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豊富な最新技術デモも、開発者向けイベント「de:code 2016」基調講演

MSナデラCEOが語る、3つの注力プラットフォームと「もう1つ」

2016年05月25日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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もう1つの新たな注力プラットフォームは「コンピューターとの会話」

 さて、ナデラ氏が語った「3つの注力プラットフォーム」は上記のとおりだが、今回の講演とデモでは、至る所でもう1つ別の“新たな注力プラットフォーム”の存在が見え隠れしていた。人工知能、特に音声認識/自然言語理解のテクノロジーを提供する「会話のためのプラットフォーム」だ。

 MSではすでに、Windows 10に音声を認識して自然言語を理解するパーソナルアシスタントの「コルタナ」を搭載しているほか、チャットボットとして「りんな」もリリースしている。ナデラ氏は、「『Conversation as a Platform』という新たなプラットフォームが構築されようとしている」と語った。

チャットボット「りんな」のデモも披露された。ネットスラングや絵文字を使いこなし、ユーザーの写真にも的確に反応する

 「人間の持つ最も強力なインタフェースは『言語』であり、人間どうしは言語でコミュニケーションしている。では、アプリケーションが人間の言語を理解したら、さらには対話の中でコンテキスト(文脈)まで理解できたら、どんな変化が起きるだろうか」(ナデラ氏)

 ナデラ氏はその問いの答えとして、アプリケーションのほうから人間に歩み寄り、「コンピューターに対するアクセスをより民主化する」世界が実現すると語った。そうした人間との対話能力を組み込んだサービス、アプリケーションを容易に開発できるように、「開発者の皆さんにリッチで、オープンなボットのフレームワークを展開したいと考えている」と述べている。

この画面では、パーソナルアシスタント「コルタナ」が、ホテルの予約受付ボットにユーザーの宿泊スケジュールを伝えている。将来はこうした「ボット同士の会話」も増えるのか

 なおMSでは、そのほかのコグニティブ(人工知能による認知)テクノロジーもサービス化し、Azure上で提供している。コグニティブテクノロジーのAPIは現在22ある。

 「MSが開発者の皆さんを支援する方法は2つある。新たなテクノロジーへの橋渡しをすること、そしてビジネスの側面で、われわれのグローバルリーチを使ってGo To Market戦略をお手伝いすることだ。MSが提供するプラットフォームを使って、新しい世界を皆さんと共に作っていきたい」(グッゲンハイマー氏)

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