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電源線と信号線を分離したデュアル構造を採用

クリプトン、特許技術搭載のハイレゾ向けUSBケーブルを発表

2016年05月26日 21時45分更新

文● 小林 編集●ASCII

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 クリプトンは5月26日、USBケーブルの新製品「UC-HRP」シリーズを発表した。“パフォーマンスHRPシリーズ”を標榜し、既発売のリファレンスHRシリーズよりも安価で、高音質が得られる点を訴求している。

新製品のパフォーマンスHRPシリーズとリファレンスHRシリーズ

 リファレスHRシリーズは長さ1mの「UC-HR1.0」でも4万5360円という高級モデルだが、これと構造や基本的な考え方は同じにして、1/5程度の価格にした。

 端子がUSB A/Bの製品はケーブルの長さ(1m~3m)に応じて4種類で価格は8640円から。ポータブルDACとの組み合わせを想定したMicro-USBショートケーブル(長さ15cm)もあり、価格は7020円。発売は6月下旬。

ポータブルDACなどにも適しているMicro-USBケーブル

電源線と信号線を分け、取り回しもしやすいケーブル

 最大の特徴は、デュアル構造を採用している点だ。一つのコネクターに単独シールドした信号線と電源線をつなぐ特許技術を採用している。また上位モデルのセパレーターや、メッシュ被覆などについても関連特許を取得しているという。

 規格通りに作られたUSBケーブルでは、電源線と信号線をひとまとめにした状態でシールドする(これを同社はシングル構造と呼ぶ)が、デュアル構造では、信号伝送に使用する線と、電源供給用の線を分けて、個別にシールドしている。電源線は5Vの矩形波が流れるため、より低い電圧の信号が流れる信号線と干渉する場合がある。これをなるべく分離することで、より正確に信号を伝達できるという考え方だ。

USBケーブルのアイパターン特性を示しながら、技術開発する渡邉氏。線が太くなるほどズレが生じていることになる。

 開発に際しては、アイパターン特性に注目。アイパターンとは、信号波形の遷移を何度もサンプリングし、それを重ね合わせたグラフのこと。波形のタイミングや電圧が揃った高い品質の波形であれば、線がピッタリと重なる。逆にこれらが揃わず太い線になっている場合は品質が悪く、ジッター(時間軸方向の不正確さ)が多く生じていることになる。

左上がデュアル構造を採用したUSBケーブル(1.0m)、左下・右下は同じケーブルだが長い。右上は例として示された、よくないUSBケーブルの計測結果。

 一般的なUSBケーブルでは、信号伝送時の不要輻射が外部に漏れないようにすることだけに配慮した構造であり、電源線と信号線の干渉についてはあまり考慮されていない。データの正確性については、エラー訂正技術で補えるためだ。

 UC-HRPシリーズでは、このデュアル構造の考え方に基づく一方で、上位モデルからセパレーターや、ナイロンを編みこんで作ったシースを省略するなどしてコストダウンしている。線材は銀メッキの無酸素銅(OFC)、シールド部分は同じく銀メッキを施した軟銅線。電源線と信号線の太さを変え、音質調整している。

 上位モデルに比べるとケーブルはかなり細身。これは今回、ポータブル機器向けにMicro-USB端子を備えたケーブルを同時リリースすることと関係している。

金メッキしたコネクターや銀メッキしたケーブル・シールドを使用している。

 一方コネクター部分には、24金メッキの国産パーツを確保。海外製ではコストを下げるために、皮膜が薄いフラッシュ処理の場合も多いが、よりしっかりとした嵌合率(かみ合わせ)が得られる。USBケーブルのインピーダンスは90Ωと決められているが、接触が悪いと、インピーダンス特性の変化や電圧マージンの低下、飛び込みノイズの増加などデメリットが出てくる。

 なお、USBケーブルは長くなればなるほど、アイパターンの特性が悪くなるが、5m程度まで安定した性能を得られるという。逆に短くしすぎると反射で特性が落ちるので、50cm程度が最適とのことだが、15cmのショートケーブルでも十分な性能が得られる工夫をしているとのこと。

 発表会ではTEAC UD301とPCを接続し、スピーカー(KRIPTON KX5P)を再生するデモも実施。市販のシングルUSBケーブル(価格帯が近い人気製品)と、今回の新製品、そして上位製品で、音源(至高のコンサートグランド ファツィオーリ F278/ドビュッシー&シューマン:ピアノ作品集から「月の光」>)を聴いた。

 カテーナが、ファツィオーリ F278というイタリア製で現代最高峰のピアノを使い、ウンベルティーデの聖クローチェ美術館で収録したもの。秀逸な場の響きが聴きどころのひとつだという。

 ケーブルを変えることで、確かに残響などの表現が変わる。最初USBケーブルではオーディオから鳴っている音という印象であったが、S/N感があがり、響きの中にあるピアノ特有のうなりが表現され、より実在の音に近づく感覚が味わえた。ハイエンドケーブルになるとさらに、高域が伸び、和音によって生じる倍音などがより明確に聞こえてくる。グリッサンド一つ聞いても、こんな風に弾いているのだろうなと、想像できる情報量の豊富さがあった。

冒頭では濱田社長があいさつ。業務用機器としてエビデンスが取れるものを作ることをクリプトンとしては重視しており、USBケーブルもアクセサリーとしては珍しい特許を獲得。コンストラクションの改善で効果が出ることを示しているとした。

 クリプトンとしては、理論の裏付けと試聴を重ねた音決めの2点にこだわっており、それが特許取得にもつながったとしている。価格的にも高級USBケーブルとしては手ごろで、USBケーブルで音が本当に音が変わるのかと疑問を持っている人が試すにも適しているのではないだろうか。

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