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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第17回

「t」はTurbo Editionのt

Drobo 5Dが進化した! Thunderbolt 2対応のDrobo 5Dtを試す

2016年09月27日 11時00分更新

文● 飯岡真志 編集 ●金子/ASCII.jp

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Droboに新モデル「Drobo 5Dt」が登場!

ニューモデル「Drobo 5Dt」

 今回は、今月に国内発売予定のDrobo 5Dtを紹介する。モデル名が示すとおり、Drobo 5Dの新バリエーションで、「t」はTurbo Editionのtだ

ざっくりと復習

 こちらの連載も長く続いたので、今回はDroboに関する基本的なことについて復習するところから始めよう。

 Drobo(読みはドロボ。音引きはつけない)は、とても賢く手間のかからないストレージ機器であり、大量のデータを扱うユーザーにうってつけの製品だ。

 HDDやSSDを複数搭載するストレージ機器は、OSからは1つの仮想的なドライブとして認識されるようになっているのが一般的であり、そこで用いられるのがRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)と呼ばれる技術だ。RAIDを採用した機器は、個人向けの小規模なものからエンタープライズ向けの大規模なものまでさまざまなものがあるが、個人用としては使いづらい点もある。特に問題となるのは、以下の2点だ。

  • 使用中にドライブの組み合わせを変更できない
  • ドライブの容量を揃えないとムダが生じる

 いったん作成したRAIDアレイ(仮想的なドライブ)は、変更ができない。長く使おうとすると導入時になるべく大きな容量で構成する必要があり、初期コストが高くなる。また運用に際しては、ある程度はストレージアレイに関する専門的な知識が必要となる。

後からの容量アップが可能な「BeyondRAID」

 Droboには「BeyondRAID」と呼ばれる独自のアレイ技術が採用されており、「Beyond(~を越えて)」が示すように、RAIDの使いにくい点を改良したものとなっている。

 具体的には、小規模な構成(最低2台のHDD/SSDが必要)から使い始めて、必要に応じてHDDの追加や、より大きな容量のHDDへの交換が可能だし、異なる容量のドライブでもムダなく利用できるのだ。またBeyondRAIDは、RAID1/5/6相当(搭載しているドライブの台数や設定により選択)のデータ保護機能を備えている。

 そしてさらに重要な点として、ストレージアレイに関する専門的な知識がなくても、これらの便利な機能を活用できることが挙げられる。

 より詳しい話は、連載の初回記事「データ爆増時代のストレージはDroboがお勧め!」を参照していただきたい。

 Droboシリーズには、WindowsマシンやMacに直接つないで利用するDAS(Direct Attached Storage)型と、ネットワークに接続して複数のマシンから利用するNAS(Network Attached Storage)型の2タイプがある。DAS型Droboの上位機種として、本連載「容量アップでき、長らく安心な外付けHDDなら「Drobo 5D」で決まり!」などで紹介してきたDrobo 5Dがあるが、今回取り上げるDrobo 5Dtはそのバリエーションだ。

Drobo 5Dtはどこが変わった?

 某日、国内の代理店であるプリンストンからDrobo 5Dtが届いたので、さっそく前モデルのDrobo 5Dと比較してみよう。

 まずは外観だが、これがもう驚くほど変わらない。もともとDroboシリーズのボディには「drobo」のロゴだけがあり、モデル名などは表示されていない。だからDrobo 5D(DAS)とDrobo 5N(NAS)も、前面から見ると区別がつけられず、背面のインターフェイスで見分けていた。これがDrobo 5DtとDrobo 5Dとなると、インターフェイスの構成も同じなので、本当に分からない。

Drobo 5DtとDrobo 5Dを並べてみた。区別が付かないので、作業中は付箋を貼ってある

背面もまったく同じ

 ではどこが違うのかというと、中身が変わっている。Drobo 5DはWindows用のUSB 3.0、Mac OS X用のThunderbolt(2つ)を備えていた。これに対してDrobo 5Dtは、Thunderboltに替えてThunderbolt 2のインターフェイスを2つ備えている。インターフェイスが2つなのはデイジーチェーン(数珠つなぎ)用で、以下のように接続して利用できるというわけだ。

Mac本体<->Drobo 5Dt<->別のThunderbolt 2機器(別のDroboや4Kディスプレイなど)

 Thunderboltはインテルとアップルが共同で開発した規格で、現行のMacBook ProやMacBook AirにはThunderbolt 2のインターフェイスが搭載されている(規格としてはThunderbolt 3が発行済み)。Thunderbolt 2は帯域をThunderboltの2倍となる20Gbps(双方向)としたものだ。

 またDrobo 5DではオプションだったSSDキャッシュモジュールが、Drobo 5Dtでは標準装備となっている。SSDキャッシュモジュールは、Drobo本体の底面にあるスロットに装着するもので、mSATA規格の128GB SSDを内蔵している。

 総体的に見れば、Drobo 5Dtは昨今の環境に適合するための正常進化、将来に渡って長く使い続けられるモデルと言えるだろう。


 

(次ページ、「フォトセッション 写真で見るDrobo 5Dt」に続く)

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