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[SEO] アンカーテキスト最適化 ベストプラクティスの歴史(2000~2016)

文●渡辺隆広/SEMリサーチ

2016年04月26日 11時03分更新

記事提供:SEMリサーチ

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一般的に SEO の技術的な、細部の最適化施策にまつわる情報というのは陳腐化も早く、1年前に公開された記事が役に立たないことは少なくありません。変化があった場合、それを著者が適切にアップデートして、常に最新情報を維持してくれていればいいのですが、そういった細やかな配慮をしているウェブサイトは少数派だと思います。私は短期的に価値が失われそうなテクニカルな話題は極力扱わないという方針にしていますが、ネット上にはさまざまな新旧の SEO 情報が残されたままです。

ある程度 SEO の知識を有する人であれば、見つけた情報の現時点の有効性を判断できるかもしれませんが、それができない SEO の初心者がネットで集めた SEO 情報で勉強を進めるのは危険がつきまといます。

そんなわけで、私の頭のなかの情報整理もかねて、「あれって、いまどうなったんだっけ?」といった小ネタをいくつか取り上げていきたいと思います。今回は「アンカーテキストの一致率」について取り上げます。私が記憶している限りの歴史についても触れておきますので、俯瞰的に理解されたい方の参考になれば幸いです。

アンカーテキスト最適化と SEO の話

たとえば、サイト www.example.com をキーワード「クレジットカード」で検索順位を上げたい場合、アンカーテキストにそのキーワードを記述して目標の www.example.com に向けてリンクを張ります。

<a href="http://www.example.com">クレジットカード</a>

特に上記のように完全一致のキーワードをリンクテキストとした外部からのリンクを集めることで、同キーワードの自然検索順位の改善につなげることができます。

ところで、仮に外部から 500本のリンクを www.example.com に向けて張る場合、アンカーテキスト「クレジットカード」を含むリンクは何本程度にすればいいのでしょうか。これがアンカーテキスト一致率の話です。


業界の推奨値、実はこんなに変化している

以下のスライドは、過去の「アンカーテキスト一致率のベストプラクティス」の値の変化をざっくりと表したグラフです。SEO まわりで最も変化の激しい技術的話題の1つだと思います。2000年代においてアンカーテキスト周りは特に自然検索順位に直接影響を与える要素だったこともあり、ギリギリを攻めていく人が多かった要素でもあります。そのため、推奨値も年々変化してきたのです。トピックは2003年のフロリダアップデートと、2009年前後のブランド認識議論、そして2014年前後のペンギンアップデートあたりでしょうか。

最近はアンカーテキスト一致率云々はほとんど話題に上がらなくなりましたが、操作しようとするその意識自体が危険なレベルに達したというか、自然に任せつつ少しばかりの配慮によりおおよそ要件を満たせるようになってきたからといえます。

how_the_exact_kw_anchor_match_has_changed_over_past_15_years.png


アンカーテキスト一致率 100% で問題なかった 2001年前後

2001年 -- Google の PageRank のロジックが広く知れ渡り、今日でいう人工リンクの生産が始まった当時 --、SEO 業界ではこのアンカーテキスト一致率は(今では信じられないかもしれませんが)「90-100%」が推奨されていました。当時は検索エンジンスパムが今日ほど認知されていなかったこと、Google もリンク操作に関連するスパム排除の仕組みを持っていなかったこともあり、やりたい放題だったわけです。特に当時は、リンクの関連性は問われない※、サブドメインからのリンクも別ドメインからのリンクとほぼ同等に評価されていたので、たとえばサブドメインを100万個作成して、そこからリンクを張っている会社も現れました(※ さすがにこれは SEO関連のコミュニティで問題視され、最終的に Google が自然検索結果から除外した記憶がある)。

※ 当時の Google はリンクでつながったページ同士の関連性は一切考慮しなかった。そこで「Googleキラー」として検索市場に現れたのが WiseNut と Teomaの2社で、どちらもリンクの関連性を考慮するアルゴリズムを採用していた


外部リンクスパムの排除に取り組み始めたフロリダアップデート

こうしたスパムリンクの氾濫にメスを入れたのが、2003年から2004年にかけて実施された Google の大規模なアルゴリズムアップデート(Florida / Austin / Brandy Update)です。このアップデートのなかで、特定のページに向けて特定の文字列を含むリンクが過剰な場合、スパムと判断して(当該文字列=キーワードの)検索順位を落とす仕組みが導入されました。この結果、SEO 業界で推奨されるアンカーテキスト一致率の割合のベストプラクティスは上に示したスライドで示す通り、「70%未満」となりました※。

