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「ライオン社長になれ」アパホテル社長も光臨 Slush Asia

2016年05月17日 07時00分更新

文● ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 フィンランドで毎年開催されている世界最大級のスタートアップの祭典が“Slush Asia”として、2016年5月13日、14日に千葉の幕張メッセで開催された。今年で2回目となるこのイベントは昨年、お台場の港に白いテントをいくつも設置し「これが海外のスタートアップイベントか」と感動させたもの。

 今年は一転してメッセのホールながら、やはり演出が普通じゃない。会場内は暗い照明にスモークを炊かれ、ステージではカクテル光線が飛びかうという、クラブイベントのような抜群の雰囲気だった。

 海外のイベントだけに講演やプレゼンなど全編英語で行なわれる。企業のピッチもすべて英語で実施している。

 “腕を振ると魔法が放てる”ウェアラブル機器とヘッドマウントディスプレーで実現するテクノスポーツ『HADO』を展開する、meleapの福田浩士CEO。もともとサービスどおりカラダ全体を大きく使って感情を前面に出すプレゼンが魅力だが、英語だとさらに迫力を感じ、会場を沸かせていた。実際、ピッチに出場した60社のプレゼンの中から5社しか残れない決勝に進出し、PR TIMES賞に選ばれていた。

アパホテル社長「ライオン社長になれ」

 スタートアップ、ベンチャー企業や支援する大手企業のブースが並ぶ中、人工知能を開発するnextremer(ネクストリーマー)のブースでは、アパホテルの元谷社長をモチーフにした、対話型ホテル受付ボット『MINARAI』を展示。ホテルフロントの受付業務を人工知能のボットに任せようというシステムを、実現可能性を含めて共同開発中だ。詳しいシステムについては下記の記事で。ブースでは13日にアパホテル元谷芙美子社長が、ベンチャー企業らの前で記者会見を行なった。

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Slush Asia

 会見では将来の受付ロボット導入についてや、アメリカ、ニューヨーク進出などに触れる中、企業にとって大事なモノは何かという質問に答えていた。「100匹のライオンを束ねるヒツジの組織よりも、100匹のヒツジを率いるライオンの組織のほうが強い。それだけ社長は重要で、会社は社長で決まる」と力説。社長がライオンであれば、ヒツジはライオンになっていくと。これには集まった起業家や学生、関係者らも大きく深くうなづいていた。

高島市長も訪れた福岡ブース

 会場でもひときわ大きなブースを展開していたのが、スタートアップシティー福岡のブース。福岡のスタートアップの取り組みの展示や、スタートアップ企業のブースが並んだ。福岡はフィンランドのヘルシンキと姉妹都市でもあり、直行便でも結ばれている。アジアに近い位置にある福岡だが、世界的にも大きいスタートアップイベントSlushを開催するフィンランドとも近しい関係にある。

 13日には福岡のスタートアップシーンをけん引する高島市長が会場に訪れて、スタートアップのブースを回っていた。『YAMAP』は圏外でも使える登山、アウトドア用地図アプリで、福岡発のスタートアップ企業セフリが開発。高島市長は、ブースでセフリの春山慶彦社長に次のビジネスについての話をするなど、積極的に交流していた。その姿には、福岡市の自治体としてのコミット力の盛り上がり、魅力が感じられた。

 また福岡にはスタートアップビザという、日本で起業を目指す外国人のために在留資格の緩和などを行なう制度がある。その制度を利用しているのが会場でプレゼンをしていた『ikkai』だ。ikkaiは専門的なスキルを利用を前提としないような仕事を頼みたい人と、学生を結び付けるサービス。家事代行やクリーニングの受け取り、ペットの世話などを登録した学生に頼むことが可能。現在は福岡市内でベータサービスを行なっていて、今後の正式サービスインを目指す。

ikkai トーマス・ポプラン共同設立者

モジュール接続で機能を選べるIoTモニター

 ハードウェアではスカイディスクのIoT向けセンサーデバイス『GINGA』がおもしろかった。卓上スピーカーのような白い外観のデバイス、ひとつの基盤に3つのセンサーモジュールを差し込むことで組み合わせて利用できる。

 着脱できるセンサーモジュールは音、赤外線、三軸加速度、湿度、ジャイロ、気圧、GPSなどなど14種類あり、農業のモニタリング、高齢者の見守りなど用途に合わせて自由に変化するハードウェアだ。本格的なサービス開始はこれからだが、すでにオフィスの環境測定や農業などで導入例もあるという。

 そのほかコンシューマー向けではJellyWare(ジェリーウェア)の『wordee』は、今夏にIndiegogoでクラウドファンディングを予定しているハードウェアガジェット。マウスのように動くロボット型のガジェットを、専用の蓄光マットの上で操作すると軌道上に文字やイラストが描くことができる。

 描けるものはスマホアプリから変更できる。アプリでは“きつね”の絵と、ひらがな、漢字、英語と表示があり、選択するとそれぞれの言葉が軌道で描けて、子供向けの教育玩具のように使える。蓄光マットとのセット販売が予定されており、かわいらしい外見と子どもがよろこびそうなギミックは、十分に玩具として通用しそうなクオリティーだった。

 今年はハードウェアスタートアップの出展が少なかったのが残念だったが、2日間で日本のスタートアップシーンに世界の潮流が刻まれた。またイベントのスタッフはボランティアの大学生が務めており、この”起業がかっこいいという雰囲気に飲まれるイベント”から、新たな起業家が生まれることにも期待したい。

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