このページの本文へ

可視化ポータル「SteelCentralのSaaS化やCloud-Ready Blanchも披露

クラウドネットワークの悩みを解消するリバーベッドのSteelConnect

2016年10月05日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10月4日、リバーベッドテクノロジーはSD(Software-Defined)-WANソリューションであるSteelConnectの最新版やエンドユーザーエキスペリエンスまで可視化できるSteelCentralのSaaS版を発表。クラウドファーストで複雑化するエンタープライズネットワークにおいて統合管理・自動化を提供していくという。

クラウドファーストでネットワークは複雑で予測のつかないものに

 発表会の冒頭、登壇したリバーベッドテクノロジー 技術本部長の草薙伸氏は、現在大きな潮流になっている企業におけるデジタルトランスフォーメーションについて「ソフトウェア開発によってビジネスを変革すること」と語る。

リバーベッドテクノロジー 技術本部長 草薙伸氏

 草薙氏は、「ITに明るい現場部門がビジネスをリードするという体制に進むと、おのずとスモールスタートや拡張が可能なクラウドファーストになってくる」と指摘。そして、従来型のハードウェア偏重型のSIerはデジタルトランスフォーメーションによってディスラプト(破壊)され、スピードを重視するCIer(クラウドインテグレーター)に業界がシフトしてくると説明する。

 一方で、デジタルトランスフォーメーションへの移行においては、ITインフラが追いつかないという課題も顕在化する。アプリケーションが分散し、ワークロードがクラウド上で動くようになった昨今、本社やデータセンターに集約する形態のネットワークではクラウドファーストに対応できない。「集約型のネットワークではゲートウェイやプロキシがコネクションであふれてしまう。とはいえ、多くのセッションを張れる製品は。従来のトラフィックが変わっている中、今までのネットワークインフラでよいのかという議論が巻き起こっている」と語る。

米リバーベッド プロダクトマーケティング シニアディレクター ミリンド・ビセ氏

 米リバーベッドのミリンド・ビセ氏は、2000年代にデータセンターでオペレーションやセキュリティが集約されていたネットワークが、2006年のAWSの登場によって一変したと指摘する。「ネットワークは管理者の予測つかないものになったし、セキュリティも確保できず、複雑になった。一番の問題はネットワークの管理のやり方が変わらなかったこと」とビセ氏は指摘する。CLIやスクリプトを使った従来型のオペレーションが時代遅れになり、クラウド、オンプレミスなどを統合したシンプルな統合管理が必要になるという。

複雑で、セキュリティが確保されない、予測不可能なネットワークの現実

WANやクラウド接続の自動化や可視化などを実現

 リバーベッドはSD-WANソリューションを提供するOcedo、エンドユーザーエキスペリエンスを可視化するAternityという2つの企業買収を経て、クラウドファーストの流れに載るという。OcedoのSD-WANは「Riverbed SteelConnect」というソリューションとして提供され、今回「SteelConnect 2.0」として大幅な機能強化を施したという。

クラウド時代のネットワーク接続管理ソリューションである「SteelConnect」

 SteelConnectでは、クラウド時代の新しいエンタープライズネットワークに必要な「接続性」「オーケストレーション」「ワークフロー」を提供する。SteelConnectはクラウドとの接続性を確保するSD-WANゲートウェイと可視化を提供するSteelConnect Manager、オプションのLANスイッチ、無線LAN APなどで構成されており、各拠点にアプライアンスを設置し、自動的にコネクションが確立される。さらにアプリケーションごとにトラフィックルールを設定すれば、SteelConnectがインターネットやVPNなどの接続を自動的に管理する。

 SteelConnectのデモを手がけたアンジェロ・コマゼット氏は、「もしMPLSが使えれば、ボイスはMPLSを使い、難しければ優先度を付けて、インターネットを使うといったルール設定が可能だ。しかも、1箇所で設定できれば、すべてのサイト、すべてのデバイスで有効となる」とアピールする。AWSやAzureなどのパブリッククラウドとも連携しており、クレデンシャルなどを登録しておくことで、VPCなどへの接続も迅速に行なえる。用途としては、SD-WANやハイブリッドWANなどの用途のほか、クラウド接続や拠点ネットワークの統合管理などで利用でき、流通や証券会社、携帯電話のオペレーターなどの事例も披露された。

AWSのVPCとの接続も容易に行なえるSteelConnectのデモ

 GAとして提供されることになった最新のSteelConnect 2.0では50近い新機能が追加。WAN最適化を提供する「Steelhead」との統合が進められたほか、11月には統合化された「Steelhead CX 70」のアプライアンスも登場するという。また、データセンター向けのSD-WANゲートウェイである「SteelConnect SDI-5030 Data Center Gateway」も提供開始される。

SteelCentralはSaaS型で提供開始

 また、アプリケーション性能を可視化する「SteelCentral」では、従来から行なってきたパケットキャプチャやコードレベルの監視に加え、買収したAternityのモバイル監視機能を追加。ユーザーエキスペリエンスのレベルでアプリケーション可視化が可能になった。

Aternityとの統合により、ユーザーエクスペリエンスの測定が可能に

 さらに、アプライアンス型で提供されていたSteelCentralをクラウド型のサービスとして開始され、ネットワークやアプリケーションの情報を収集するエージェントも提供される。さらに、トラフィックが集中するSD-WANゲートウェイであるSteelConnectを監視し、ユーザーごとのアプリケーションの利用動向を一元的に把握できるようになるという。

 今後の予定としては「Cloud-Ready Blanch」というコンセプトを披露し、ブランチオフィスでのデータやアプリケーションの配置にあわせて、SD-WANやWAN最適化、ブランチデータサービスを提供する。具体的にはiSCSI経由でクラウドストレージをマウントできるSteelFusionにサードパーティを含めた各種ネットワーク・セキュリティサービスが提供される。また、SteelFusion自体がバーチャルアプライアンスが用意されたほか、AWSとAzureに加え、新たにIBM Cloudのクラウドストレージにも対応した。

Cloud-Ready Blanchのコンセプト

 WAN高速化ベンダーから、データセンター接続に進み、さらにSD-WANとクラウドネットワークの最適化を目論むリバーベッド。アプライアンスベンダーのクラウドアダプトは進んでいるが、今後はハードウェア販売を軸にしてきたパートナーとの協業を、どのようにクラウドシフトさせていくかが大きな鍵になると言えるだろう。

カテゴリートップへ

ピックアップ