だが、今後はクラウド利用がさらに広がることになるのは間違いないとも語る。
「パブリッククラウドとプライベートクラウドをあわせて、クラウドが半分を占めるようになるのは、2021年。細かくいえば、2021年6月29日午後3時57分に、クラウドが半分を占めると予測されている」と語る。
この数字の細かさも、ゲルシンガーCEOならではのものだといえよう。
このとき、パブリッククラウドは30%。IaaSが16%で、SaaSが14%の内訳だという。また、プライベートクラウドは20%を占めるという。
さらに、2030年にはパブリッククラウドだけで52%と、ITシステム全体の半分を占め、プライベートクラウドの29%をあわせると81%がクラウドになると予測する。
「パブリッククラウドが全体の半分を占めるまでに、まだ14年かかる」としながらも、「デジタルトランスフォーメーションという、かつてない変化が訪れている。これは脅威ではなく、我々にとってビジネスチャンスになる」と語る。
「従来の考え方では、パブリッククラウドが広がることによってITのコスト効果が高まり、IT産業そのものが小さくなるのでないかという指摘があるが、私はそうは思っていない。多くの人がクラウドを活用するようになると、最終的にはITに対する投資がさらに拡大すると考えている」と語る。
ゲルシンガーCEOは、長年、インテルに在籍していた。そのときの経験から次のように語る。
「CPUが高性能化すると、使用されるCPUの数が減るといわれていた時期があった。たが、結果はどうなったか。性能が高いCPUの価格が安くなり、CPUの出荷数量は増加した。クラウドにおいても同じことが起こる」。
ゲルシンガーCEOは、クラウドがITシステムの過半数を超えるようになっても市場全体は縮小しないと断言するのだ。
そうであるならば、IT業界のプレーヤーはいち早くクラウドビジネスに取り組むのが適切だ。
「120ヵ国、4200社のvCloud Air Networkパートナーには大きなチャンスが生まれる」と、ゲルシンガーCEO。「その点ではクラウドの選択肢を広げるフリーダムと、それを制御するコントロールの両立がますます重要になる」。
今年のVMworldのテーマは「be_TOMORROW」。明日の世界に向けて、VMwareの新たなコンセプトとそれに向けた製品を発表してみせた。それは、クラウドがデジタルトランスフォーメーションを支えるなかでVMwareが果たす役割が、ますます大きくなることを意味するものだといっていい。
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