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スマホと相性のいいコンテンツってどんなもの? ジャンル別に調べてみると…

2016年05月30日 06時13分更新

文●D2Cスマイル

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先頃公開されたニールセン社のレポート(スマホの成長は新たなステージへ ~ニールセン、2015年のまとめレポート Digital Trends 2015を公開~)によると、

  • スマートフォンからのインターネット利用人口は5000万人を突破
  • 44歳以下ではスマートフォンからのインターネット利用人口がPCからのインターネット利用人口を上回ったものの、45歳以上ではまだまだPCからのインターネットを利用人口の方が多い

とのことです。

このような状況の中、改めて「今現在の、情報ジャンル別のスマートフォン比率を把握したい」というニーズが出てきているように感じます。参考データをご紹介します。

データソースと前提

「日本最大級の総合情報サイト」All Aboutを運営するオールアバウト社では、媒体資料のひとつとして「All Aboutガイドサイト一覧(PC・スマートフォン)」を公表しています。

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14領域、64チャネル、更に細分化されたテーマごとに、パソコン(以下PC)とスマートフォン(以下SP)それぞれのPV(ページビュー、2015年12月実績)が記載されています。今回は、こちらのデータをオープンデータとして活用させてもらい、情報ジャンル別のSP比率を可視化してみます。

【前提】

  1. 情報ジャンルとして、(基本的には)64個ある「チャネル」の数値を使用する
  2. SP比率は、各チャネルごとにPCPV(PCからのページビュー)とSPPV(SPからのページビュー)を足しあげ、その合計PV(ページビュー)におけるSPPVの比率とする

実際はこの資料に掲載されている数値は、オールアバウト社の戦略とそこに紐づくサイト設計、コンテンツ企画等施策の結果としての数値と捉えられるはずです。その意味ではこの媒体固有の状況かもしれません。更に、個別情報ジャンル(チャネル)ごとでも、PC向けサイト/SP向けサイトで表示方法に違いがあったり、掲載コンテンツが異なるといった可能性も考えられます。あくまでも傾向を捉える参考データとして、こちらのデータを上記の手続きに従って見てみることにします。

以下がAll About64の情報ジャンル(チャネル)です。SP比率が高いのはどういったものでしょうか?

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ちなみに、64の情報ジャンル(チャネル)のPVを全て足しあげてSP比率をみると、66.2%という数値になりました。ここに含まれていない数字もあるかもしれませんが、少なくとも「日本最大級の総合情報サイト」は、2015年12月時点でPCよりもスマホからより多く閲覧されているということができるのではないでしょうか。

なお、64の情報ジャンル(チャネル)のうち、もっともSP比率が高いジャンル80%台(8割がスマホから見られている)、もっとも低いものでは20%台(スマホから見られているのは2割程度、8割はPCから)となっていました。情報ジャンルによってSP比率に大きな違いがあることが確認できました

スマートフォン比率が高い情報ジャンルは?

SP比率上位20位は以下の様な情報ジャンルでした。

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「結婚・出産」、「育児・赤ちゃん」、「ヘア」がTOP3となっています。
領域別に見ると、「暮らし」領域、「ビューティー」領域、「恋愛・結婚」領域がTOP10を独占し、主に女性が情報収集していそうなジャンルがあがっています。

また、11位には「症状・病気」、18位には「健康管理」といった「健康・医療」領域がランクイン。これらは“パーソナルでプライベートな情報”と位置づけることができるかもしれません。

スマートフォン比率が低い情報ジャンルは?

次に、SP比率下位20位の情報ジャンルを見てみましょう。

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これを見ると、「IT・インターネット」がSP比率27.3%と突出して低くなっています。「IT・インターネット」チャネルの内容をより詳細にみると「エクセル(Excel)の使い方」、「ホームページ作成」といったテーマのPVが多くなっています。職場での閲覧もありそうですし、PCで作業をしている時に出てきた疑問点をそのままPCブラウザーで検索するといったシーンも想像されます。

2位には「起業・経営」、3位には「土地活用」、4位には「不動産の法律・税金・制度」、と少々難しそうなワードが並んでいます。5位の「退職金・老後のお金」や、8位の「別荘・田舎暮らし」といったワードをみると比較的年配の方の関心の高そうな情報ジャンルが並んでいるのも特徴です。

もう少し大きな括りで捉えてみると(領域別のSP比率)

SP比率上位には「暮らし」、「ビューティー」、「恋愛・結婚」領域の情報ジャンル(チャネル)が多く、SP比率下位には「デジタル」、「ビジネス・学習」、「住宅・不動産」、「マネー」領域の情報ジャンル(チャネル)が多くランクインしていました。
より大きな括りである14の「領域」別に集計してみたものが下図です。

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最もSP比率が高いのは「恋愛・結婚」、最もSP比率が低いのは「デジタル」という結果になりました。

すべてを合計したSP比率は66.2%でしたので、7位の「グルメ」より上はSP比率が比較的高く、8位の「趣味」より下はSP比率が比較的低いと言えるかもしれません。それにしても、14ある領域のうちSP比率が50%に満たないのは「デジタル」のみ、というのも興味深い結果です。

ここで更に、同じ領域内でも情報ジャンル(チャネル)によるSP比率の差が大きい4領域をピックアップしてみました。

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  • 同じ「デジタル」領域でも、「携帯電話・スマートフォン」はSP比率が高く、「IT・インターネット」はSP比率が低い
  • 同じ「マネー」領域でも、「結婚・出産・教育のお金」はSP 比率が高く、「退職金・老後のお金」はSP比率が低い
  • 同じ「ビジネス・学習」領域でも、「学習・受験」はSP比率が高く、「起業・経営」はSP比率が低い
  • 同じ「住宅・不動産」領域でも、「インテリア」はSP比率が高く、「土地活用」はSP比率が低い

一口に「情報ジャンル別のSP比率」と言っても、ジャンルをどのように定義するかで結果が大きく異なってきそうです。また、ここにも情報ジャンルによるSP比率の違いを説明するヒントがありそうです。

情報ジャンル別にSP比率が異なる要因は?

見てきたように、情報ジャンル別にSP比率が大きく異なることがわかりました。その要因はどこにあるのでしょうか? ざっと眺めた印象では、仮説的には以下の様な点が挙げられるのではないでしょうか。

主にどんな人に閲覧されている情報なのか?
(若年層/年配層、女性中心/男性中心……)
主にどんなシーンで閲覧されている情報なのか?
(プライベート/ビジネス、今まさに知りたい情報か否か、別のことをしながら調べている/その情報収集に専念している、1人でこっそりと調べたい情報か否か……)
主にどんな情報が期待されているのか?
(軽く読みたい/深く理解したい……)

今後、全般的にSP比率は更に高まっていきそうですが、情報ジャンルによってその進捗度と限界値は異なると考えられます。

(記事提供:D2Cスマイル

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