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盛田 諒の「アスキー家電部」 第47回

シャープ、考えるエアコン「雨だから除湿にしよ」

2016年09月27日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 ついにエアコンも“考える”時代だ。

 シャープが27日に発表したルームエアコン「Xシリーズ」は、利用者の使い方や住んでいる地域を学習して運転モードを自動選択。たとえば設定温度の操作履歴をクラウドに蓄積し、設定温度を自動的に調整したりできる。全9機種で、冷房時の畳数目安は6~26畳(冷房能力2.2~8.0kW)、想定価格は23~37万円。

 接続機能を使うには、別売りのワイヤレスアダプター「HW-A01AY」が必要。実売価格は1万5000円前後。

 ほかに、住んでいる地域の季節情報や天気情報をインターネットで取得して音声で天気予報を教えてくれたり、「雨の日は寒いので除湿運転に切り替えよう」と判断して運転モードを選んだりもできる。

 前機種と同じくスマートフォンにも接続可能。運転状態の通知を出すことでお出かけ前の切り忘れを防いだり、帰宅前に温度・湿度調節したりできる。新機種はただ通知・操作するだけでなくクラウドに情報を蓄積するようになったのが進化点。なお人工知能が参照している運転履歴を見たり編集することはできない。

設定温度の履歴を学習し、自動的に設定温度を変えるようになる

季節情報・天気情報を取得して運転モードを自動的に選択する

「明日の天気は曇り、最高気温は何℃、最低気温は何℃です」とおしゃべりもする

スマートフォンにもつながる

外からエアコンの運転状態と部屋の温度・湿度を確認できる

正しくフィルターなどが取り付けられていないときはエラー情報も通知

人工知能機能を使うには別売りのワイヤレスアダプターが必要

 人感センサーの制御プログラムも進化し、センサーの対応範囲は前機種の半径3メートルから6メートルに倍増。広めのリビングでも人をとらえてルーバーを動かし、遠くまで冷風・温風を届けるようになった。

 冬場の霜とり運転も進化した(暖房運転時、室外機に霜がついたとき「霜とり運転」をする間は温度が低下する)。従来より霜とり速度を上げた「スピード除霜」機能、霜とり運転前に室温を上げる「プレウォーム」機能を搭載している。

 お手入れのしやすさも特徴的。フィルター、ホコリが入るダストボックス、ブラシ、さらにはルーバーまで簡単に取り外して丸洗いができる。中にブラシをつっこんで拭き掃除がしやすい。新機種ではエアコンが自分を掃除する方法をしゃべって案内したり、ブラシなどを入れ忘れたときに指摘してくれたりする。

 Xシリーズは、シャープの通信家電「ココロプロジェクト」のひとつ。知性だけでなく、ロボット型の携帯電話「ロボホン」のように愛らしさがあることにこだわって開発している。自動お掃除ロボットの時代、掃除方法を指示するエアコンは、自分からは動いてくれないロボットのようでちょっとかわいい。




盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、記者自由型。戦う人が好き。一緒にいいことしましょう。Facebookでおたより募集中

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