※ 70%で危険水域、75%を超えたらアウトというのが当時の専門化の間での一般的な見解

また、先の注釈内で触れた WiseNut と Teoma と同様にリンクの関連性を考慮するようになったのもこの頃からです。


「自然なリンクとは何か」に向けて、一致率の意味が薄れていった10年

Google はインターネットで張り巡らされているリンクを解析して、情報の重要性を計算したいだけです。したがって、自然検索順位を上昇させるためだけに設置されたリンク(=人工リンク)と、人が価値を認めて張ったリンク(=自然(発生)リンク)を適切に分類して、後者を使って重要度判定を行いたいのです。その観点からすれば、60%にせよ50%にせよ、ある程度の割合で同じアンカーテキストが含まれていれば人為的であることには変わりありません。

Google が本来実現したかったことはその後、同社のリンク解析アルゴリズムやスパム検出技術の向上、そして情報の信頼性や権威性(オーソリティ)いったさまざまな要因も考慮した複合的な関連性評価が実現可能になってきたことで、アンカーテキスト一致率それ自体が論点にならなくなってきました。特に近年はペンギンアップデートがこのアンカーテキスト一致率を厳しく評価することも影響しています。上記スライドでは 20%付近を表していますが、「気にしてほしいけど、あまり気にしすぎないで欲しいレベル」とお考えください※。

順位を上げたいキーワード:それ以外のキーワード=2:8

※ 20%は保守的すぎかもしれない、30%前後でいいんじゃないかという意見もある

ちなみに2009年~2010年を境にさらにガクンと一致率が下がっているのは、その頃から「ブランド」という評価軸が考慮され始めたためです。つまり、本当に人々の間で認知され評判の良いウェブサイトであれば、一定の割合でブランド名称を含むキーワードがリンクテキストに含まれているもの(※ 感覚的にわかりますよね?)である、だから、順位を上げたいキーワードの含有率を考慮するよりも、サイトの評判や信頼性の観点から本質的にどうあるべきかを考えるようにシフトしてきたのです。

そんなわけで、マシンリーダブル(Machine Readable)の観点から少しは気にしてほしいのですが、無理に入れる必要は一切ない、程度の認識で構わないということです。順位を上げたいキーワードのことばかり考えるのではなく、ブランドやリンクが張られた文脈、言及などさまざまな要素も考慮すべき(=相対的に一致率云々の重要性が下がる)と捉えて頂いた方がいいかもしれません。

たとえば、サイト内リンクの最適化を例に挙げますと、一昔前なら (1) パンくずリストのサイトトップへのリンクを TOP ではなく ●●●(キーワードを表す、以下同様) TOP にする、(2) ページ下部に、ページ上部に戻るリンクを設け、アンカーテキストに順位を上げたいキーワードを設置する、(3) サイト内のページからサイトトップに戻るリンクはすべて●●●のキーワードの完全一致あるいは●●●を含む部分一致にしておくといった事柄がベストプラクティスとして紹介されていたと思います。今現在、これらをすべて当時の推奨のまま実施すると「危険」ですので、たとえば (1) を実施するなら (2) はやらない、(3) は適当にするといった感じでしょう。


アンカーテキスト周りの SEO 、今後はどうなる?

冒頭で挙げたグラフの右側ですが、ふたたび推奨値が上昇していくことは絶対ないと断言できますが、0% に近づいていくこともないと思います。今日、アンカーテキストの一般的な使い方に変化はありませんし、ページの重要度や関連性を判定するうえで(スパムが氾濫しているとはいえ)参考になるシグナルです。ターゲットとするキーワードをどう処理するかという各論で考えるなら特段の変化はないのではないでしょうか。つまり、どうでもいいんじゃないでしょうか。


「2年前の知識は役に立たない」くらいの気持ちでアップデートを

今回この記事を書こうと思ったことは、最近お客様とお話をしていると、過去のある時点の情報や推奨施策をもとにご相談される方が目立ってきた印象を持ったからです。「3年前まで SEO やってたんですよ!」という方なんかが典型的な例でして、2011年を境にして SEO の(実務寄りの現場担当者にとっての)事情はかなり違いますよね。


2016年4月

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