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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第454回

空間を作るだけで雰囲気が変わる! 構図を意識して猫写真

2016年04月22日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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場所によっては上下も意識して構図を決める

 もうひとつバリエーション。

 今度は上下に動かしてみた。

 猫を右下に置くと、背景に松の枝が大きく入るわけで、「松と猫」の写真になる。逆に右上に置くと松が目立たなくなってその代わり池が大きく入ってくる。「池の上に猫」の写真になるわけだ。

「松と猫」か「池と猫」か。猫の足下を広く撮った方が高いところにいる感が出るが、絵として華やかなのは松の方かな。どう撮るかはお好みで(2016年3月 オリンパス OM-D E-M1)

 この場合はどっちがいいという問題じゃなくて、どっちを見せたいか、あるいはぱっと見たときどっちに心が惹かれたかって話にもなる。

 もちろんわざとど真ん中に置くこともある。

 これは猫というより、道の写真。猫が道路を渡ろうとしてたので、これはど真ん中で撮りたいと思い、歩いてくるのを待って撮った。

 歩いている猫を横から撮る場合、進行方向を多めに空けて撮ると、前に進んでいく感が出ていいのだけど、このときは道路の真ん中を渡ってる感を出したかったのだ。

結構気に入ってる写真。曇天下、古い路地を悠々と横切る猫。道路が延びる感じを出したかったので真ん中を通る瞬間を狙ってみた(2014年9月 オリンパス OM-D E-M5)

結構気に入ってる写真。曇天下、古い路地を悠々と横切る猫。道路が延びる感じを出したかったので真ん中を通る瞬間を狙ってみた(2014年9月 オリンパス OM-D E-M5)

 これもわざと真正面から撮った例。

 猫にいぶかしがられながらも、門の隙間から撮ってる感を出したかったので、門の横のラインがまっすぐになるよう位置を微調整して撮ったのだ。この横のラインがまっすぐ並行になってないと、落ち着かないし、迫力がでない。

玄関前の門の奥に猫がいたので、これは隙間から猫の顔が覗いてる感じで撮りたい、と真正面になる角度を探して撮影。「なにやってんだこいつ」という顔で見られたのがよかった(2016年4月 パナソニック DMC-TX1)

玄関前の門の奥に猫がいたので、これは隙間から猫の顔が覗いてる感じで撮りたい、と真正面になる角度を探して撮影。「なにやってんだこいつ」という顔で見られたのがよかった(2016年4月 パナソニック DMC-TX1)

 このように猫を撮るとき、1枚撮って終わりじゃなくて、ちょっと構図を考えてみるのは大事。できるだけ自分が何に心惹かれたかを素直に表現するのが一番かと思う。

 というわけでお昼寝の春です。おやすみなさい。

神社拝殿の縁側隅に頭をのっけて大あくびしてた猫。縁側の端っこに頭をのっけてる感じを出したかったので猫を思い切り端に置いて撮ってみた(2015年5月 オリンパス OM-D E-M1)

神社拝殿の縁側隅に頭をのっけて大あくびしてた猫。縁側の端っこに頭をのっけてる感じを出したかったので猫を思い切り端に置いて撮ってみた(2015年5月 オリンパス OM-D E-M1)

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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