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群衆ひとりひとりが人混みで行なう追従/回避/割り込みをエージェントでシミュレーション

NEC、数万人規模の混雑度や人の流れをリアルタイムに予測する技術

2016年10月24日 19時55分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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混雑予測技術

 日本電気は10月24日、同社AI技術群「NEC the WISE」の「群衆行動解析技術」を強化して大規模な群衆の混雑度や流れをリアルタイムかつ高精度に推定・予測する技術を開発したと発表した。

 大人数が集まる大型施設や各種イベント会場では、危険な混雑を避けるために警備計画に基づく群衆誘導を行なっているが、現場全体のリアルタイムな状況把握や適切な誘導は人だけでは難しい。NECではこれまで、防犯カメラ映像から群衆の混雑度を可視化できる解析システムを開発、「豊島区総合防災システム構築業務委託」として受注するなどの実績を持つ。

 今回、新たに群衆を捉えた映像から人の数と進む方向を定量的に把握できる「群衆流量推定:を開発、カメラ映像で人が重なったように見える混雑時にも人数うや方向別の通過を把握する。さらに、人の移動を模倣するエージェントの集合で群集行動を表して分析する「リアルタイム人流予測」を開発。エージェントひとつひとつにおいて、周辺の人への追従や衝突回避、空いているスペースへのすり抜けなどの行動を精密再現、従来の推定や予測では困難だった高精度の予測を可能とした。

 NECではスタジアムで開催された観客数万人規模のスポーツイベントにて新技術を実証試験したところ、10分先の状態を誤差20%以内で予測することに成功したという。大型施設やイベント会場の警備において、混雑を防止する誘導プランの策定に利用できる。

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