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日本HP、1.62m/3.2m幅対応の大判プリンター「HP Latexシリーズ」新製品

2016年07月25日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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 日本HPは、大判プリンター「HP Latexシリーズ」の新製品を発表した。9月以降、順次発売する。

1.62m幅に対応「HP Latex 560プリンター」「HP Latex 570プリンター」

 中規模および大規模印刷事業者向けに開発した「HP Latex 560プリンター」(価格358万円)および「HP Latex 570プリンター」(価格398万円)は、1.62m幅に対応したもので、様々な印刷案件やピーク時の出力ボリュームに対応できるようにしたのが特徴だ。従来のHP Latex 300シリーズをベースに高速化を図ったという。

HP Latex 560プリンター

 約1分間でロール紙のセットが可能なスピンドルレスの新たな取り付け機構を採用。自動スキュー調整機能、最大55kgのロール紙に対応する高重量ロール設計、ステータスビーコンによるリアルタイムの印刷監視機能により無人印刷を支援できる。また、屋内品質モードで最大23平方m/時の印刷速度を実現。新たなビビットカラープリンントモードによって、インク濃度を最大50%向上している。

 さらに、HP Latex Mobile Appに対応しており、遠隔地からのジョブ管理を実現。夜間印刷などにも可能になる。

HP Latexシリーズに対応したHP Latex Mobile App

 日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の霄洋明ソリューションアーキテクトは、「より高速化した製品がほしいという要望に応えたもの。真っ赤、真っ黒といった色もしっかりと表現できる。ピーク時の需要にも迅速に対応し、確かな品質と鮮やかな色再現性を持ち、コスト削減効果もある。従来製品に比べて、約30%の生産性向上を実現している」とした。

日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の霄洋明ソリューションアーキテクト

3.2m幅対応プリンター「HP Latex 1500プリンター」

 また、大型印刷機の生産性を備えた「HP Latex 1500プリンター」(価格2780万円)は、新設計のコンパクトサイズ3.2m対応プリンターであり、屋外品質モードで最大74平方m/時、屋内品質モードで45平方m/時の印刷速度を実現。1200dpiのHPサーマルインクジェットプリントヘッドと自動ノズル補完機能、HP独自のオプティカルメディアアドバンスセンター(OMAS)を搭載。色を自動管理できる内蔵分光測光器により、高い印刷品質が実現できる。コスト効率の高い5リットルの大容量インクカートリッジの採用により、長時間の無人印刷にも対応できる。最大1.6m幅のロールを2本並列で印刷できるデュアルロールキットも搭載している。また、オプションを利用することで、塩ビバナーや塩ビ粘着フィルム、テキスタイル、両面印刷など、屋内外における幅広い用途にも対応可能だ。

HP Latex 1500プリンター

 「高速、高生産性と、高品質の仕上がり、安定稼働が特徴。LEDライトで印刷品質を容易に確認したり、内蔵プリンターサーバーやメディアセーバーなどの搭載により、単発も、長尺も安定的な印刷ができる」(日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の霄洋明ソリューションアーキテクト)とした。

 HP Latex 560/570と同様に、HP Latex Mobile Appに対応している。

 日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の秋山裕之カテゴリーマネージャーは、「これまでのラインナップでは、下位と上位に分かれており、その間を埋めるものがなかった。今回の新製品によって、印刷事業者のニーズに対応できるようになる。様々なプリントサイズやメディアに対応できること、印刷業者ごとの平均プリントボリュームに対応した導入が実現できること、ピーク時の生産に対応できる最大プリント可能容量を用意することで投資を最適化できる」と語った。

日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の秋山裕之カテゴリーマネージャー

 米HP Inc.アジアパシフィック&ジャパン グラフィクスソリューションビジネス ディレクター兼ゼネラルマネージャーのジェフ・デ・クレイン氏は、「市場は大きく変化しており、サインディスプレイやデコレーションといった成長領域があり、そうした市場に向けてHPプリンターの特徴が発揮できる。2009年にHP Latexが登場して以降、全世界で3万5000台以上を導入した実績を持ち、印刷量は5.2億平方mに達している。印刷量は35%増にも達している。HP Latexは、生産性とコスト削減、新たな用途にも対応でき、クラウドサービスとも連動し、さらに環境にもやさしい」などと述べた。

米HP Inc.アジアパシフィック&ジャパン グラフィクスソリューションビジネス ディレクター兼ゼネラルマネージャーのジェフ・デ・クレイン氏

65%以上が水で構成されているHP水性Latexインク

 HP Latexシリーズで使用しているのは、65%以上が水で構成されているHP水性Latexインクである。「HP水性Latexインクは、塩ビに印刷する際には、熱によって画像がフィルム化しており、溶剤インクに比べて、安全性が高い。HP Latexシリーズ向けのインクには、エコマークと保証プログラムの表記だけで、危険表示ラベルは一切ない。

 それに対して、他社の溶剤インクの場合には、発ガンのおそれなどの注意喚起の危険ラベルが貼付されている。人体への汚染経路の70%は呼吸といわれており、屋内の家具や建材などから発する化学物質などにも注意しなくてはならない。

 HP水性Latexインクは、UN GREENGUARDにおいても、高い基準で評価を得ており、HP Latexシリーズによる印刷は、インテリア事業にも活用できることを自信を持ってお勧めできる」(日本HP ワイドフォーマット事業本部Scitex & Latexビジネス本部ビジネス推進部の霄洋明ソリューションアーキテクト)とした。

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