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肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第151回

初代麻婆豆腐の素が復刻販売中! 食べてみた

45年前の「麻婆豆腐の素」が予想外だった

2016年08月10日 11時10分更新

文● ナベコ

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 思い返すと、生まれてはじめて作った料理は麻婆豆腐だったかもしれません。いちからつくるものではありません。丸美屋の「麻婆豆腐の素」です。これなら豆腐1丁を用意して水の分量さえ間違えなければ、誰でも(初めてフライパンを持つ子供でも!)簡単においしい麻婆豆腐をつくれるので感激した記憶があります。

丸美屋の麻婆豆腐の素の初代がただ今復刻発売中

 「自分にだって料理が上手にできた」と得意気にさせてくれた丸美屋の麻婆豆腐の素は、今年で発売45周年。これを記念して丸美屋では、発売当初の味とパッケージを再現した「初代麻婆豆腐の素 復刻版」を2017年3月末までの期間限定で発売中。価格は約250円と、現在のレギュラー麻婆豆腐の素と同じ。

「初代麻婆豆腐の素 復刻版」約250円

 45年前、というと記者(29歳)はまだ生まれていません。初代の麻婆豆腐の素はひとつ120円で、内容量は現在と同じく3人前×2食。サラリーマンの初任給が10万円以下だった時代です。

 1971年当初はまだ“麻婆豆腐”が珍しい料理で、一部の高級な中華料理店などでしか食べられなかったそうですよ。麻婆豆腐自体を知らない人も多く、小売店に置いてもらうまでにも苦労は多かったとか。

デザインもなんとなく昭和的っぽい

 パッケージは今と異なり箱ではなく袋状。ベースの明るい朱色や直線的な線で縁取った文字が昭和のテイストを感じますね。味は中辛の一種のみでした。

「麻婆豆腐の素」45年前のものとで食べ比べてみた

左が現在の麻婆豆腐の素、右が復刻版

 パッケージもそうですが味も発売当初のものを再現しているそうです。つまり、麻婆豆腐リテラシーがまだ低かったころ、多くの人が初めて出会ったであろう麻婆豆腐の味。

 45年も経っているので、何度かブラッシュアップを繰り返しているとか。現在の麻婆豆腐の素とどう変わっているのか、食べ比べてみました。

麻婆豆腐の素を食べるのは久しぶり!

 少し驚いたのは、作り方が変わっていないところ。みなさんもご存知のように麻婆豆腐の素の調理方法は簡単ですよね。麻婆豆腐の素と水を煮立ててから豆腐を入れ、付属のトロミ粉を溶かし入れてトロミをつけるだけ。45年前からこのシンプルさだったと思うとあらためてスゴイなと素直に。開発者、えらすぎる。

 贅沢にネギを加えてみて、麻婆豆腐が出来上がりました。お腹の容量の都合上、今回は各半分の分量(1.5人前)で作りましたよ。

レギュラー「麻婆豆腐の素」

「初代麻婆豆腐の素 復刻版」

 見た目でいうと、炒めた加減で多少色みが違うようにも見えますが、本質的にはあまり差はないかなという感じ。

 ところでみなさん麻婆豆腐のおともと言えばなんでしょう? 答えはビールです。中華料理ってなんでこうビールに合うのでしょう! まるで仕込まれた罠のようです。もちろん望むところ。

ビールと一緒にいただきます

予想外……。変わらない?

 ビールで喉を湿らせながら麻婆豆腐2種を食べ比べ。

 まずは現在のもの。ふむふむ。次に復刻版の麻婆豆腐。ふむふむ。

左が復刻版。右が現在のレギュラー

 ふむ。

 あまり変わらないです。

現在のレギュラー。辛さを適度に感じます

復刻版。味は同じ感じですが、辛さがないです。まろやか

 注意深く食べてみると、現在のもののほうがやや辛いです。どのみち“中辛”なので、辛いと言っても大したことがないのですが。

 復刻版は味噌の風味や旨みはあるのですが、辛さが抑えられていてまろやかな感じ。ご飯にのせて食べたくなります。

レギュラーには、復刻版にはない豆板醤が使われている

復刻版のトロミ粉はにんにく成分が高め

 成分表を見比べ見てると、現在のレギュラーの麻婆豆腐の素には豆板醤が使われているのに、復刻版にはありませんでした。辛みはやはり、昔のものより現在のもののほうが強く作られているのですね。

 それでも、意識せずに食べたらあまり差を感じないくらい、近い味わい。

 丸美屋の報道資料を見ると、45年間でコクを増やしたり肉の増量をしたけれど、発売当初からほぼ完成形の味だったため、ベースは変えずにやってきたということ。“玉子”は物価が変動しても価格が振れず、物価の優等生と言われています。麻婆豆腐の素は、味の優等生という感じですかね。

 どっちかと言うとレギュラーの麻婆豆腐のほうが心地よい辛さがあるため(記者は微辛党)、個人的にはこっちが好き。復刻版を食べる場合は、ご飯にのせてラー油をかけてかっこみたいです。

復刻版には麻婆豆腐の歴史についてのうんちくが書かれている

 ところで内容とはまったく関係なのですが、復刻版は麻婆豆腐の発祥についての言われが書いています。「麻(あばた)がある婆さんがつくった豆腐料理」という説が有力だということ。まったく知らなかったです。タメになる!

ブルジョワ麻婆豆腐がおいしかった

 さて、普通の麻婆豆腐の素もよかったのですが、あまりに疲れていたり酔っぱらっていたりする時は、水を計量したりトロミ調味料を溶かし入れたりするのさえ面倒。そんなときは「贅を味わう 麻婆豆腐の素」シリーズが便利!

普通の麻婆豆腐の倍以上の価値になる「贅を味わう」シリーズ

 贅を味わうシリーズは内容量が2、3人前が1回分で価格は約270円。レギュラーだと2回分が入っているので、贅を味わうシリーズは倍以上の価値。お高い! ブルジョワジー!

 ブルジョワジーの麻婆豆腐は作るのも簡単。豆腐と麻婆豆腐のもとを炒め合わせるだけで、水を計って入れたりトロミ粉を入れたりする必要もありません。味はブルジョワジーなだけにワンランク上質。

レベルが高い味でした!

 “花椒”も入っているため香りも本格的。食べたのは中辛でしたが、適度に刺激もあって本当においしかったです。ビールも進みました。

 あらためて麻婆豆腐の素のあれこれを食べてみて、丸美屋さんに私から要望があるとすれば容量。どの製品も1回のボリュームが3人前程度であるので、ひとり暮らしだとなかなか作る機会がありません。

 豆腐半丁で1人前をつくれる麻婆豆腐を素を発売してほしいものです。

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ナベコ

寅年生まれ、腹ぺこ肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になるまでにストリップを見に行きたい。Facebookやっています!

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