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最新パーツ性能チェック 第205回

「GeForce GTX 1050/1050Ti」は低予算ゲーマーの財布をこじ開けるか?

2016年10月25日 22時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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GTX 950をPascal化してテコ入れ

 ではGTX 1050/1050Tiのスペックを確認しよう。コア名はGP107となっており、1つ上のGTX 1060とはアーキテクチャーは一緒でも系統的に別モノ。最初からエントリーミドル向けに設計されたものであることを示している。

 注目すべきポイントはTDPがPCI Expressスロットからの給電だけで賄える75Wに抑えてあるため、補助電源コネクターが不要という点(ただOC版は補助電源を持つものもある)。

 またCUDAコア数などのスペック周りは、GTX 950によく似ているが、クロックが若干早くなっている。GTX 1060~1080に比べ、クロックの攻め方がえらく控えめとはいえ、スペックをアップして消費電力が減っているからこそTDPは75Wなわけで、このあたりはさすがPascalと言うべきだろう。

 ただPascal世代ということは、同時マルチプロジェクションやシングルパスステレオ、レンズマッチドシェーディングといったVR向けの機能を備ているが、スペック的にGTX 1050/1050TiはVR向けとは言い難い。あくまで従来型のPCゲームを快適にするための製品、と考えるべきだろう。

 それでは以下に、今回入手したZOTAC/MSI製カードを簡単に紹介するとしよう。

ZOTAC「ZT-P10510A-10L」(GeForce GTX 1050Ti)。GeForce GTX 1050搭載の「ZT-P10500A-10L」も、見た目は同じだ

 ZOTACからはリファレンス仕様のGTX 1050およびGTX 1050Tiカードをお借りできた。リファレンス仕様ということはどちらも補助電源なし、かつショート基板の扱いやすい構成。IOパネル側のブラケットは1スロット仕様だが、クーラー自体は2スロット厚な点に注意だ。

補助電源のパターンは残されているが、電源コネクタはない

GTX 1050版(左)、GTX 1050Ti版(右)の情報を「GPU-Z」でチェックしてみた

MSI「GeForce GTX 1050Ti GAMING X 4G」(GeForce GTX 1050Ti)

 MSIからはGTX 1050TiのOC版をお借りした。デフォルト時のGaming Modeにおけるブーストクロックは1417MHz(127MHz増し)となっている。電力供給を安定させるため本製品は補助電源が搭載されているが、6ピン1系統で済むため(ビデオカードの交換・増設経験があれば)扱いやすさはさほど悪化していない。

MSI「GeForce GTX 1050Ti GAMING X 4G」には6ピンの補助電源が装備されている

 低温時はファンが停止する準ファンレス仕様の高性能クーラーを搭載しているため、小さくても冷却にこだわりたいユーザー向けの製品といえる。

「GPU-Z」による情報表示

GTX 1050/1050Tiのディスプレー出力はDVI/HDMI/Displayportの3系統が標準になった(左ZOTAC/中MSI)。最近流行りのリフレッシュレート165Hz以上のゲーミング液晶を使うにはDisplayPortがないと詰むがGTX 750Tiリファレンス(右)だとDisplayPortはオプション扱い。こういう規格の底上げは非常にうれしい

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