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LTE SIMが入るビジネスPC「VersaPro UltraLiteタイプVB」がよさげ

2016年06月05日 12時00分更新

文● 南田ゴウ

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 出先で作業する際はモバイルノートの出番ですが、通信環境がない場合は回線の確保が悩みモノ。公衆無線LANがない場合はモバイルルーターかスマホのテザリング機能を利用するのが一般的ですが、いちいちルーターをいっしょに持ち運ぶのもめんどうです。別通信契約のコストもかかりますしね。

 筆者はモバイルでの利便性という面では、単体で通信に対応するモバイルノートがベストだと思うのですが、LTE SIMが直接挿せるモバイルノートはパナソニックの「レッツノートRZ5」や「VAIO S11」など数が少ないのが困りもの。

NECのLTE SIM対応ビジネス向けモバイルノート「VersaPro UltraLiteタイプVB」

 そこで注目したいのが、2016年5月に発表されたNECのビジネス向けモバイルノート「VersaPro UltraLiteタイプVB」の「VK245/B-R」モデル。構成オプションでLTE対応のワイヤレスWANモジュール(+4万4000円)が選択できるこのノート、対応バンドは以下の通りでNTTドコモ通信網の接続を確認済み。つまり、ドコモの通信網を利用する数多くのMVNO各社の格安SIMが利用できます。

  • ■対応バンド■
  • 【3G】バンド1/6/19
  • 【LTE】バンド1/3/19/21

ドコモ通信網を使う各社のLTE SIMを直接挿せる

 格安SIMはデータ専用SIMを利用するとして、いわゆる「0円SIM」などを導入すれば月の運用コストはゼロ。たまに出先でメールをチェックするだけなら十分実用的ではないでしょうか。翌月にパケット繰り越しが可能な格安SIMでの運用も便利そう。

APNの設定ユーティリティーを用意

 他にもLTE SIM対応のモバイルノートがある中で今回「VersaPro UltraLiteタイプVB」に注目したのは、単にLTEのSIMフリー対応のノートだからというだけではありません。インターフェースはUSB 3.0×3に加えてミニDisplayPortとHDMI出力を搭載。USB 3.0のうち1基はパワーオフ充電にも対応。本体内蔵のサブバッテリーを選択すると、電源オンの状態でバッテリーを交換可能なのが超便利。

Mバッテリーとサブバッテリーのセットは税別+2万23000円。Lバッテリー+サブバッテリーのセットは+2万7000円。Lバッテリー利用時は本体が傾斜する

 ビジネスホテルでも役立つ有線LANポートの搭載もポイントのひとつ。古めのビジネスホテルは部屋に有線LANしかないことも多く、有線LANポートがあれば無線LANコンバーターは不要です。

有線LANポートを搭載。USB3.0×3に加えてHDMI、miniDisplayPortも用意されており、ふだん使いで困ることはなさそう

 LTE対応のワイヤレスWAMモジュールが選択できる「VK245/B-R」の構成は指紋認証も搭載しており、内蔵のセキュリティーチップによりセキュリティーは万全。さらにセキュリティーを高めたい場合は、ストレージに暗号化機能付きSSD(256GB、+6万6000円)を選択するのもよさそう。

指紋認証はキーボードの右側に搭載される

 つらつらと注目点を書いてきましたが、筆者がいちばん気に入った点はキーボードのタッチです。キーは少々小さめですが、過去の「VersaPro」シリーズや「LaVie J」同様、カッチリとした打鍵感があり打鍵中に本体のたわみを感じることもありません。特にノートPCをヒザに乗せての操作時にはこの剛性感は非常に頼もしく、キーストロークは浅めながらストレスなく長文が入力できます。

カッチリした打鍵感が魅力のキーボード。エンターキーやtabキーのサイズも確保されており、文字入力のほか表計算入力もしやすそう

Fnキー+スペースでパッドをオンオフ可能。キートップと上面はツライチになっている

左はデルの「XPS 13 Graphic Pro」。エンターキーやバックスペースキーのサイズ差に注目

 高負荷時にはWASDキーの直下あたりが少々熱を持ちますが、膝上作業でも気にならないレベル。入力中に本体やキーボードのたわみを感じるモバイルノートも多いだけに、これだけを「VersaPro UltraLiteタイプVB」を選びたい理由に挙げたいほど。

本体は180度展開可能

 「VersaPro UltraLiteタイプVB」は企業導入を見据えたビジネスノートということで、OSの選択肢が多いのも魅力的。Windows 10はもちろん、使い慣れたPro版のWindows 7をチョイスできます(10のライセンスダウングレード)。Windows 7は32bit版、64bit版とも選択できるのもナイス。このほか防滴構造や耐荷重250kgf、耐落下やHDD部のクッション構造など、モバイル運用で安心の仕様という点も魅力的。

 とはいえ、弱点がないわけではありません。なんとも質実剛健な外観は好みが分かれるところですし、12.5型のフルHD解像度液晶は、WQHDや4K解像度も珍しくない今となっては狭く感じます。筆者は現在13.3型WQHD解像度液晶のデル「XPS 13 Graphic Pro」を愛用中ですが、さすがにマルチウインドーでの作業性はこちらが上。

 企業向けということもあり構成オプション(いわゆるBTO)のパーツ価格は高めで、タフネス仕様ということもあってか、Mバッテリー搭載時の重量も約1.24kgと12.5型モバイルノートとしては軽い部類には入りません。

12.5型液晶はフルHD解像度でタッチ非対応。最新ノートとしては狭く感じる

 CPUにインテルCore i5-6300U(2.4GHz)を採用する「VK245/B-R」のフレーム価格は税抜き17万1000円~17万2000円。これにストレージやメモリー容量、オフィスアプリアプリの有無など構成オプションぶんが上乗せされます。

 SOHO向けや個人ユーザーの場合は、ほぼ同じの構成の「VersaPro J UltraLite タイプVB」がオススメ。優れたキータッチ&タフネス仕様に加えてLTE対応のSIMフリー機ということで、会社支給のPCを申請する際はぜひ候補に入れたい製品です。

ACアダプターのケーブル込みの実測重量は約226g


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