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最新パーツ性能チェック 第199回

安価なのにMarvellコンのSSD、Kingston「SSDNow UV400」を試す

2016年08月20日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII.jp

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 最安価格帯の更新はないものの、続々と登場している安価なエントリーSSD。その上、メインストリーム向けモデルが週末限定で値下がりするなど、SSD選びは目移り必至な状態になっている。そんななか、ちょっと目を引かれたのが、Kingstonから2016年6月に登場した「SSDNow UV400」シリーズだ。

Kingston「SSDNow UV400」シリーズ。モアイ像のような独特なロゴが目印だ

 「SSDNow UV400」シリーズの最大シーケンシャルリードとライトは、リード550MB/sec、ライト500MB/secとエントリーSSDとしては悪くないが、ランダム4Kライトは120GBで1万5000IOPS、480GBでも5万IOPSと低め。

 さらにMTBF(平均故障間隔)は、格安SSDでも150万時間がうたわれているところ100万時間と、スペックで選ぶと正直微妙なのだが、非常に惹かれたのがCrucialブランドの新型SSD「MX300」シリーズにも採用されている4チャンネル同時アクセス対応のMarvell製コントローラー「88SS1074」を採用している点。

 そして、240GB「SUV400S37/240G」で7200円前後、480GB「SUV400S37/480G」で1万3000円前後というエントリーとメインストリーム向けTLC SSDの中間となっている価格帯だ。

 とくに、コントローラーにMarvell「88SS1074」を採用している点は大きく、パフォーマンスを試して(分解して)みたくなった。

SSDNow UV400スペック表
型番 SUV400S37/120G SUV400S37/240G SUV400S37/480G SUV400S37/960G
容量 120GB 240GB 480GB 960GB
NANDフラッシュタイプ TLC NAND
コントローラー Marvell 88SS1074
シーケンシャルリード 550MB/s 550MB/s 550MB/s 540MB/s
シーケンシャルライト 350MB/s 490MB/s 500MB/s 500MB/s
4Kランダムリード 9万IOPS
4Kランダムライト 1万5000IOPS 2万5000IOPS 3万5000IOPS 5万IOPS
MTBF(平均故障間隔) 100万時間
TBW(総書き込み容量) 50TB 100TB 200TB 400TB
保証期間 3年間
実売価格 4500円前後 7200円前後 1万3000円前後 未発売

 というわけで、「SSDNow UV400」をさっそく試してみることにした。用意したモデルは、写真や動画、大容量化が進むゲームデータをSSDのみのストレージ構成でも、十分保存でき、4Kランダムライトが3万5000IOPS、TBWが200TBになっている480GBモデル「SUV400S37/480G」だ。

エントリーモデルながら
金属筐体の採用やキャッシュ搭載とグッド

 まずは「SUV400S37/480G」を分解してコントローラーやDRAMキャッシュの確認をしよう。筐体4ヵ所のネジには中央に凸のあるいじり止めタイプの六角星型(トルクス)が使われていたので、いじり止め対応の工具を用意する必要があったが、工具があればササッと分解可能だ。

 なお、分解時のお約束だが、分解すると3年間のメーカー保証はもちろん、ショップの初期不良交換も受けられなくなる点はお忘れなく。

Kingstonのモアイロゴが大きく刻印された「SSDNow UV400」。低価格モデルながら金属筐体を採用している点がグッド

いじり止めタイプの星型ネジが使われている

 分解すると、Marvell製コントローラー「88SS1074」コントローラー、DRAMキャッシュ、裏表あわせて16枚のKingston刻印が入ったNANDフラッシュが見てとれた。また、金属筐体を採用している時点で期待したが、期待通りコントローラー部には熱伝導体が貼ら、金属筐体で放熱されるようになっていると好感触。

蓋を外した「SUV400S37/480G」。見慣れた大きさの基板を採用

コントローラー側の筐体には熱伝導体が取り付けられている

基板表面にはコントローラーとDRAMキャッシュ、8枚のNANDフラッシュメモリーを搭載

基板裏面、8枚のNANDフラッシュを搭載

Marvell製コントローラーで、刻印は「88SS1074-BSW2」だった

「SUV400S37/480G」のDRAMキャッシュは、NANYA製DDR3-1600の「NT5CC256M16CP-DI」(512MB)を採用

NANDフラッシュは、Kingstonの刻印の入った「FD32B08UCT1-10」で、「SUV400S37/480G」は表裏合計16枚を搭載

Kingstonは自社でのメモリーチップ生産は行なっておらず、データシートも見当たらなかったので詳細は不明だが、海外レビューではToshiba 15nm TLC NANDという記載も

メモリー製品の世界最大の独立メーカー
Kingston

 読者のなかには、“Kingstonって?”という人も結構いると思うが、「Kingston Technology」はメモリーモジュールの世界NO1のシェアを持っているアメリカのメーカー。

 メモリー=バルク品だったひと昔前は、高品質なメモリーと言えばKingstonで、Power PC時代のMACなどのメモリーを増設する際は、ド鉄板だった。

Kingston製メモリーは、パソコンショップ アークが取り扱い豊富だ

 2008年に独自のメモリーモジュール向け放熱技術の「HyperX Thermal Xchange(HTX) テクノロジー」を発表。高いオーバークロック耐性や安定性を発揮し、高品質なメモリーを提供するメーカーとしてだけでなく、オーバークロックメモリーのメーカーとしても知られている。

 SSDに関してはCrucial、Samsungといった定番メーカーほど知られてはいないが、PCI Express 2.0×4接続のM.2/PCI Express SSD「HyperX Predator PCIe SSD」シリーズなど、人気となった製品も送り出している。

 また、近年はゲーミングヘッドホンでも、知名度アップ中だったりする。

海外だけでなく、国内でも高評価を受け、人気となっているKingstonのゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud」。1万円程度の製品としてはクリアーな音で、高音がしっかり伸び、低音もよく出ると、コスパ優秀

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