職人の経験値が品質を左右するって知ってた?

精密すぎる! 安曇野の匠の技「VAIOのレーザー刻印技術」を見てきた!

文●ナックル末吉 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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自身が作成したデータをもとに、刻印が施された製品を手にとるVAIO 草間氏

VAIO安曇野工場の「匠」に話を聞いてみた

 VAIO安曇野工場でレーザー刻印を担当するのが、プロダクションエンジニアの草間清人氏だ。VAIOの量産モデルの刻印は、現場スタッフの担当。草間氏は製品にレーザー刻印を施すために、機械の動作を制御する条件を設定したり、スタッフが作業をなるべく簡略化できるように刻印する図柄データを調整している。

 また試作や新規のデータ作成の際は、実際に機械を操作して刻印を施すという。途中、担当を離れたこともあるそうだが今年でおよそ10年、VAIOのレーザー刻印を担当している。

 つまりVAIO製品の刻印が施されたモデルは、ほぼ草間氏の手を通過していると言っても過言ではない。今回は、安曇野の地で飽くなき探求を続ける「匠」にレーザー刻印について聞いてみた。

── レーザー刻印で一番難しいところってどこですか?

草間 表面に塗装が施されている素材には個体差があります。同じデータで刻印しても色味が違ってくることがあり、その調節が難しいです

── 機械制御用のデータはコンピューターで計算するだけではないのですか?

草間 そういう部分もありますが、いかに美しく刻印するかの微調整は経験側によるアナログな調整が行われます

── つまりレーザー刻印の「職人技」とはデータ作成にあると?

草間 そういうことだと思います(笑)」

── レーザー刻印をされる上で一番、神経を使う部分はどこですか?

草間 仕上がりです。単純に刻印するのではなく、素材を生かしたり、陰影が美しくなるかを考えてデータを作ります。こだわりすぎて、もはや趣味の領域かもしれません(笑)

── 草間さんのようにレーザー刻印の技術を極めるには何年かかりますか?

草間 うーん。レーザー刻印以外の知識も必要になるのですが、その知識を持った人でも5年くらいかかると思います

── 後継者はいらっしゃいますか?

草間 います。まだ候補ですが(笑)

── 仕事をしている中で最もうれしいと感じるのはどんな時ですか?

草間 試作を重ねて作った製品が量産化されたときですね。大変な思いをした分、その製品が世に出た時は素直に嬉しいです

 今回のインタビュー経て、仕事とは言え常に遊び心を忘れず、どこまでもこだわり続ける草間氏の姿勢は職人というよりも、芸術家やアーティストと言った方が的を射ているのではないだろうか。終始、笑顔でインタビューに応じてくれた草間氏は、大ベテランではあるが無邪気な子供のようにも見えたことも印象深かった点だ。

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