顧客に最も近いところで感性に訴える商品開発を
「多様なドメインを抱えていることがソニーの強みである。ソニーは人のやらないことにチャレンジし続ける会社である」とする一方、「ハードウェアに求められる機能は変わっても、顧客との接点としての役割は変わらず、そこにソニーとしての差異化と、新たな成長の源泉がある。顧客に最も近いところで感性に訴える商品を開発し、これを世界中にお届けるところにソニーの強みがある」とも語る。
平井社長は、「ラスト・ワン・インチ」という言葉を掲げてみせた。
通信事業者などが「ラスト・ワン・マイル」という言葉を使っているが、ソニーでは顧客に最も近いところで感性に訴える商品を開発する企業である続けることを、この言葉に集約したともいえる。
ソニーのミッションは「ユーザーの皆様に感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続ける」ことだ。そして、ビジョンには「テクノロジー、コンテンツ、サービスへの飽くなき情熱で、ソニーだからできる、新たな感動の開拓者になる」を掲げている。
「設立趣意書には、創造と挑戦の理念が書かれている。ソニーの将来の成長のために新たな挑戦を加速する時期に来たと感じている。歴史に甘えることなく、類まれなる創業者が築いた唯一無二の企業体を進化させ、次代につなげることが現経営陣の使命である。そこに果敢に挑戦していく」と平井社長。
ソニーは2016年5月7日に創立70周年を迎えた。その節目に、成長戦略を明確に打ち出してみせた。これから試されるのは実行力である。
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