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レーダー優先帯域を効率よく活用する無線LANルーター「Portal」登場

2016年06月30日 17時04分更新

文● ハシモト/ASCII編集部

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「Portal」

「Portal」

 イグニッションデザインラボは6月30日、DFS帯域を効率的に利用することで高いパフォーマンスを実現する無線LANルーター「Portal」の予約販売を開始した。

 クラウドファンディングサイト「GreenFunding」にて8月1日まで募集を行ない、最初の100台は1万3800円で予約を受け付ける。11月頃に出荷となる。

DFS帯域以外が混んでいる状態

DFS帯域以外が混んでいる状態

 無線の5GHz帯は気象レーダーなども使用しており、レーダーが優先されるチャンネル(DFS帯域)では、無線LAN機器で通信中でもレーダーが飛んできたら、そのチャンネルは空けなければならない。その際にチャンネル切り替えを行なうことになるが、必ず移行先のチャンネルのレーダー検知を1分間行なわなくてはならない。つまり、1分間通信が途絶える。

 このため、DFS帯域は避けられる傾向にあり、帯域が有効活用されていないという現実がある。

非DFS帯域は混んでいる状態(左)だが、DFS帯域を利用することで混雑を避けられる(右)

 Portalは受信専用のチップを内蔵。無線LANの全チャンネルを常にモニター(レーダー検知)することで、チャンネル切り替えの際も1分待つ必要がない。これによりDFS帯を効率よく利用できるため、混雑を回避できる。

 さらに、モニターデーターはクラウドにアップロードされ、そこで解析を行なうことで事前にレーダー干渉を予測することも可能。これにより、無線LANの混雑具合に関係なく高パフォーマンスで通信が行なえる。

本体背面。イーサネットポート×5、USB×2を搭載

本体背面。イーサネットポート×5、USB×2を搭載

 対応規格はIEEE 802.11a/b/g/n/acで、11acはWave-2に対応。また、スマホとの接続を簡単に行なうためBluetoothも内蔵。ゲストユーザーはスマホアプリからBluetoothで接続することで、事前にホスト側が設定したアクセス権限を受け取ることができる。

イグニッションデザインラボの概要

イグニッションデザインラボの概要

 同社は2015年5月に設立されたベンチャー企業で、米国に本社を置き、フランスや台湾、東京にオフィスを構える。今年の1月にCES 2016でPortalを出展し、アワードを獲得。5月には米国でキックスターターを開始し、5月には日本で認証を取得。日本でのクラウドファンディングに至った。

 目標金額は100万円で、今後は無線LANルーターだけでなく、Portalの技術を応用した内蔵モジュールや外付けドングルも開発していきたいとのことだ。

クラウドファンディングの画面。6月30日午後の時点で19人が支援していた

クラウドファンディングの画面。6月30日午後の時点で19人が支援していた

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