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オーストラリアからなら観測できるかも!

世界一のプラネタリウムの職員に聞く 『宇宙戦艦ヤマト』惑星イスカンダルはどこにあるの?

2016年09月30日 17時00分更新

文● ちゅーやん

同じプログラムでもスタッフによって内容が変わる

── ちなみに、どれくらい遠くの星まで投影できるんですか?

雨森さん:たとえば、「はくちょう座」のおしりの部分にある「デネブ」という恒星。これが約1400光年以上離れた距離に存在しています。これだけ離れているにも関わらず、プラネタリウムでもかなり明るく投影できるので、まだまだ遠くの星まで投影できるとは思いますよ。

── やっぱり世界一に認定されるくらいだから、設備もすごいんですね。

雨森さん:設備以外にも当館では専門スタッフが生解説をしています。また、生解説自体はいろいろなプラネタリウムでも行ないつつありますが、当館では投影しているプログラムの企画から映像までをスタッフでつくっています。

── 映像まで手作りなんですか。

雨森さん:企画から映像、そして話の内容まで全部自分たちで手がけています。プログラム自体は2~3ヵ月ごとに変更されています。また、解説員の5人のスタッフでは、それぞれスタッフごとにプログラムの話の内容が違うんです。ベースとなる基本的な内容は同じですけど、肉付け具合が異なります。

── 同じプログラムでも、スタッフごとに違う楽しみがあると。

雨森さん:話の内容以外にも、投影中に流すBGMも違いますので、雰囲気自体もガラッと変わりますよ。スタッフによってはクイズを途中で入れる人もいますね。

お客様とコミュニケーションを取るのがモットー

── 多摩六都科学館のプラネタリウムって鑑賞者に対するレスポンスもかなりありますよね。

雨森さん:基本的にはお客様の声があったら、それを拾って受け答えをする形をとっています。どちらかと言うとプログラムに参加してもらいたいと思っているんです。

── プラネタリウムって静かに観るイメージがありました。

雨森さん:プラネタリウムだけでなく、多摩六都科学館全体でコミュニケーションを大事にしようというポリシーがあるんです。展示室でも積極的にお客様にお声がけをして、コミュニケーションをしながら展示を楽しんでもらおうとしています。

多摩六都科学館では化石から

水生生物

そして時計の仕組みまでも展示されています

── 本当に楽しい科学館ですよね。

雨森さん:プラネタリウムで言えば、通常の星座絵に加えて当館スタッフが描いたオリジナルの星座も投影しています。可愛らしいイラストを星座として投影することで、お客様が笑ってくださったりして、コミュニケーションを取れる、というわけなんです。

── プラネタリウムから話題を逸らしますが、10月以降に観測できるオススメの天体はありますか?

雨森さん:10月は正直あんまりめぼしいものが無いんですよね……。ただ、10月30日に「金星」と「土星」が近づくので、夕方南西の低い空で見えるかもしれません。11月になると、11月14日にスーパームーンというお月さまが大きく見える日がありますよ。

── スーパームーンは知ってます!

雨森さん:実際に月自体が大きくなることはないんですけどね(笑)。月は地球の周りを周っているのですが、その軌道は“完全な円”ではなく、ラグビーボールのような楕円なんです。すると、月が地球に近づくときがありますよね。ちょうど地球に近づき、「月 ─ 地球 ─ 太陽」の順番でまっすぐ並んで満月のときが最も大きく見えるんです。今年一番大きく見えるタイミングですよ。

今、イスカンダルに飛び立つ

── それでは最後に“本題”をお伺いさせていただきたいのですが、惑星「イスカンダル」を観ることはできますか?

雨森さん:「宇宙戦艦ヤマト」に登場するイスカンダルですよね?

── そうです! 「宇宙戦艦ヤマト 2199」では、16万8000光年先にある「大マゼラン雲(銀河)」の中にあるとされているアレです

雨森さん:(笑)。実際に観てみましょうか。

── えっ!?

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