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ソニーが基本的に好き。の君国氏によるレビュー!

Z5と比べてわかったXperia X Performanceの魅力

2016年06月08日 16時00分更新

文● 君国泰将 編集●ゆうこば

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緑の色域が広がった5型ディスプレー
CPUの影響か「熱問題」も解消傾向?

 ディスプレーは、5型フルHD解像度(1080×1920ドット)で、Z5の5.2インチよりも少し小さくなりました。Xperiaのディスプレーが得意とするところの広色域・高コントラスト・高精細は引き続き、今回は広色域の「トリルミナスディスプレイ for mobile」について、赤と青の再現性の高さに加えて緑の色域も向上したようです。

 発色の良さもですが、コントラストも高く、画面輝度も特にナナメからの明るさについてはZ5よりもさらに明るくなっているので、随分と見やすくなっているのがわかります。

 サイズは、Z5と比べると縦幅で約2ミリ、横幅で1ミリしか差がなく、厚みは1.3mm増えているのですが、X Performanceは丸みを帯びたデザインなので体積的に少しは小さく見えます。とはいえ、画面サイズは5.2型から5型へと小さくなったことを思えば、もう少しベゼルを追い込んで小さくなってくれても良いのにな、とは思いました。しかし、本体の安定性のための内部確保という意味合いもあるようです。

 そういえば、Z5シリーズから側面に刻印された「XPERIA」のロゴもなくなったので、この刻印は結局Z5シリーズ1世代で終わってしまいましたね。

 CPUは、Z4やZ5に採用されていたSnapdragon 810から、X PerformanceではSnapdragon 820に変更(メモリーは3GB、ストレージは32GB)。ズバリ、以前Z4のときのような、負荷がかかるとすぐにプロセッサーが熱くなったり、意図せずカクつくという挙動に悩まされたことを考えると、X Performanceはまるでベツモノです。

 まるで引っ掛かりもなく、キビキビというよりヌルヌル動きます……と書くと表現が稚拙ですが、いつもの動作、スクロールからアプリの起動、アプリの操作、コンテンツを開く、あらゆる動作で時間が切り詰められたようにサクサク快適ね!と感じます。これはキモチイイです。

 仮にわざと負荷をかけた場合でも、局部的な熱さになることはなくうまく熱分散されているようで背面が暖かくなるという程度なので、常用として気にすることは随分と少なくなるように思えます。

 プロセッサーの刷新や内部の熱効率設計に加えて、背面パネルがアルミパネルになって熱分散させやすくなったのも大きいのだと思われます。

 それから今回、バッテリー制御技術を導入して、ひとつはCPU電力が抑えられたことで、普段通りに使っていても、以前よりもバッテリーの減りがゆるやかになっているようです。(ガッツリ常用するところまで至っていないので数日使った状態での所見です。)

 しかも、Xperia独自の「STAMINAモード」も健在で、さらに電池の消費を抑える事もできます。バッテリーは状況に合わせた充電を行なうことによって、バッテリーへの負担を軽減、バッテリーの劣化防止をしてくれるようにもなっているといいます。実際に長く使ってみないとわかりませんが、後から恩恵を受けられる機能だと思います。

キビキビ動くカメラが超楽しい!
フロントカメラも大幅進化

 背面のメインカメラは、1/2.3型の約2300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」でセンサー自体は「Xperia Z5」と変わっていませんが、驚くのべきはカメラ全般の挙動すべてが早くなっていることです。

 最初の撮りたい!と思ってカメラを起動して撮影するまでのタイムラグが速い!「Xperia Z5」こそAFスピードに関しては速くなっているものの、そのAFがピピっとあってシャッターを切る瞬間と、画像を保存する瞬間のに待たされるタイムラグがあるのでまだまだ待たされる感覚がつきまといます。

 ですが、「Xperia X Performance」では、その待たされる時間が大幅に短縮されていて、1枚撮って、また1枚と、おもしろいほどサクサクと写真が撮れていきます。

