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ドローンを“ドット化”した空中ディスプレイ 21世紀の夢は「空き地」から始まった

2016年04月25日 13時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 取材● みきーる

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 富士山を前に、20機強のドローン編隊が飛びまわる。津軽三味線 小山会の演奏に合わせて舞い踊る。搭載したLEDが輝き、ふわりと「逆さ富士」を形づくった。SFのような光景は、驚くべきことに実際に撮影したものだ。

 4月20日、舞浜アンフィシアター。多くの招待客とマスコミを前に、アドテクノロジー企業マイクロアドと、クリエイター・高城 剛氏によるドローン映像プロジェクト「Sky Magic」全貌が明かされた。制御されたドローンの編成によって空中に映像を出現させようという内容は想像以上にクレイジーだった。

 機体は直径30cmほどの汎用ドローン。球状のカーボンフレームで覆われ、1機あたり660個のLEDを搭載する。LEDは照明信号用の通信プロトコルDMX512に対応し、「Abelton Live」のようなDJツールからMIDIでも操作可能。ドローンはフライトコントローラーで飛行を制御。RTK-GPS(リアルタイムキネマティックGPS測量)を搭載すれば、誤差2センチ単位のリアルタイム制御ができるという。落下したときも球状なので衝撃がおさえられ、すぐ編隊に復帰できる。

 たとえばライブコンサートやフェスの会場で、ステージの奥から、複数台編隊して飛ばすことができる。やがてはドローンに搭載したLEDをドットに見たて、空中にディスプレイをつくれるのではないかとも考える。1機あたりのLEDを1000個に増やし、100機を飛ばせば「10万画素」になるというわけだ。

 LED演出家であるno new folk studio菊川裕也CEOは「1年以内に101機を飛ばしてみせたい」と目標を語った。将来はドローンにAIを搭載し、GPS信号などがなくても自律飛行ができる状態にしたいという。

 まるで映画を現実化するかのようなとてつもない大計画。背後には、高城剛氏と、マイクロアド代表取締役の渡辺健太郎社長、2人の大人が香港の「空き地」で見たという夢があった。

(左から)no new folk studio菊川裕也CEO、マイクロアド代表取締役渡辺健太郎社長、高城剛氏

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