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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 3月26日~4月1日分

デジタル化投資で遅れる日本企業、国内SDN市場が200億円規模に、など

2016年04月05日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 今週からスタートする連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、調査会社などが先週1週間に発表したIT市場予測やユーザー動向などのデータについて、それぞれのポイントを3行にまとめてお伝えします。

■[市場]2015年の国内サーバー市場動向(IDC Japan、3月28日)
・出荷額は前年比+7.3%の5,070億円、ただし出荷台数は-2.0%
・出荷額では富士通、出荷台数ではNECが首位
・出荷台数でODM Directが昨年に続き増加、上位ベンダーに匹敵する規模に

 仮想化によるサーバー集約やクラウド利用の動きが進み、国内でもサーバーの出荷台数は横ばいの状況が続く。ただしx86サーバーの平均単価が上がったため売上規模は増加。また、クラウドプロバイダーなど大規模な事業者が、安価なサーバーを直接かつ大量に調達するODMベンダー(ODM Direct)の存在が国内市場でも無視できない規模に。

2010年以降、出荷台数はほぼ横ばいの状態が続いている

■[セキュリティ]2015年、オンラインバンキング利用者を狙う攻撃動向(シマンテック、3月28日)
・金銭詐取を狙うトロイの木馬型マルウェア、検出数は前年比-73%
・減少の原因は犯罪組織の活動停止や逮捕、またランサムウェアへの移行も
・より大きな“獲物”狙い、金融機関を直接標的とする攻撃が増加

 オンラインバンキングのパスワードなどを狙うマルウェア、検出数が減少したとはいえすべてが検出されているとも限らず、まだまだ注意が必要。電子メール(スパムメール)の添付ファイルでの拡散が最も多いとのこと。

“トロイの木馬”の標的国として、日本が4位にランキングされている

■[市場]2020年までのSDN/NFV国内市場予測(IDC Japan、3月29日)
・2015年の国内SDN市場総計は200億円規模に成長
・先行するデータセンターSDN市場は122億円、2020年まで平均38.5%の成長
・企業ネットワークSDN市場は年平均成長率41.6%を予測

 企業向け、通信事業者向けのSDN市場も今年以降、本格的に市場が立ち上がると予測。企業向けでは運用コストの大幅な削減が、通信事業者向けではNFV活用で多様なサービスを提供することによる差別化が期待される。

2020年には1391億円市場になると予測されている

■[ユーザー動向]世界のCIO、2900人以上へのサーベイ結果(ガートナー、3月29日)
・最も支出の多いIT分野、日本は「ERP」、世界は「BI/アナリティクス」
・「デジタル化への支出」で日本企業は出遅れている
・日本企業は「CIOとCEOの関係」が希薄、関係強化を目指すべきと指摘

 日本企業でもビジネスの“デジタル化”に対する気運は急速に高まっており、今年、来年には世界の動きに追いつくのではないか。とはいえ、成功の鍵は、CEOに対してテクノロジー面から適切なアドバイスができるCIOの存在。

2015年に支出の多かったIT分野。世界と日本では大きく傾向が異なる

■[ユーザー動向]国内ミレニアル世代(20~35歳)スマホユーザーのセキュリティ意識(ウェブルート、3月30日)
・4割以上が「自分はセキュリティ意識が高い方だと思う」と回答
・ただし、スマホには「特にセキュリティアプリをインストールしていない」「わからない」が合計で過半数
・また半数以上が、写真や動画の個人を特定できる情報は漏えいしてもリスクを感じない傾向にある

 暗号化されていない公衆Wi-Fiを利用して仕事のメールなどを見る、という回答者も約3割に上ったという。業務利用するスマートフォンでは、メールサーバーとのVPNや暗号化通信を利用するよう徹底したい。

スマホにセキュリティソフトをインストールしていない、が42.6%(出典:ウェブルート)

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