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Galaxy S7 edgeは本当に死角ナシ? サムスン開発者を直撃

2016年05月10日 16時00分更新

文● 山根康宏ACCN

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 さて、いよいよ日本発売も決まりましたサムスンの「Galaxy S7 edge」。すでに販売されている海外では歴代Galaxyの中でも特に高い評価を受けています。

性能だけでなく、デザインにもこだわって開発

 成熟した感のあるスマホ市場、各社のアプローチは“新しい体験”を提供する方向へシフトしており、それはサムスンも例外ではありません。

Gear VRとの組み合わせで新しい体験をアピール

 しかし、Galaxy S7 edgeの成功はキホンに戻り、とことん“実用性”を重視した部分も大きいように思います。

 Galaxy S7 edgeの魅力については海外版を先行してレビューしてまいりましたが、日本のユーザーとして気になることもたくさんありますよね。というわけで、お馴染み山根博士と一緒に“つまみ出される覚悟”で韓国サムスン本社へ突撃し、いろいろと伺ってまいりましたよ。

デュアルSIM版は出る? 4G+4G、4G+3Gの同時待受けは可能?

 夏にはLINE SIMの登場も控えていますし、日本のユーザーとしては気になるところではないでしょうか? 何がって、デュアルSIM端末の動向です。現在、日本で販売されているデュアルSIM端末は一方が2G(GSM)のため同時待受けはできません。Galaxyシリーズは(S7しかり)、海外ではデュアルSIM仕様の製品も出ています。果たして日本へのデュアルSIM投入はあるでしょうか? また、夢の4G+4G、4G+3G同時待受け端末の製品化はあるのでしょうか?

フツーの方は遠慮するようなマニアックな質問にも笑顔で答えてくれた韓国サムスン、グローバル商品企画グループ次長、ソ・ジン氏。「よく使う機能を最大の完成度にすべく重点を置いて開発した」と話す

 「デュアルSIM端末のニーズは常にマーケットリサーチを行ない、それを求める国向けに投入しています。もちろんリサーチ対象国には日本も入っております。デュアルSIM版については、その国での需要をよく考えたうえでの投入となります。4Gと4G、あるいは4Gと3Gの同時待受けのニーズがあることも認知しています。今後、しかるべきタイミングで対応できるように検討していきます」

 日本と韓国ではGSMの電波が無いため、LTEとLTE、またはLTEとW-CDMAの同時待受けに対しての消費者からの声は少なからずあるのでしょう。LTEとGSMの同時待受け端末はすでに日本でも販売されていますが、利用するメリットはほとんどありません。ここはサムスンに「4Gと3Gのデュアル待ち受けを希望」という声を伝えていくことが大切かと思いますが、いかがでしょう皆さん。

USB Type-C見送りとマイクロSD復活のワケ

 Galaxy S7 edgeの外部コネクターはマイクロUSBです。近ごろ各社のフラッグシップはUSB Type-Cの採用が進んでいます。Galaxy S7 edgeは、あえてマイクロUSBにした理由があるのでしょうか? また、マイクロSDカードスロットが復活していますが、この辺の決定に至るプロセスも気になります。

Type-C採用は見送られたものの、マイクロSDカード復活は嬉しい人も多いのでは?

 「もちろん、Type-C採用も検討しました。一番大事なのは、お客さまに不自由なくスマートフォンを使ってもらうこと。Type-C採用は技術面で多くのメリットがありますが、現在、市場に出ている周辺機器との互換性を考えると、主流は断然マイクロUSBです。マイクロSDカードの復活も同じことで、ユーザーメリットを考えたうえです。Galaxy S6とS6 edgeでマイクロSDカードを廃したのは技術的な制約ではなく(ストレージを一元的に扱えるという)ユーザービリティーを考慮した結果でした。しかし同シリーズの発売後、ユーザーからマイクロSDカードを使いたいという声を多くいただきました。Galaxy S7 edgeは電池カバーを外せないことから、ナノSIMカードと一体型のトレイにマイクロSDカードを装着できるようにしています」

 USB Type-Cについては市場シェア次第でしょう。同社のGear VRとの互換性も重視されているはずですし、当面は見送られるかもしれませんね。

おサイフ搭載は大変? ピンクモデルの展開は?

