このページの本文へ

S3互換APIの大幅強化、Active Directory/AWS IAMに同時対応

スキャリティ、SDS最新版「Scality RING v6.0」を提供開始

2016年06月17日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 スキャリティ・ジャパンは6月16日、数百PBクラスのスケールアウト性能を持つオブジェクトストレージ対応SDS(Software-Defined Storage)の最新版、「Scality RING v6.0」を提供開始した。大規模ユーザーのオブジェクトストレージ導入ニーズに応えるための大幅な機能強化が実施された。

 「Amazon S3」互換APIの大幅強化、Microsoft Active Directory(AD)とAWS Identity and Access Management(IAM)への両認証対応、コンプライアンス機能強化など、エンタープライズ領域でのオブジェクトストレージ需要にも応える。

Scality RING v6.0の先行導入事例。大手商業銀行のプライベートクラウドで、S3互換のオブジェクトストレージを提供。本番環境の認証基盤にはActive Directoryを使用

 Scality RINGは、大容量のHDDを搭載したx86サーバーをクラスタ化し、単一のストレージプールを提供するSDS。数百PBクラスのスケールアウト性能を持ち、オブジェクトアクセスだけでなくファイルアクセスのプロトコルにも対応しているのが大きな特徴。

Scality RINGのこれまでのバージョンとv6.0の特徴

 v6.0では、認証手段としてMicrosoft AD、AWS IAMの両方に対応した。同社によれば、Amazon S3互換オブジェクトストレージ製品としては、業界で初めての製品となる。これにより、エンタープライズへのAWS S3ベースのアプリケーション導入が可能になる。

Microsoft ADとAWS IAMの両方に対応

 さらにS3構成時のスケールアウト機能やアクセス性能も強化された。複数のS3コネクタからの単一バケットへの同時アクセス性能が向上したほか、複数拠点での構成によるスケールアウトもサポートしている。

S3構成時のスケールアウト/アクセス性能を強化

 また、SECルール17a-4に対応したWORM(Write Once Read Many)機能を備え、改竄防止アーカイブとしてデータコンプライアンスソリューションを提供する。「EMC Centera」や「NetApp Snaplock」といったWORMストレージからのマイグレーションオプションも提供される。

 そのほか、コネクタサーバーの自動フェイルオーバー機能などファイルプロトコル利用時の機能強化、単一ディレクトリに対する並列・複数からの同時書き込みに対するパフォーマンス向上などの新機能もある。

 なお同日、スキャリティはAmazon S3 APIに準拠したオープンソースオブジェクトストレージ製品「S3 Server」の提供開始も発表した。これは開発/テスト環境向けにScality RING v6.0のS3ストレージ機能をオープンソースとして提供するもので、Dockerイメージで提供される。

カテゴリートップへ