 さらに、被写体の動きを予測する「先読みオートフォーカス」の手助けが効いていて、被写体を捉えるとずっとフォーカスを追いかけ続けてくれます。

 早い動きモノだと、せっかくピントをあわせたのに、シャッターをきるときに移動していて撮れた写真がボケてたなんてこともザラだったのですが、追従しつづけてくれるのでこれはおそろしく便利です。

 もう、いつも持っているスマホだからこそ、撮りたいと思った瞬間に撮りたいけれど、起動が遅くて間に合わないとか(被写体の動いて)、ブレたりするからもういいかと諦めることが多かったのですが、まさかここまで快適になるとはと思うくらいの進化っぷりに感動してしまいました。

 フロントカメラも、おもいっきり進化していました。センサーサイズが、1/5型500万画素センサーから、1/3型1300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」へと大きくなっていたり、6枚構成のF2.0レンズと完全に新規に。

 感度も上限ISO3200からISO6400と上がり、解像度を保ちつつノイズ軽減してくれる「mulchshot NR」や、自撮りする時はカメラ目線に近いところにカウントダウン表示するといった具合に充実のセルフィー機能です。

 実は、よくなったところばかりではなくて、今回カメラ機能では4K動画撮影がなくなってしまっていました。

 おそらく4K動画撮影機能はあまり使われる機会が少ないわりに、どちらかというとプロセッサーが高熱化して長時間撮影できるかできないかとか、撮ってもストレージを消費しすぎたりと、ネガティブな要素でしかなかったせいかもしれません。

 ですが、純正のカメラアプリでなくなってしまっているだけで、これはどうやら別のカメラアプリを入れると使えてしまったりするようです。

「ながら作業」向けのスモールアプリが当然の廃止
オーディオ機能は若干の機能向上がみられる

 それよりも個人的に残念なのが、「スモールアプリ」がバッサリとなくなっていることです。せっかく複数アプリが開けることで「ながら使い」で便利だったのに! と思いましたが、これはもしかすると、次バージョンのOS(Android N)で、マルチウインドウが使えるということもあっての判断なのかもしれません。  そうは言っても、まだまだ利用価値が大きいだけに「スモールアプリ」は使えるようにしておいて欲しかったですね。

 オーディオ機能は、ハイレゾオーディオ音源の再生できて、プラス周囲の騒音を感知して騒音を最大約98%低減するデジタルノイズキャンセリング機能を組み合わせることができるというのは、Xperia Z5シリーズと同様に便利なところです。

 変わってなさそうですが、ノイズリダクションのノイズ除去効率がよくなっているようです。ほかにも、サウンド処理が16ビットから24ビットにアップしていたり、マイク位置を中央位置へ変更したりといった改善された部分もあります。

 Bluetooth接続では、SBCの最大約3倍のデータを転送できる「LDAC」にも対応して、ワイヤレスでも高音質を楽しめるのも健在で、もうすっかり身近なオーディオプレーヤーとしてかなり重宝するようになりました。

実は結構イケてるXperia X Performance
スマホ以外の「Xperia」も楽しみ

左からXperia Z5 Compact、Xperia X Performance、Xperia Z5、Xperia Z5 Premium

 こうしてみると、いままでと変わってなさそな「Xperia X Performance」ですが、実際に手にして使ってみていると質感含めてなかなかいいじゃないかと思えてきます。

 また、歴代Xperiaを使っている身としては、この快適さはかなりの心地よさというか、地味ながらもひとつひとつを改善して、スマホとして快適に使えるという大前提をクリアしてきているのがわかります。

 個人的に、カメラはいつもデジタル一眼カメラを持ち歩くことが多く、撮った後にNFCでXperiaに転送という使い方が気に入っていたので、Xperiaのカメラの出番はもともと少なかったのですが、「すぐポケットから出して撮れるというアドバンテージ」がX Performanceに生まれたことで、使えるシーンがかなり増えそうです。

 「Xperia X Performance」がコア(中心)となって、近々出てくるであろう「Xperia Ear」をはじめとするXperiaスマートプロダクトと連携した楽しさが加わっていきそうで、これからも楽しみです。

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