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Google、自然検索インデックスの分離を発表、今後はモバイルが主要インデックスへ

2016年10月16日 15時56分更新

記事提供:SEMリサーチ

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米Google のGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏は2016年10月13日、米国・ラスベガスで開催中の Pubcon のキーノートで、数ヶ月内に検索インデックスを PC版とモバイル版に分離することを発表した。モバイルがプライマリー(主要)となる。

ただし、現時点で詳細な説明がなく、不明な点が多い。プライマリーという言葉が示す意味や、自然検索順位を決定するアルゴリズムに差が生じるのか、などだ。

すでに検索の主流プラットフォームがPCからモバイルへ移行しているいま、そのモバイルを主に検索システムを再設計することは当然の流れといえよう。


Currently, Google has a single index of documents for search. Google's Gary Illyes announced they plan on releasing a separate mobile search index, which will become the primary one. [Within months, Google to divide its index, giving mobile users better & fresher content, Search Engine Land, October 13, 1016]

以下、おまけ

Googleインデックスの歴史(1998-2007)

クローリングやインデクシングのための資源が十分でなかった時代には、Google のインデックスは主要インデックスと補完(Supplemental)インデックスの2つで構成されていた。検索クエリに適合するドキュメントをまず主要インデックスから抽出し、十分な数量が得られなかった場合に補完インデックスを参照する仕組みだった。

2005年末に検索インフラストラクチャが刷新(Bigdaddyアップデートを経て)、2007年に補助結果も廃止された。


Googleインデックスの歴史(ガラケー時代~現在)

2006年にKDDI(au)の EZWeb やドコモの iメニューがガラケーサイトの検索で Google と提携した時、Google はそれぞれに専用のインデックスを用意して検索サービスを提供した。当時の PageRank(≒外部リンクの評価、以下、同じ意味で用いる)を主軸としたランキングアルゴリズムの仕組みでは、(もともと互いにリンクを張り合う文化が無かったガラケーサイトの)ウェブスパムを排除することが困難で、検索品質が改善するまえにスマホ時代が到来して縮小していった。

2010年以後のスマホ時代において Google は1つのインデックスという方針を選んだ。デスクトップサイトとスマホサイトがある場合は両者を関連付けてエンティティ(情報の単位)でインデックスを行い、ユーザーの環境にあわせて表示するリンクを切り替える仕組みだ。シグナル(順位を評価するための手がかり)も両者を分け隔てることなく、つまりモバイルサイトもデスクトップ版の評価も合算して検索順位を判定していた。

10年前(日本のガラケー時代のGoogle)と違い、ユーザーの検索行動データを用いてクエリとページの関連性や満足度、品質を判定したり、インデックス時のウェブページをレンダリングするなど、検索サービスをより高いレベルに引き上げるための様々な技術が適用可能になった。単純に検索クエリを含むウェブページを自然検索に表示するのではなく、クエリの意図(インテント)を把握し、本当にユーザーが求めている情報を含むページを表示出来るようになった。

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詳細がまったく明らかになっておらず、現時点であれこれ考察しても単なる妄想になりそうですので、情報が出てきた段階であらためてここで解説記事を掲載する予定です(2016年10月16日)

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