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VRおじさんの「週刊VRかわら版」 第3回

お台場や池袋で、体感型のVRが遊べる!

注目のVR没入体験できるアミューズメント施設やネカフェはココ!

2016年04月17日 10時00分更新

文● 広田 稔 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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VR業界の動向に日本一詳しいと自負するエヴァンジェリスト「VRおじさん」が、今週のVR界の出来事をお知らせします!

1ヵ月先まで予約でいっぱいのVRエンターテインメント施設、VR ZONE Project i Can

 どもども! VRおじさんことPANORAの広田です。今週は、Facebookが開発者イベント「F8」にて360度カメラを発表したニュースもありましたが、個人的に注目したいのは国内でVRが体験できる店舗が増えているという動向です。ナムコとバンダイナムコエンターテインメントが15日より東京お台場にオープンさせたVRエンターテインメント施設「VR ZONE Project i Can」を中心に語っていきましょう。

「VRとはこれか!!」を知ってほしい

 2016年は、Oculus RiftやPlayStation VR、HTC ViveといったVRヘッドマウントディスプレーが発売される「VR元年」ではありますが、今年中に1人1台の勢いでVRヘッドマウントディスプレーが爆発的に普及する……ということにはならないでしょう。

 その理由の一つは、まずVRが体験してみないと絶対にわからないということ。日本人の95%(もっと?)はVRヘッドマウントディスプレーについて、ニュースで見たり聞いたりしていても、実際にかぶったことがないはずです。文章で書いてる筆者がいうのも矛盾してますが、「映像の中に入れる」という感覚は一度やってみないと実感できません。そして、「こんなものか……」とか「なんか酔う」と失望してもらわないためにも、最初にいいVRコンテンツに出会ってもらう必要があります。

 もうひとつ大きいのはお金でしょう。ASCII.jpの読者なら「当然買うでしょ」というアーリーな方々も多そうですが、一般のご家庭に4〜11万円台のVRゴーグルと一緒に、最新のGPUが搭載されたデスクトップPCやPlayStation 4がバンバン導入される……というのは、すぐには想像しにくい状態です。さらにVRは、ゴーグルだけでなくハンドコントローラーなどの周辺機器を併用するとさらに「あちらの世界」にいる感覚が高まるので、よりいい体験を求めるといよいよ出費がかさみます。ソフトもそうですね。

お台場や池袋で、体感型のVRが遊べる!

 というわけで、今の段階で多くの人にとって求められているのがVRを体験できる店舗の存在です。

一足お先にVR ZONE Project i Canを体験してきた、週アス つばさ

 「VR ZONE Project i Can」は、東京お台場にあるダイバーシティ東京プラザの3階に10月中旬までオープンしているアミューズメント施設で、6つのVRアクティビティーを用意しています。利用料金はパスポートカードが300円で、各アクティビティーは700〜1000円。ちなみに全部遊ぼうとすると4900円となります。体験にはウェブからの予約が必須で、日時を予約することで80分遊べますが、現状1ヵ月先まですでに埋まってしまっているという人気っぷりです。

 採用しているVRヘッドマウントディスプレーこそ先週紹介したHTC Viveですが、映像に合わせて動く筐体を併用することで、そのVR体験を深めてくれています。そしてバンダイナムコエンタテインメントといえば、全国のゲームセンターで遊べる体感ゲーム筐体を開発しているメーカー。長年の技術がこのVR ZONEに活かされているわけですね!

 コンテンツ自体については、八尋さんとつばささんが体験された記事が詳しいです。筆者も体験してきましたが、ぜひ友人、知人と訪れることをオススメします。特に4人で協力プレーする「脱出病棟Ω 」は、知っている人と遊ぶからこそ、普段と違う顔が見られて(物理的には見えませんがw)盛り上がります。

東京・池袋のサンシャイン60に、4月21日オープンするスカイサーカス サンシャイン60展望台は「体感型展望台」

 アミューズメント施設では、4月21日、東京・池袋のサンシャイン60にオープンする「スカイサーカス サンシャイン60展望台」も注目。ハウステンボスなどにVR乗馬レース「ハシラス」を導入してきたハシラスが、人間大砲で東京の名所をフライトできる「TOKYO弾丸フライト」やブランコ型体感コースター「スウィングコースター」などを収めています。


日本全国に広まるきっかけはネカフェがつくる!?

 VRが体験できる店舗としてもうひとつ外せないのが、ネットカフェになります。

 今月7日からは、インターピアとejeが日本複合カフェ協会の協力の元、VRの体験ができる「VR THEATER」を展開しています。「自遊空間」や「コミックバスター」など関東近県の31店舗からスタートしており、Gear VRを600円で貸し出してVRコンテンツを体験できます(入会金や店舗利用料は別)。

フルCGで描かれた『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』の美しい映像をいろんな体勢でガン見する、ジサトラハッチ!

 体験できるコンテンツは、イスに座ってお手軽に見られる360度映像です。現在の第1弾は「進撃の巨人展」のみで展示して話題になった「進撃の巨人展 360°体感シアター 『哮』」が目玉。5月からの第2弾は「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」の完成版を用意しています。この辺、ジサトラハッチさんのレポートが詳しいですね。

 テクノブラッドとFOVEが組んで展開する「Virtual Gate Project」にも注目しておきたいです。FOVEは視線追跡機能を備えたVRヘッドマウントディスプレーで、動作にはPCを使います。ポイントは、テクノブラッドが「プロビジョン」というコンテンツ配信ソリューションをネットカフェの90%以上、10万台のパソコンに展開しているという点。まとめて自動で入れ替えできるのでお店側の手間が軽減されるというのがいいですね。

 ネットカフェの中には、MMORPGのために高性能なグラフィックボードを備えたデスクトップPCを持っている「VR Ready」な店舗もあります。インターピアとejeの陣営も、Gear VR以外の導入も検討しているとのことで、ネットカフェでVRの楽しさに目覚める人も多そうです。まだVRを体験したことがないという方は、ぜひ今回紹介した店舗型に行ってみてください。

 というわけで、最後に広田も関わっているVR・パノラマニュースサイト「PANORA」で来週、再来週にイベントを開催するのでその宣伝を……。なんだか「イイハナシダナーと思ったら、青汁のCMだった」みたいな流れですが、4月28日に「Tokyo VR Meetup #04 VR×ネカフェ・アミューズメント施設の可能性」という、まさに今話したようなテーマを扱うトークイベントを開催します。

 さらに来週の4月20日には、「最新VR事情が一気にわかる!! 2016年1〜3月海外イベントまとめ」というセミナーも開催しております。こちらは海外イベントをベースに、家電、モバイル、ゲーム、コンテンツという4ジャンルでVR業界を俯瞰する内容です。週刊アスキーのACCNさんにもご出演いただくので、ぜひぜひご参加下さい。


広田 稔(VRおじさん)

 フリーライター、VRエヴァンジェリスト。パーソナルVRのほか、アップル、niconico、初音ミクなどが専門分野。VRにハマりすぎて360度カメラを使ったVRジャーナリズムを志し、2013年に日本にVRを広めるために専門ウェブメディア「PANORA」を設立。「VRまつり」や「Tokyo VR Meetup」(Tokyo VR Startupsとの共催)などのVR系イベントも手がけている。


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