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オラクル顧客にロックオン、「負のスパイラル脱却を」と日本MS 斎藤氏

“ほぼ無償”ライセンスなど、日本MS「SQL Server」移行支援策

2016年04月22日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本マイクロソフト(日本MS)は4月20日、国内における「SQL Server 2016」への移行支援策を発表した。オラクル製データベース顧客の乗り換え促進を狙い、“ほぼ無償”の特別価格ライセンスや、両社製品に強いSIパートナーによる移行支援といった施策を展開する。

オラクル顧客のSQL Serverへの乗り換えを狙った2つの施策を発表

発表を行った日本マイクロソフト クラウド&サーバー製品マーケティング部 部長の斎藤泰行氏

 SQL Server 2016への移行支援策は、北米ではすでに3月上旬のイベント「Data Driven」で発表されている。今回は、日本国内向け施策の正式発表として、日本マイクロソフト クラウド&サーバー製品マーケティング部 部長の斎藤泰行氏が発表を行った。

オラクルからの移行顧客に“ほぼ無償”ライセンスを提供へ

 今回発表された国内向け移行支援策は2つ。

 1つめは、「Oracle Database」や「Oracle Exadata」などの商用データベース製品(オープンソース製品を除く)からSQL Serverへの移行を確約する顧客を対象として、SQL Serverのライセンスを「特別価格」で提供するというものだ。移行対象のデータベース環境が50コア以上の規模、という条件もあるが、「ライセンス価格は『100%に近い』ディスカウントを行う」(斎藤氏)という。

オラクルなどの商用データベース製品顧客を対象に、移行先のSQL Serverライセンスを特別価格で提供

 ライセンスを特別価格で提供することにより、データベース環境の移行に際して発生するさまざまなSIコストの負担を吸収することが狙いだ。斎藤氏は、移行対象の棚卸し/アセスメント/設計/テスト/検証/実装といった移行プロセスを説明しながら、これまではそのコスト負担を顧客に強いていたと語った。「ある程度の適用条件はあるが、特別価格によって移行にかかるSIコストを捻出できる、補填できるのではないかと考えている」(斎藤氏)。

SQL Serverのライセンス価格を抑えることで、移行プロセスにかかるコストを補填すると斎藤氏は説明した

 もう1つの移行支援策は、国内SIパートナーによる「OracleからSQL Serverへの移行サービス」の提供だ。上述した移行プロセス全体を手がけることのできる「移行支援パートナー」9社を選定し、これらのパートナーが移行サービスを提供する。

 斎藤氏は、パートナー一覧のスライドを見せながら「オラクルもできる、SQL Serverもできるパートナー」を選定したと述べ、「第三者(パートナー)がアセスメントしたうえでコストを小さくし、移行の実作業をしっかり行う。その裏側で我々が支援する」形で支援していくと説明した。

OracleからSQL Serverへの移行支援パートナー

 なお、移行パートナーの1社である日本ヒューレット・パッカード(HPE)では、x86ハイエンドサーバー「Integrity Superdome X」を“80%オフ”の特別価格で提供する。これは「Oracle Exadata Database Machine」顧客をターゲットとしたキャンペーンだ。

 また、2つの移行支援策は独立したものであり、移行パートナーにSI作業を依頼しない場合でも、ライセンス特別価格の適用は受けられる。

日本マイクロソフトでは特設サイトで移行支援策を紹介している

 斎藤氏は、Oracle DBにおけるライセンス料金の値上げを背景として、顧客からもパートナーからも「Oracleからの脱却を図りたい」というコメントが多く出ていると述べ、その代替案としてSQL Server 2016を提案していくうえで、大きな移行コストがネックになっていたと説明した。

 「今回、我々は非常に本気だ。SQL Serverに移行して、さまざまな“負のスパイラル”から脱却していただきたいと思っている。そこで、その移行にかかるコストをできるだけ弊社で負担できないかと考え、大きく2つの施策を用意した」(斎藤氏)

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