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映像エンジンの改善で、さらにノイズの少ない撮影が可能に

Nikon D5、4年の進化をD4愛用のカメラマンが検証

2016年04月10日 12時00分更新

文● 岡田清孝 編集●ASCII

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解像感の変化は? そしてカラーバランスは? 検証してみた

 気になる画質をチェックしてみた

左がD4、右がD5。撮影条件は使用レンズAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G・露出マニュアル・ISO100・絞りF8・シャッタースピード1/125秒・照明はストロボ使用。

解像度チャートを撮影したものを拡大して比較。写真左が「D5」、写真右が「D4」。「D4」は長辺短編ともに約113%拡大し解像度を合わせた。

 チャートで解像度を比較すると、D4の1620万画素から2082万画素にアップしたD5のほうが、わずかに解像感で優れるという当たり前の結果。今までD4の1620万画素という解像度で特に不満はなかったので、画素数の面では正直D5の優位性はそれほどは感じられない。

D4(左)、D5:AUTO 0(中央)、D5:AUTO 1(右)。撮影条件は使用レンズAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G・絞り優先オート・ISO100・絞りF8・シャッタースピード1/2秒・照明は白昼色蛍光灯を使用。

 次にスタジオに組んだセットで発色を検証。D5のオートホワイトバランス初期設定は、新たに搭載された「AUTO 0 白を優先する」に設定されている。蛍光灯の色かぶりが残るD4と比べると、白色が濁りなくクリアに発色されている。

 一方ホワイトバランス設定をD4と同じ「AUTO 1標準」に変更しても、D5のほうが色かぶりが少なく、白色のヌケが良く見える。また露出が同じ設定なのに関わらず、D5のほうが1/3EV程度明るく写っていた(もっともこれは4年以上酷使した「D4」の個体が劣化しているせいかもしれないが……)。

●D5のISO感度別作例

ISO L1.0(50)

ISO100

ISO200

ISO400

ISO800

ISO1600

ISO3200

ISO6400

ISO12800

ISO25600

ISO51200

ISO102400

ISO H1.0(204800)

ISO H2.0(409600)

ISO H3.0(819200)

ISO H4.0(1638400)

ISO H5.0(3280000)

 同じ撮影条件でISO感度別の画質をチェック(1EV単位、ノイズ処理は標準に設定)。

 最低感度のISO 50相当は拡張感度なのでダイナミックレンジが狭くなり、厳密に見るとハイライト部が少しだけ飛び気味だが、この程度なら実用上はまったく問題ない。高感度ではISO 1600までは画質劣化は皆無で、ISO 3200を超えてようやくノイズ処理による解像感低下が見える。しかしそれもごくわずかでISO 2万5600までなら実用的だ。

 常用感度最高のISO 10万2400もサイズが小さければ十分使用できる画質だ。拡張感度になると画質はかなり荒れて、最高のISO H5.0(328万0000)はまるで冗談みたいな描写だが、それでも“何が写っている”のかわかるのには驚かされる。

ISO1600から「D4」の常用最高感度ISO12800の感度別画質を拡大して比較(サイズと合わせるため「D4」の画像は長辺短編ともに約113%拡大)。左からISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800。上段が「D5」、下段が「D4」。

 D4と高感度画質を比較してみるとD5のほうが圧倒的にノイズレス。約2段近く差があるといっても過言ではない。巷ではD5はD4sより1段分高感度画質に優れるなんで声もチラホラ聞く。さらに1世代前のD4ならこのくらいの違いがあるのは当然だろう。

 ちなみにこれらの画質比較はすべて撮って出しのJPEGで撮影したもの。ただし筆者は仕事の撮影はもちろん、プライベートでもRAWで撮影する派だ。ということで試しにRAWから現像して比較したのが次の画像。

RAWからAdobe CameraRawを使用して現像。ホワイトバランスをマニュアルで調整し、ノイズ軽減を50に設定。左からISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800。上段が「D5」、下段が「D4」。

 RAWからで現像した画像ではJPEGより画質差が少ないのがわかる。つまりD5の優れた高感度画質は最新の画像処理エンジン「EXPEED 5」によるところが大きいということだ。

 JPEG撮って出しで撮影するなら「D5」の完勝だが、RAWで丁寧に現像をすればISO1万2800程度まではD4もまだまだ十分健闘することがわかった。

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