 ところで日本向けGalaxy S7 edgeにはおサイフ機能が搭載されています。他国でもハード面でローカライズが行なわれているケースがあります。投入する国ごとに設計を細かくやり直しているとすれば、他社とは随分と異なる姿勢と思われますが。

 「ハードウェアのローカライズは初期の企画段階で議論に盛り込んであります。つまり、この国にはこんなハードの対応が必要だということをベースモデルの設計に組み入れてあります。日本向けのモデルにおサイフ機能が必要だからといって、そのために設計をし直すようなことはしておりません」

 無理矢理搭載しているわけではないのですね(当然か)。そういえば、MWC2016での発表時、Galaxy S7 edgeの本体カラーは3色でした。2016年4月からピンク(Pink Gold)も加わり、各国で順次発売になっていますよね。ナゼ、この色は追加となったのでしょうか?

 「商品企画の時点では、まず基本となる色を何色か決め、その色でグローバルローンチします。ですが、これもユーザーの意見を聞きながら、求められる色があれば後から追加することを柔軟に考えており、これまでもやってまいりました」

追加されたピンクゴールド。上品な色合いが女性ユーザーの心をつかみそう

スゴイとウワサのカメラはどんだけスゴイ?

 Galaxy S7 edgeの機能で見逃せないのが超スーパーなカメラ。Galaxy S6/S6 edgeの1600万画素から、1200万画素へと画素数は落としたものの、F値が1.9から1.7へと明るく、さらにデュアルピクセルセンサーの搭載でより高画質に、暗いシーンでの撮影にも強くなっています。

Galaxy S7 edgeのカメラについて説明してくれたカメラ開発グループのキム・ミョンウォン次席(左)とカン・ビョングォン次席(右)

 「デュアルピクセルセンサーは従来よりも多くの情報を一度に処理しますから、CPUパフォーマンスが必要です。室内など暗いエリアでの画質が向上しただけではなく、スマートフォンのカメラの使い道として料理の写真撮影の利用頻度が増えているというグローバルトレンドがあります。SNSで公開するためですね。そのため、料理がおいしく見えるような絵づくりもしました」

※以下、最近S7 edgeのマイクロSDカードとACCNと胃袋に収まることになった料理の品々(要するに作例)です。

 つまりGalaxy S7 edgeを使えば「メシウマ」「メシテロ」写真もより手軽に撮れるというわけですね。もちろん、Galaxy S6シリーズからのホームボタンのダブルプッシュによるカメラ起動も継承。Galaxy S7 edgeは「究極のカメラスマートフォン」と呼んでもいいかもしれません。

 しかし、ここまでカメラの画質が高まると、カメラメーカーのコンデジの性能をはるかに超えてしまっています。そういえば、最近は大手カメラメーカーとコラボするスマートフォンメーカーも増えていますね。Galaxyシリーズのカメラにもそのような動きはあるのでしょうか?

 「カメラメーカーやカメラブランドとのコラボレーションはスマートフォンのカメラ機能の進化において、トレンドのひとつになっていると思います。我々としてはコラボレーションについて柔軟な考えをもっています。必要があれば対応することもあるでしょう。たとえばマーケティング面からのコラボレーションと言うのもあるかもしれませんね」

 さて、Galaxy S7 edgeには様々なアクセサリーが用意されていますが、中でも気になるのがカメラレンズカバー(参考記事)。望遠とワイドのレンズを状況に応じて取り付けることができます。Galaxy S7 edgeを買ったら、ぜひとも入手したいアイテムのひとつ。Galaxyシリーズのカメラ周りはいろいろと楽しくなりそうです。

 「現在、弊社の端末開発部門は元カメラ部門が一緒になりました。それもあって端末のカメラ開発にも厚みが増しました。カメラ部門の開発者はカメラを使う消費者ニーズをよく掴んでいますから、その声をスマートフォンにも反映できるわけです。またレンズカバーのような商品もアクセサリ開発部門と一緒になって今後強化していきたいと思います。その気になれば、360度カメラをスマートフォン本体に組み込む、なんてこともいずれできるかもしれません。もちろんニーズがあっての話ですが、スマートフォン本体だけではなくカメラ部分の機能強化についてもぜひ期待してください」

日本での発売もぜひお願いしたいカメラレンズカバー。望遠とワイド写真を手軽に撮影できる

 今年No.1の端末との呼び声も高いGalaxy S7 edge。ドコモがiPhoneを売り始めてからGalaxyの注目度はあまり高くありませんでしたが、世界で認められた文句ナシのフラッグシップ端末に、ぜひ店頭で触れてみていただきたく思います。

韓国の量販店はS7用純正アクセサリーでいっぱい。日本でも、ひとつでも多く発売してほしいところ

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