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ドコモが2015年度決算発表、増収増益で営業利益は2割増

2016年04月28日 20時30分更新

文● 小山安博 編集●南田ゴウ

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 NTTドコモは4月28日、2015年度3月期決算を発表した。売上高に当たる営業収益は対前年比3.3%増の4兆5270億8400万円、営業利益は同22.5%増の7830億2400万円で増収増益。

 ドコモの加藤薫社長は「スマートライフ領域の利益が増加し、新料金プランを基盤としたモバイル通信事業も回復。コスト効率化も計画以上に進んだ」と好調な決算を振り返った。2016年度は、営業収益が4兆6200億円、営業利益を9100億円と見込んでいる。

NTTドコモの加藤薫社長
2015年度の決算概況

 前年に比べて営業収益、営業利益ともに1000億円規模で拡大したことに加え、コスト効率化などの効果で営業費用が同3億円減と減少したことも利益拡大につながった。純利益も1383億円の増加で「NOTTV」終息にともなう減損処理も含んでおり、好調な決算となった。

いずれの財務指標も順調だった

 本業の通信事業は、営業収益が同1%増の3兆6898億円、営業利益が同11.4%増の7089億円だった。コンテンツなどのスマートライフ事業は営業収益が同13.7%増の5041億円、営業利益が488億円増加して465億円となり、黒字転換した。IoT関連を含むその他の事業は営業収益が同14.6%増の3593億円、営業利益が同414.4%増の277億円。

セグメント別の業績営業利益の要因

 通信事業の利益増は728億円で、スマートライフ事業とその他の事業を合わせたスマートライフ領域も712億円の増加となっており、営業利益の拡大に通信事業と同等の貢献を果たした形だ。

 「月々サポート」の額をコントロールし、月々サポートに頼らない割引サービスを提供することで、全体として月々サポートの影響を774億円まで削減。スマホなどの販売収入は436億円減少して費用も54億円増加したが、ネットワーク関連費用で191億円削減するなどコスト効率化が功を奏し、全体の営業費用は3億円減を達成。利益を押し上げた。

 通信事業では、純増数、MNPともに数字が改善。解約率はほぼ横ばいながら、0.62%と低いレベルを維持した。端末販売数も増加しているが、ドコモでは、高額なキャッシュバックが廃止されることによる3月末の駆け込み需要の影響もあったとみている。

通信事業の各指標

 収益改善に大きく寄与したのが新料金プラン。約2年前にスタートした当初は、音声利用の多いユーザーが大量に移行したことで通期予想を下方修正する事態に陥った。加藤社長によれば、当初移行するユーザーを50万人程度と見積もっていたが、開始月の2014年6月だけで470万人が移行。しかもデータの低容量プランを選択するユーザーが7割を超え、ことごとく予想が裏切られる結果となった。

新料金プランの動向新たな料金施策も展開

 もともと、音声定額プランは当初は減益要因になり、その後回復することが見込まれていたが、予測を上回る速度で一気に減益したことで、2014年度の苦しい決算となった。2015年度は回復基調となり、データプランも低容量では足りないとして上位プランに移行するユーザーも増えた結果、収益改善につながった。

「ドコモ光」によりモバイル事業にも好影響が継続ARPU、MOUも回復基調が継続している

 スマートライフ領域は当初計画の利益700億円を上回る787億円を達成。そのうちコンテンツサービスが3割、あんしん系サポート事業が3割を占めて好調。「dマーケット」が着実に拡大し、「dカード」や「dポイント」も順調。「オークローンマーケティング」「ABCクッキング」「ドコモヘルスケア」といったグループ会社も成長に貢献した。

スマートライフ領域は大幅な伸び「dマーケット」の契約数は拡大
1人あたりの利用料も順調に伸びた「dカード」や「dポイント」も拡大
グループ各社も利益に寄与他社とのコラボレーション事業である「+d」も拡大している

 設備投資は同10.1%減の5952億円に削減し、6000億円を下回った。それでもLTE基地局数は計画の13万局を上回る13万8100局、「PREMIUM 4G」対応基地局は同1万8000局を超える2万2800局を達成した。

 6月には新たに3.5GHz帯の周波数帯を利用したキャリアアグリゲーション(CA)によって370Mbpsの通信速度を達成する計画。さらに3CAによる国内最速となる375Mbpsの通信速度を実現する見込みだ。

LTEネットワークは計画を上回る進捗それにも関わらずコスト効率化は拡大した

 加藤社長が繰り返しアピールしたのがコスト効率化で、当初計画の2200億円自体も「チャレンジだった」(加藤社長)が、さらに200億円を積み増して14年度からの2年間で3600億円のコスト効率化を実現した。「聖域なくコスト削減に取り組んだ結果」と加藤社長は自賛する。

 2016年度の業績予想では、営業収益が同929億円増の4兆6200億円、営業利益が同1270億円増の9100億円を見込む。今年度から、同社は減価償却方法を定率法から定額法に変更するため利益が増加した。この変更の影響を除いた営業利益は8600億円となるが、いずれにしても増収増益を見込んでいる。

2016年度の通期予想営業利益は償却方法変更の影響を除いても大幅な成長を目指す

 総務省のガイドラインによる端末販売への影響も懸念されるが、同社では販売台数を142万減と見ている。ただ、もともと買い替えサイクルが長期化しており、必要な端末を必要なときに購入するというユーザー動向から、極端な影響はないという判断だ。とはいえ、端末販売が今後大きく伸びる要素もなく、端末販売は伸び悩みそうだ。

 4月以降、ガイドラインに基づく行政指導を受けたドコモだが、それに対する改善は4月中に実施して「今日ぐらいからは変わっていると認識している」(加藤社長)

 加藤社長は、通信事業の利益改善を継続させていくほか、スマートライフ領域をさらに拡大していきたい意向で、2016年度の通期予想の達成を目指していく。また、コスト効率化はさらに継続。「(業績が)回復しているので、人心がゆるむのがいちばん怖い」として、社内・グループ会社などを含め、コスト削減努力を継続していく考えを示している。

 これにより、2017年度までの中期経営目標を1年前倒し、2016年度中に達成することが目標だ。

中期経営目標の前倒しを達成する目標

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