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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第6回

これでいいじゃんと思えるできの良さ

モニターヘッドフォンの鉄板ならこれ、「HA-MX100-Z」を聴く (2/4)

2016年06月15日 15時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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MX10の経験を活かしつつ、ワイドレンジ化

 内部的な違いに関しては、発表会の際に記事化しているので、ここでは省略する。ザックリと説明をすると、ボイスコイルの改良やディフューザーの改善などを通じて、再生可能な周波数帯域をワイドレンジ化。一方でバスポートを追加して、低域の再現性も強化。同時に振動板をよりスムースに動かすためのベンチレーション(空気抜き)やサウンドディフューザーの調節で、中音域の解像感や音の奥行き感が向上している。

左がMX100、右がMX10。ドライバーに関しては調整を加えているが、イヤーパッドの素材などは同じだという。

MX10とMX100の違いのひとつはヘッドバンドの加工

 ちなみにHA-MX100-Zは、2011年2月発売の「HA-MX10-B」をベースに開発しているが、外観上の違いはごくわずかだ。ヘッドバンド部分のシボ感(つるして保管するのを想定して耐久性も強化)、それからプラグが信頼性の高いアンフェノール製になっている程度である。

左側がMX100のアンフェノール製プラグ。右側はMX10のプラグ。

 当初は素材などの刷新も検討したそうだが、MX10-Bの完成度が非常に高く、イヤーパッドなどは高級な素材に変更すると音が悪くなると感じたそうだ。

 こうした改良の結果、高域の表現力、中低域の安定感や質感、そして解像力や音場の再現性などがハイレゾ時代に即した品質となったという。インピーダンスは56Ωと共通だが、出力音圧レベルは107dB/Wと1dBだけ落ちている。重さは5gだけ増し、約265gとなった。

伸縮部分に目盛りが付いているので、長さを把握しやすい。

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