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山根博士の海外モバイル通信第308回

SIMフリー市場で大活躍中のファーウェイのスマホが美しくなったワケ

2016年09月30日 18時30分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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 ファーウェイのスマートフォンのデザインがここ1、2年で大きく変わってきたと感じている人も多いのではないでしょうか?

 たとえば、ライカとコラボした「HUAWEI P9」は背面のカメラ部分がフラットなデザインとなっており、デュアルカメラも美しく並んでいます。そして、金属製の本体の質感も高く、モノとして所有する満足感に浸れる製品に仕上がっています。

チーフデザイナーが語るデザインへのこだわり

パリで開催されたHuawei Innovation Day

 2016年6月にパリで開催されたファーウェイのプライベートイベント「Huawei Innovation Day 2016」(以下、HID)で、同社のチーフデザイナー、マチュー・ルアヌール(Mathieu Lehanneur)氏が製品のデザイン設計についてのこだわりを説明しました。

 このHIDは「Beauty of Tech」とのサブタイトルが付けられており、テクノロジーと美学の融合が大きなテーマトピックスのひとつでした。

ファーウェイのチーフデザイナー、マチュー・ルアヌール氏

 ルアヌール氏は、世界のトップデザイナー&インフルエンサー100名にも選ばれる著名なデザイナーです。同氏の作品は科学や技術から発想を得た独特なデザインが大きな特徴で、これまでに数多くの製品を手がけています。

 2015年からファーウェイのデザインチームに参加しており、TalkBand B2のデザイン開発などに参画。また、近年の展示会の同社ブースの設計も担当しているとのこと。

ルアヌール氏の過去のデザインのひとつ「TAKE TIME Watch」

 いまやテクノロジー製品はユーザーに利便性を与えてくれるだけの存在ではなく、人間と共に共存する、身の回りに常にあることが当たり前のモノに変化しているとルアヌール氏は説明します。

 その一例は同氏が過去にデザインした腕時計「TAKE TIME Watch」に見ることができるでしょう。一見するとクラシカルな腕時計であるTAKE TIME Watchは、時間を知るという腕時計本来の役割を果たしながらも、そのまま腕にはめればアクセサリーとしても使えるデザインになっています。また、男性にも女性にも、性別を関係なく「自然と腕にはめたくなる」、そんな製品に仕上がっているのです。

 数々の工業製品をデザインしてきたルアヌール氏は、スマートフォンの設計は一度もしたことは無いと言います。しかし、時計でもスマートフォンでも、技術とデザインの融合という進むべき道はこれから同じなのでしょう。そうして完成した製品こそ、人間と共存する本当の意味での「スマート」な製品なのでしょう。

屋外に設置されたWi-Fiステーション。ここに来れば世界が広がる

 同氏は別のプロジェクトで、屋外のWi-FIステーションの設計を行なっています。ホットスポットを公園などに設置する際に、屋根と椅子を配置するだけではなく、椅子に座ってスマートフォンやタブレットを取り出した瞬間、眼の前に広がる建物や景色の詳細を調べたり、空を見上げて天気を通して明日の予定を考えるなど、その場にいることで自分の知識や世界観が広がるようなデザインを心掛けたとのこと。

 つまり、人々はWi-Fiを使うためにここに来るのではなく、友人や世界とのつながりを求めたときに自然と足が向く、そんな場所になることを考えて設計されているのです。

毎日手に取りたくなる「エステティック」な製品に

これからの製品には「エステティック」が必要

 それでは同氏はファーウェイのスマートフォンや他の製品に、どんな要素を盛り込もうとしているのでしょうか。それはここで例に挙げた2つの事例から見えるように、コミュニケーションツールとしての機能だけではなく、ユーザービリティーやトレンドなどを見えない形で融合させ、そして美しく仕上げていくというものです。

 自然に毎日手に取りたくなる、技術のことを考えなくても簡単な操作で高度なことができる。見た目からは中身が想像もできない、そんな製品を目指していくということでしょう。そうした製品はエステティック、すなわち美しさを持った製品として、多くの人に受け入れられるものになるはずです。

展示会のブース設計も大きく変わった

 また、新製品をアピールする展示会の出展ブースのデザインも、大きく変わりました。それまでのファーウェイのブースデザインは、具体的にどんなユーザーをターゲットにし、何をアピールしたいのかが見えにくいものでした。

 展示会ブースはまず、人を呼び込む場所です。そして自由に製品を触ってもらうスペースになります。テクノロジーをごり押ししたり、閉鎖間のある空間では来訪客は立ち寄ってくれません。

誰もが立ち寄りたくなるファーウェイの展示会ブース(CES Asia 2016)

 これはCES Asia 2016のファーウェイブースの様子です。CES Asia 2016は中国・上海開催のグローバルイベント。しかし、ブース内には中国語はもとより英語によるキャッチコピーもありません。

 中国の展示会では初出品となるP9の世界観を伝えるためのパネルや装飾がされているほかは、広々とした展示スペースに余裕のある数の実機を展示していました(テーブルはほかにもあります)。

 また、説明員はTシャツにジャケットのお揃いのコスチュームに身にまとい、上品ながらもフレンドリーな印象を与えていました。実際に多くの来客が説明員に話を聞く姿が見られたのです。

技術力に「美」が加わったファーウェイの活躍は続く

テクノロジーの先を見据えたファーウェイの製品開発

 チップセットも手掛け、ネットワークインフラ製品も世界各国に送り届けているファーウェイ。もはや、スマートフォンの性能は他社のライバル製品にも負けないものになっています。

 そのファーウェイにいままで欠けていたのは、操作性やUI、そして製品としての総合的な満足感だったかもしれません。ルアヌール氏を始めとするファーウェイのデザインチームがこれから送り出す製品は、スマートフォンと言う枠を超えた、完成度の高いものになっていくに違いないでしょう。

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