消火器はもう1台あります
以前からちょこちょこと記事に書いているウチのハンヴィー。米軍払い下げの車輛で、日本には15年以上前に持ち込まれています。製造はたぶん1980年代後半で、もう30年ぐらい前。ネオクラシックとか旧車と呼ばれる車と同世代です。
こんな車ですが割と普段使いをしていて、日頃からコンビニやホームセンターに行ったり、荷物を運ぶのに使ったりしています。ただ、前回も書いたとおり、古いといつなにが起こるかわからないですし二度と手に入りそうにないので、レース用の消火器を購入して常備するようにしました。
その消火器はリアシートの足元に設置したのですが、欠点は運転席から手が届かないところ。ではなぜそんな場所に置いたのかというと、運転席には別の消火器を置いているからなのです。
運転席には軍用消火器
運転席の左にちょっとしたスペースがあり、もうひとつの消火器はそこにあります。
米軍の軍用車は軍用消火器を積んでいます。ハンヴィーにももちろん搭載されていて、その設置場所がこのスペース。ハンヴィーのシートには2種類あって、古いタイプだとシート前面に消火器取り付け用ブラケットがあるのですが、ウチの新しいタイプだとここが定位置なのです。
ハンヴィーを買ったときはここにはなにもなかったので、速攻で軍用消火器をネットでポチり。穴を開けてボルトで固定しなくてはならないのでいまはただ置いているだけですが、マニュアルの指定通りなので収まりはバッチリです。
取り出すとこんな感じです。
軍用消火器は専用の固定用ブラケットとセットで売られていました。ベルトはワンタッチで外すことができます。
軍用消火器は緑色をしています。
ハンヴィー同様、この軍用消火器も米軍の払い下げ品で、ご覧の通り赤ではなくグリーンに塗られています。この塗料はChemical Agent Resistant Coating、通称CARC(カーク)と呼ばれるもので、薬品に侵されにくく、付着した場合も落としやすい耐化学剤皮膜を作ります。
米軍の車両はもちろん、こういった小物もこのCARCで塗られていることが多く、おかげで消火器とは思えない外観です。
大きさは前回の消火器より少しだけ短い程度。
前回買ったレース用消火器と比べると、ほんの少し太くて短い感じです。レース用というのも、一般の消火器に比べたら専門的なデザインなのだと思いますが、軍用は全体の形や各部のパーツがゴツくて、いかにもミリタリーという感じです。色が違うこともあって、消火器に見えないですね。
側面には使い方のラベルがデカデカと貼られています。
米軍のマニュアルって、誰でもわかるようにものすごく簡単な英語で書かれているのですが、それは消火器も同じです。さらにイラストまで入っているので、英語が読めなくても使えます。8フィートがどのくらいか咄嗟にわからないですけれど、1フィートがだいたい30cmなので2.4mぐらいです。
下のマークは対応する火災で、左からABCの順。分類は日本と同じでAが木や紙などの普通火災、Bはガソリンや軽油などの引火性燃料火災、Cは電気火災です。Aには斜線が入っているので、BCのみの対応のようです。主にエンジン火災向けなのかもしれません。
ラベルの右にもう少し詳しく書いてありました。
DRY CHEMICAL FIRE EXTINGUISHERとあるので、日本で最も普及しているABC粉末消火器と同じ粉末消火器のようです。燃料火災には効果的ですが、自動車で使うには後の掃除が大変な気がします。
CLASSIFICATION 10-B:Cはアメリカの等級で、10は1平方メートルの火災に対応できるという意味のようです。Bはガソリンや軽油などの引火性燃料火災、Cは電気火災対応。アイコンで示されていたとおりですね。
毎月重さや圧力をチェックし、使用後はすぐに再充填するように書かれています。再充填の方法も詳しく載っていますが、そのあたりは使い方と違って文章だけ。急を要するわけではないので、じっくり読んでやれってことかなと思います。
圧力チェック用のメーターはレバーのところに付いています。見てみると……。
見ての通り完全にゼロ! そう、実はこの軍用消火器は使用後の物で、再充填されないまま放出された物。要するにゴミ(笑)。軍用消火器があるのにレース用消火器を買ったのもこれが理由で、単なる飾りなのでした。
ハンヴィーは車であると同時に、1/1サイズのプラモデル的な要素も持っています。そのため、本来軍用消火器がある場所には、あるべき物を置きたかったのです。
実用的な部分はより性能の高いレース用消火器にまかせ、こちらはあくまでも見た目だけ。でもワタシ的にはそれがとても大事なことなのでした。
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