、SEO上よくない
  • 品質スコアが低い:品質スコアはGoogleの秘策で、キーワードに関連性の高い広告を決めるためのものだ。広告での宣伝内容と整合性がないランディングページの品質スコアは、容赦なく低くなる。広告がまったく表示されない場合は、検索結果で表示させるにはもっともっと高い品質スコアが必要ということだ
  • リターゲティング:リターゲティングは初回にコンバートしていない人に再訪してもらうための優れた対策だ。しかしサイトがランディングページに案内した広告と合っていないと、リターゲティングのメッセージも信用されず、再訪率も、再訪してコンバートを完了する確率もかなり低くなる。さらには、ページに掲載のないオファーを提供すると、詐欺と間違われ、ブランドイメージを傷つける危険がある

割引やほかのお得情報を宣伝するなら、訪問者が見落とさないランディングページのトップに、目立つように効果的に広告を載せてください。ありもしない機能(またはカスタマーを満足させられない大したことがない機能)を宣伝しないでください。特定のサービスや商品の機能について触れるなら、ランディングページのコンテンツの中で手短に説明してください(ユーザーにとって負担にならない内容にするよう気を付けてください)。

4. コンバージョンプロセスが複雑で効率が悪い

どんなサイトでもカゴ落ちはビジネスにはつきものです。カゴ落ち率は単に注視し、今後のリターゲティングに利用してコンバートにつなげます(このマーケティング戦略でカゴ落ちに対してすばらしいコンバージョン率が出ています)。しかし、プロセスが長い、複雑、煩わしいといったことが原因で、気づかないうちにセールスファネルを取りこぼしていることがあります。訪問者がなるべく離脱しないように、次のとおり、販売プロセスを最適化します。

  • カスタマーに求める情報はサービス提供に必要な最低限のものに限り、求めすぎないようにする。求めようとしている情報を実店舗に来店したカスタマーにも尋ねられるのか、と考えると分かる。おそらく、デジタル商品の販売やWebアプリの無料トライアルを始めてもらうのに(請求書が必要なければ)実際の住所を聞く必要はない
  • 不必要なプロセスを削る。早くて簡単が好まれるので、コンバージョンまでの各プロセスは少しでも減らして好感をもってもらえるようにする。ランディングページ自体もできる限りまとめて、ランディングページからアカウントの作成、連絡先の入力、ファイルのダウンロード、ニュースレターの購読申込みができるようにする。ランディングページからアプリがダウンロードできない場合は、アプリを入手できるAppleのApp storeとGoogle Playへのリンクを目立つように載せる

ユーザーを新しいページに案内するたびに、サイト離脱のリスクがあることを覚えておいてください。コンバージョンを簡単、シンプルに、できる限り速くすることで、離脱しにくくなります。

5. 追跡&最適化に問題がある

自社サイトのプロセスを追跡し、成功の程度を測って修正を加えていかないとマーケティングキャンペーンは完結しません。コンバージョンのためにはランディングページの最適化は絶対に必要です。クリックスルー率とコンバージョンを上げるとなると広告配信の最適化に関心が高くなりがちですが、ランディングページについては見落とされがちです。ほぼすべての機会を生かして、オーディエンスにコンバートしてもらえるように、ランディングページを最適化してください。

  • ページの出所の追跡を続ける。Googleアナリティクスを使ってページのイベントを追跡し、コンバージョンの目標とファネルを設定すれば、販売プロセスを監視できる。キャンペーンの全体的な健全性は確保できても、このプロセスなしには、成功や失敗が、広告によるものなのか、ランディングページ、その他の試みによるのか完全には分からない
  • ページを最適化する。Googleアナリティクスでの分析に基づいて、もっとも効果的な方法を見つけるためにランディングページ要素を微調整する。もし実際に不良な部分があれば、必要な修正をしてユーザー体験を改善する。現在の売り上げやコンバージョン率に満足していても、まだ改善の余地はあるはずだ。またなにが効果的であるのか分かれば、今後のキャンペーンにも役立つ
  • 変更をテストする。Webサイトにコンテンツや技術的な変更をした結果は、変更前と比べられる一連の管理データがないとあまり参考にならない。効果を最大限にするには、同時に2ページで実行するA/Bテストをして、時刻、曜日、パフォーマンスに影響するその他の外部変数を考慮してどちらかに決める。もちろんA/Bテストに役立つツールがグーグルから提供されており、重複コンテンツとみなされないように「rel="canonical"」タグも利用できる

最後に

デジタルマーケティングは、専門外の人や、担当者を見つける時間や人手がない場合、複雑で恐ろしい分野のように見えます。幸い、多くの人はマーケティングキャンペーンに効果的なランディングページを作成し、成功する準備が整っています。記事にあるよくある間違いをしないように気を付けて、チャネル、業界、商品を問わず、正しい方法で効果的なマーケティングができるよう努力してください。現時点でどの程度ランディングページの最適化ができているか把握したいなら、WooRank auditを使って訪問者に不都合な課題を見つけてください。ページの最適化には詳細なマーケティングチェックリストを活用すれば、無理なくスタートできます。

※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。

(原文:5 Top Landing Page Mistakes

[翻訳:和田麻紀子/編集:Livit

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