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2016年春アニメで「一番見られた作品」は? なぜか東芝が公開

2016年08月12日 00時00分更新

文● 編集部

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リオで世界的なスポーツイベントが開催されていたりして、全録や録画機に対する関心がまた高まってきました。そんなわけで、東芝さんのサイトをツラツラと眺めていたところ、以下のようなサイトを見つけてしまいました。

2016年春 大人アニメ集計

http://m.timeon.jp/analytics/anime-2016sp/

本文内には「2016年春 (4~6月期) に新たに放送されたアニメ番組 (主要 36作品) の、レグザ使用者での見られ方をまとめてみました。」という記載が。

 ……ということで、アニメの視聴に関する、ものすごく詳細なデータが掲載されています。ちなみに、関東で稼働しているネットワーク対応のレグザのうち、約10万台の情報を集計・分類した結果をまとめたものだそうです。“視聴率調査”みたいなものですが、単純な視聴率だけではなくざっくりというと、放送中のアニメを「生でみた人」、HDDなどに録画して「後から再生してみた人」、とりあえず「予約だけはしていた人」の3つに分類して集計されています。

 その情報から“平均総接触率”の高低、“ライブ率と再生率”の相関、接触率の多寡でグループ分けして、“各回の見られ方”がどう推移していったかを“作品別に分析”したグラフなど掲載されています。「話題になった“あの作品”ってどんな風に世の中で受け止められたのかな」なんて疑問に対する“手がかり”が得られそうです。

 眺めているだけでも楽しい。

 もうひとつ、母集団の多さという点もすごい気がします。

 視聴率というと、ビデオリサーチの調査が有名ですが、10万台の情報をまとめるというのはちょっと桁の違う母集団だなと思います。深夜アニメに関しては、そもそもの視聴者数が少ないということもあり、視聴率は出ても非常に低くてあまり参考にならない面があります。これだけの数があれば十分に動きが分かるのではないでしょうか。

平均総接触率のランキング

 “平均総接触率 ランキング”のトップは「暗殺教室」。これに「甲鉄城のカバネリ」、「逆転裁判」、「機動戦士ガンダムUC RE:0096」、「僕のヒーローアカデミア」といった作品が続きます。暗殺教室や甲鉄城のカバネリは、深夜帯の放送ですが、ライブ視聴しやすい、朝や夕方の時間帯の作品が上位に来やすいという面もあるようです。

各アニメのライブ率と再生率の関係。縦軸がライブ率、横軸が再生率、円が大きいほど接触率が高かった作品ということになります。

 このあたりの相関をよりハッキリと示してくれているのが“各アニメのライブ率と再生率の関係”。要は録画で見たか、放送で見たかを示すもので、斜めにひかれた線より上にあれば、録画した後に再生する人が多く、下にあると直接放送を見る人が多い作品となります。当たり前ですが、朝や夕方の作品は直接見る人が多く、録画再生は当然ですが深夜の作品が多くなる傾向です。

グループ1(接触率が高く人気作品といえる)の作品をレグザで録画した人の割合の推移。3話ぐらいからガンダムUCやカバネリ、ジョジョを録画する人が急に増えたのが分かります。逆にもともと録画する人が多い、深夜帯の人気作は、Re:ゼロのように安定しつつ右肩上がりになるようです

 さらに総接触率の多寡で、作品を4つのグループに分けて、各話ごとにどんな見られ方をしたのかも紹介されています。見た人が多い第1グループの結果を見ると、多少ジグザグしつつも、横ばいの傾向を示しているものが多い印象ですが、これが第2グループになると、3話あたりガッツリと離脱した視聴者がいる作品が出てきたりします。さらに第3グループになると、初回が一番見られ右肩下がりになる作品が大半。第4グループになると最初の数話の落ち込みがより過激になるという傾向が見えてきます。

第3グループと第4グループの「再生率」。3話ぐらいを境に、見続ける人とそうでない人が分かれますが、それ以降は視聴し続ける人が一定数、安定して残るのが分かります。

 厳しい現実があるなと思う一方で、逆に予約率がどんどん高くなっていく作品もあることが分かり、作品に対する視聴者の温度感が伝わってくる感じもします。

ちなみに1話以降、見る人が増えているのか、減っているのかが分かるのがこのグラフ(第1グループ)。減っていくのが自然だと思いますが、Re:ゼロのように急に増えている作品もあります。作品によっては、最初に離脱する人がいるけれど、その後は逆に見る人が増えていく場合もあり、興味深いです。

 以上はあくまでも“レグザを使ってアニメをみた”人のデータで、その作品をBD化したパッケージが実際にどのぐらい売れたのか(相関があるのか)。あるいは各作品についたファン層の濃さがどのぐらいあり、どこに魅力を感じているのかなど、本質的なところは想像するしかない面はありますが、なんかじっくり見ると、いろいろと感じるところがあります。

このデータを活用した同人サークルがさっそく登場!

 ちなみにこれだけ詳細なデータが出ているのだから、そういう分析している人いないのかな……とネットを探ってみました。そしてさっそくやっている人がいました。アニメ視聴ログ分析ギルドという有志の方たちで、コミケにも出展するそうです……。

アニメの見られ方

http://animevlguild.tumblr.com/

サイトの解説から
東芝映像ソリューションさんのレグザクラウドサービス「TimeOn」のサイトに、レグザのテレビ視聴データを元にした作品ランキングや各作品ごとの視聴グラフが「2016春 大人アニメ集計」として公開されました。引用・転載可能とのことで、突貫作業で、これらのグラフを使って各アニメやグラフを紹介する「アニメの見られ方 2016 春」本を作成しました。

 TimeOnのサイトで公開されているデータにをベースにしながら、さらに取り上げられている36作品ごとの分析を個別に実施するという濃さです。

 サイトにはサンプルとして「Re: ゼロ」の分析が載っているのですが、例えば録画数に対する再生数の割合が8割と非常に高く、「特にロズワール邸に行ってからの7話以降、つまりレムちゃんとの絡みにやられてからはかなり高い。」と作品自体もかなり深く見ているのがうかがえますね。ちなみにこの同人誌のサークルにコンタクトを取って内容の一部の掲載許可をいただきました。

アニメの見られ方 2016 春のチラ見せ部分

 2016年春のアニメ作品の一覧については、ASCII.jpでも紹介していますが、これだけの数の作品の中から、自分の気に入った作品を探すというのは、結構なむずかしさがあったりもします。実際に自分が見た感想と、世の中の人のアクションの違いはどうか? なんて視点で眺めてみても面白いかもしれません!

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